私鉄に貨物列車が走っていないのはなぜ!? JRだけな理由とは?

JRの幹線路線には数多くの貨物列車が走っているが、私鉄においてはまったく運行されていない。それはなぜなのか。どうして民鉄では旅客だけを輸送するようになったのか。




戦前から戦後の高度成長期が終わる頃までは私鉄の路線においても貨物列車を走らせていた鉄道会社がいくつかある。大手民鉄においても東武や西武、近鉄では貨物列車を走らせていた歴史を持つ。

しかしいずれも現在では旅客の輸送のみとなっている。乗客が乗る電車だけが走っていて、荷物を運ぶ列車は1本も走っていない。どうして貨物輸送は衰退してしまったのか。

トラック輸送が中心の時代へ!

昔の昭和の時代、国内の輸送手段といえば旅客・貨物を問わず鉄道であった。特に長距離の輸送は線路を走る列車が主流であり、自動車が走る道路網はあまり整備されていなかった。

首都圏や関西などの大都市近郊のエリアだけの範囲内で輸送する場合も鉄道が多く使われていた。

しかしトラックの性能の向上や道路網の発達によって自動車による輸送の方が小回りが利き、かつ効率的であると考えられるようになった。それに伴って貨物列車は衰退する道をたどることとなる。

その結果、路線距離が短い私鉄における貨物列車はどこの鉄道会社でも廃止され、通勤や通学の移動手段としての旅客輸送に専念するようになった。

鉄道にモーダルシフトする例が増えているが

トラックへが物流の手段の主役となった今でも長距離輸送においては環境への負荷が小さい鉄道での輸送が注目を集めていて、物流業界でもトラックから貨物列車に切り替える業者も増えている。

例えば、トラックによる物流業界の一員である福山通運は1編成丸ごと貸切にした専用貨物列車を走らせるようになった。それ以外の会社でも順次トラックから鉄道に長距離輸送を切り替えるケースが増加傾向にある。

しかし、それは長い路線距離を持つJR線のみの話である。大都市近郊を走る私鉄ではまったく無縁だ。短距離の貨物輸送においてはトラックに勝てるものはないのが現実といえる。