【中央線快速】本数が多いのに「混雑」が激しいのはなぜ?

JR中央線快速は首都圏の中でも特に運行本数が多い路線である。しかし、混雑もかなり激しく満員電車になることも多い。

朝ラッシュは時間帯であれば2~3分間隔で電車が走っている。山手線でさえ3分間隔で走っていることを考えると、一番ダイヤが過密している路線であるといってもよい。三鷹以東は各駅停車も並行して走っているが、快速だけでこれほどの本数がある例は他にはない。

最も乗降時間がかかる新宿駅では2面4線のホームをフル活用し、上りだけでも交互に発車できる構図になっている。したがって、新宿駅で電車が渋滞が起きることもほとんどなく、山手線よりも設備が整っている。

中央線

しかし、それでも東京西部からの通勤通学客による混雑は緩和されない。夕方の下り電車についても同じことがいえる。


沿線が都市化している

中央線快速の沿線の特徴として、ほぼ全線に渡って都市化されている。その一方、郊外には大きな都市がない。

例えば、東海道線は横浜、東北本線は大宮(さいたま市)、総武線は千葉を通っている。郊外からの乗客は都心の手前の都市で降りる例も多く、沿線の人すべてが都心のターミナル駅まで乗ってくるわけではない。

中央線快速の場合、途中には大きな都市が存在しない。立川や八王子があるが、いずれも政令指定都市ではなく、降りる人よりも乗ってくる人の方が多い。

沿線はベッドタウンとなっていて都心へ向かう通勤・通学客が利用する路線となっている。東急田園都市線や京王線、小田急線などと同じ性質となっているため、これらと同じように中央線快速も混雑が激しい理由となっている。

人口密度が高い

さらに混雑の原因となっているのが、沿線の人口密度の高さである。中央線快速が走るのは東京~高尾駅であるが、沿線はすべて住宅地となっている。他の路線に乗ってみると、少なくとも窓から田畑が見える区間が存在するが、中央線の場合は建物しかない。

緑が見えることはほとんどなく、人の手が加えれられている建造物しか窓からは見えない。これにより、沿線は隙間なく人が住んでいるというわけである。

「快速」にもかかわらず駅間距離が短いのが特徴となっているが、人口密度が高いのがその要因といえる。

距離的にはあまり長くはないとしても、停車駅が多いことから予想以上に電車に乗っている時間が長くなる。もしこれから沿線に住もうと考えているのであれば、こうした点も検討するのがよいだろう。

中央線各駅停車が空いている理由は?

中央線各駅停車

ところで、三鷹から東側では快速と各駅停車の2種類の電車が走っている。オレンジ色の電車が快速であり、黄色の電車がいわゆる中央総武緩行線である。ホームがある駅にはすべて止まる。

中央総武緩行線の混雑率とは!? 朝と夕方の時間帯を調査

朝や夕方の時間帯の混雑率を見ると、快速よりも各駅停車の方が空いている。快速ではギューギュー詰めの超満員の状態であっても、各駅停車では立っている人がところどころにいる程度のケースがある。

この理由は、各駅停車が走る区間はほとんど東京都23区内となっているためである。多くの人が住んでいる住宅街の郊外は三鷹駅よりも西側にあり、中央線各駅停車が走っていない地域である。

しかも、上り方面で大半の人の降車駅は新宿駅や東京駅であり、中野駅より都心側では通過駅のある快速運転が行われることもある。

わざわざ各駅停車に乗る人はあまりいない。需要が少ないため、ラッシュの時間帯であっても比較的空いているのだ。


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