上司からの「パワハラ」は何の法律で禁止されているのか!?

パワハラは一見して日常茶飯事に行われている行為であるが明確な犯罪である。法律上ではどんな条文で禁止されているのか。そして、どんな罪として成立するのか。ブラック企業に限らず多くの会社に一定の数は潜在するトラブルであるが、その法的根拠について解説する。

よくある勘違いとして、「パワーハラスメント禁止法」のような名称の法律があると思い込んでいる人がいるが、これは完全な間違いである。パワハラという言葉が直接記載されている法律はない。

しかし、たとえ言葉だけであっても他人へ対する侮辱行為であるとみなされることも多く、その場合には法律に触れるものとなってしまう。自覚はないかもしれないが、いつの間にか大きな罪を犯していたということにも発展する可能性がある。

どんな罪になる?

パワハラは、具体的には次のような罪に問われるケースが考えられる。

名誉毀損罪(刑法第230条)
侮辱罪(同法第231条)
暴行罪(同法204条)
傷害罪(同法204条)

名誉棄損罪

公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。

侮辱罪

事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する。

近年の「パワハラ」の場合は暴力を伴わないが言葉による叱責や中傷が主流である。この場合、対象となるのが名誉棄損罪と侮辱罪である。

「パワーハラスメント法」のような直接的な法律がないため、パワハラを取り締まる手段が確立されていない。とはいえ、上司から迷惑で自分の利益が脅かされる不都合な行為を受けていることが事実である。

部下であるあなたに対して上司から、業務上の指導とは思えないような言葉の暴力を受けた場合、これら2つの法律を根拠に対処していくことになる。

被害届を出すと受理されるか?

被害届

出典:todoke.client.jp

さて、パワハラを受けているということで警察に被害届を出した場合、受理されるのかどうかは解決への転換点となるだろう。

ただ、現実的には暴言のみだとなかなか受理されるのは難しい。確固たる証拠が必要になるのは確かだろう。暴力の場合は明らかな傷害であって傷害罪が成立するため被害届を出すのは容易であるが、言葉だけのパワハラは難易度が高い。

暴言の場合、証拠としてボイスレコーダーで上司からの言葉の暴言を録音しておくことで、被害届を出す際の証拠を押さえられる。

ボイスレコーダーによる録音された音声に加えて、パワハラを受けた具体的な日付と時刻の記録を取っておくのも好ましい。メモ帳などにそれらを書いておくことでさらなる証拠となる可能性は高くなる。

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