【東急目黒線】どうして急行でも遅い!? 停車駅が多い理由は?

東急目黒線の最速列車は「急行」である。しかし、停車駅は多くて全体的なスピードが遅い。目黒線内には全部で13駅あるが、そのうち7駅にも止まる。田園都市線や大井町線の急行や東横線の特急と比べるといかに多いかがわかる。

どうして目黒線だけがこれほど頻繁に優等列車であっても停車するようなダイヤとなっているのか。


主要駅が多いため

東急目黒線の場合、乗降客数がまとまった駅がこまめにある。それに加えて、乗換駅も多い。大岡山駅、田園調布駅、多摩川駅、武蔵小杉駅は他の路線との乗り換えができる。しかも同じ東急電鉄の路線との接続駅でもある。

東急目黒線の急行

例えば、大岡山駅は大井町線との乗り換えができる。

目黒方面と田園都市線方面を移動する人が乗り降りする。特にラッシュの時間帯では、大井町線と目黒線は混雑が激しい田園都市線のバイパス機能という役割を果たしている。

参考:東急目黒線の朝ラッシュの混雑状況を時間帯・区間ごとに調査!

他の路線を見ると、乗換駅がこれほど多い路線は少数派である。東横線や田園都市線のような主要な路線であっても、他路線と接続している駅数は距離に対しては多くはない。

武蔵小山駅については、単独駅であり乗り換えができる路線はない。

しかし、この駅では急行と各駅停車の緩急接続が行われる。目黒線内では唯一待避線が整備されている駅ということで、急行の停車駅になっている。

武蔵小山以外の駅では、駅ホームの構造は1面2線、2面2線のどちらかとなっている。各駅停車を追い越せるところがないのもまた、急行の速達化が難しい理由ともなっている。

路線の距離が短い

東急目黒線の営業キロ数は約12kmとかなり短い。特に、都心直結の路線としては大幅に短い。

どんなに移動しても終点が日吉駅となっているため、目黒線では遠距離ユーザーのために所要時間を短縮する必要が薄い。

停車駅を極力減らしても、所要時間は現状とそれほど大きな違いは出てこない。そのため、急行であってもこまめに止まるようなダイヤでも問題がないのが実情となっている。

さらに、目黒線は全体的に線形が良くはない。最高速度まで加速できる区間といえば、武蔵小杉駅~元住吉駅間のみであり、この区間は東横線と並行する場所でもある。

カーブによる曲線が多いということで、停車駅を削っても時間の短縮は見込めない。これもまた、急行の停車駅が多い理由の1つとなっている。

今後は相鉄線との相互直通運転を実施する予定となっている。1本の列車の走行距離は伸びるのは確実だが、目黒線内での速達化の需要があるかどうかは不明。今後も今のダイヤが続くだろう。

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