小田急の快速急行、なぜ朝は運転ゼロ? 複々線化でもダメ

小田急線の乗車券・定期券のみで乗れる最速列車は「快速急行」である。しかし、朝ラッシュの時間帯は運転されていない。上下線とも一番停車駅が少ないのは単なる「急行」となっている。




2016年3月のダイヤ改正からは、日中のじかんたいを中心に快速急行が大幅に増発され、新宿~相模大野間では1時間あたり6本運転されるようになった。小田原方面に3本、江ノ島線の藤沢方面に3本が運転されている。

夕方以降の帰宅ラッシュの時間帯でも、優等列車には快速急行と急行の両方が走っている。優等列車の本数そのものは、以前よりもかなり増えた。

複々線化で快速急行が走りやすくなった

小田急の快速急行

複々線化事業の完成を見据えた結果だと思われる。東北沢~梅ヶ丘間の複々線化を残すところとなっているが、これが完成するのは2018年の予定となっている。

複々線になることで、速達電車でも各駅停車などと干渉することなく走りやすくなる。現在の快速急行も、これを見据えた上で急行が格上げされたといっても過言ではないだろう。

また、急行の混雑緩和にも貢献しているようだ。急行は乗降客数が多い駅に停車するようになっているが、これによって急行へ乗客が殺到する状態がこれまで続いてきた。

近距離利用者も急行に乗り、遠距離利用者も同じく急行に集まっていた。一方で、快速急行も以前から運転されていたものの、本数が少なかったため、供給力不足であった。

急行の一部を快速急行にシフトアップし、1時間あたりの快速急行・急行のいずれも6本ずつにしたことで、遠距離利用者は快速急行へ流れ、急行の利用者層は近中距離利用者が主流となった。



朝はなぜ運転しない?

一方、複々線化の大部分が完成した現時点でも、朝の時間帯は快速急行の運転がまったくない。上りの新宿方面も下りの小田原・藤沢方面も本数はゼロの状態となっている。

朝ラッシュの場合、ダイヤが重視する対象は異なる。昼間は速達性が重要だが、朝はいかに効率的に大量の乗客を輸送するかが大切なポイントである。

複々線化が進んでいるとはいえ、小田急線のダイヤが過密状態であることには変わりない。通過駅の設定がある急行と準急は、小さな駅をすべて通過する内側線を走るが、これだけでも本数はかなり多い。

朝ラッシュで混雑する小田急

出典:www.youtube.com/watch?v=CjkfgzTRL10

ラッシュのピーク時には、急行と準急は2~5分間隔で運転されている。それでも、これらの種別の電車は常に超満員電車となっている。需要に対して供給が追いついていないのは確かである。

しかも、梅ヶ丘駅付近で急行系と各駅停車が合流する。乗降時間が長くなりやすい下北沢駅ではいつも電車の渋滞が発生している。ダイヤが線路の許容範囲を超えているため、これ以上本数を増やせない状態にある。

そんな理由から、小田急線では朝ラッシュでは快速急行の運転を行っていない。

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