埼京線はなぜ複々線化しなかった? 混雑緩和できなかった理由

JR埼京線ではなぜ複々線にはしなかったのか。東北新幹線の建設と同時に作られた路線だが、単なる複線の路線として計画が進んでいった。

そして今、埼京線は首都圏でも有数の最混雑路線の1つという地位にいる。その一方、電車の本数は他と比べるとやや少ない。

朝ラッシュ時の乗車率は180%を超えるレベルとなっているものの、電車は3~5分間隔とやや広い。2~3分間隔で走っている山手線や中央線、京浜東北線と比べると少ない。


複々線にするほどではないが

埼京線単独であれば、複々線にするほど電車の運行本数が求められているわけではない。

1980年代に建設された赤羽~大宮間についても、快速が走ることを考慮しても線路容量には若干余裕がある。このため、高架区間の複々線化を行う必要性は薄い。

ただ、問題は池袋以南の区間に問題がある。池袋~大崎間では埼京線は専用の線路を走るわけではない。山手貨物線を走るが、ここでは湘南新宿ラインの電車と線路をシェアしている。

埼京線の合間を縫って湘南新宿ラインの電車が通っているようになっている。山手貨物線の区間では、基本的には埼京線が優先されるものの、これ以上本数が増やせないほど線路容量は飽和状態にある。

山手貨物線を複々線化できれば混雑が解消

池袋と大崎の間の区間において埼京線と湘南新宿ラインの線路を別々にできれば、もっと埼京線では朝ラッシュの時間帯に増発できる。そうすれば、混雑は今より緩やかとなるのは確実だ。

複々線化できない山手貨物線

とはいえ、山手貨物線の区間で新たに線路を建設できるほど土地に余裕はない。都心部ということで、すでに線路周辺は建物や道路がある。

山手貨物線を複々線化できるスペースを無理やり作るとすれば、あとは地下区間に通すしか方法はない。

地下に線路を建設するとなると膨大なコストがかかるのは避けられない。JR東日本が単独で行うのは無理といっても過言ではない。

地上の線路はすでに高架上を走っていることから、連続立体交差事業の必要性がない。つまり、沿線の自治体に当たる東京都から補助は得られない。

したたって、山手貨物線の複々線化は不可能といえる。

赤羽~池袋が複々線化の必要あり

埼京線で混雑するのは、湘南新宿ラインと線路をシェアする池袋以南の部分ではない。赤羽~池袋の区間である。

埼京線の赤羽~池袋

京浜東北線や宇都宮線・高崎線からの乗客で新宿線や渋谷方面へ向かう人が赤羽駅で埼京線に乗り換える。

副都心方面と行き来する人が多いために、最短ルートを形成している埼京線が混雑する原因となっている。

そのため、埼京線の赤羽→池袋間が最混雑区間となっている。

しかし、この区間では複々線化するための用地はまったくない。それどころか連続立体交差すら進んでいない。理由はスペースの問題だ。

線路の周辺は住宅街が広がっている。開かずの踏切が地域の問題として取り上げられている一方で高架化が行われていない理由はここにある。当然、複々線化の余裕もゼロ。


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