トヨタ自動車の中途採用の倍率と難易度は、事務系で約100倍で「かなり難」、技術系とソフトウェア職種で約20倍で「やや難」。細かい職種によって変化するものの、これくらいが1つの目安と考える。
定期的に実施されているが、難易度もまた高いことでも知られている。転職市場では、他のどの会社と比べても人気が高い。社会人経験がある人にとっては、それだけトヨタには大きな魅力を感じている人が多いことを表している。
トヨタ自動車の中途採用の募集は自社の採用専用ウェブページか転職エージェントにおける求人にて行われている。直接ホームページで掲載されている求人はある程度の採用人数を予定している職種が中心のようだ。
転職エージェントを経由した募集は、少数の採用に留まるものもある。できるだけ効率的に探し求めている人材を確保するのが狙いと思われる。

どちらも社会人経験のある人材を求めていることには変わりないが、応募者数もかなりの数にのぼる。転職の難易度は新卒採用の時よりも難しいのは間違いない。
職種ごとの就職難易度
職種 | 難易度(満5点) | 予想倍率/レベルの目安 |
---|---|---|
事務系職種 | ★★★★★ | 100倍超。極めて難しい。 |
技術系職種 | ★★★★ | 20倍超。ふつうに難しい。 |
ソフトウェア職種 | ★★★★ | 20倍超。ふつうに難しい。 |
事務系職種とは、営業・事務企画、国際事業、法務などのことを指す。
技術系職種とは、研究開発、設計、開発、生産技術、品質管理などのことを指す。
ソフトウェア職種とは、名前の通りソフトウェア・システムの開発や保守管理を指す。
いずれもトヨタ自動車はそもそも超大手企業で転職市場でも特に人気の会社ということもあって、転職難易度が最高クラスだが、職種ごとの違いもある。
新卒採用の時点でもかなり人気の高い企業だが、離職率は特に低いのがトヨタ自動車。ゆえに、中途採用でも他の大手企業と比べても「売り手市場」の状態。
これらの点では新卒でも中途採用の転職でも同じ。
給料に関する条件はいずれの職種でも違いはほとんどない。(トヨタ自動車の平均年収は約850万円! 職種・年齢ごとでも算出)
事務系

- 事務系職種の転職難易度
- 倍率は推定で50~100倍
- 充実した職歴は必須
- 学歴フィルターも可能性あり(難関大学出身者が優勢)
- 募集も少なめ
事務系は最終学歴に関しては全学部全学科を対象。技術系のように「以下のいずれかの技術領域で大卒レベル以上の知識を有すること -化学工学・機械工学・電気、電子工学」といった制限はない。
そんなこともあって、大学応募者の大半は文系出身者。事務系総合職と呼び方をしている企業もあるが、仕事内容は同じと考えてよい。
全学部全学科はつまり「誰でも応募できる」という意味になるが、実際のところは中途採用ということで各分野の経験者が優遇される。
それでも対象になる人口が多いため、事務系に応募する人数が多くなるのは避けられない。
倍率は100倍以上には達する予想。数百倍という世界のため、採用される人が運の良い人に限られる。
そもそも募集そのものがない時期もある。技術系では年間を通して様々な職種で募集があるが、事務系はほんの一部に限られている。
転職難易度は「かなり難」に当たるレベルで、きわめて難しいことがわかる。新卒採用にも増して高難易度である。
技術系

- 技術系職種の転職難易度
- 倍率は推定で20倍前後
- 充実した職歴は必須だが、競争は比較的低め
- 学歴フィルターも可能性あり(難関大学出身者が優勢)
- 募集は常に多い
技術系総合職も「総合職」という点では同じでも、業務の領域が専門的な分野になる。機械系や物理・化学系、情報系の学部学科を卒業した社会人をターゲットにした職種。
募集要項にて特定の学部学科の大学を卒業していることが条件になっている職種も目立つ。
「パワートレイン:ハイブリッド車・電気自動車の電池セル開発」を例に挙げると、以下のように記載されている。
ハイブリッド車・電気自動車の電池セル開発
応募資格 <学位等>
・学士卒以上
(2020年度内に、博士後期課程を卒業/修了見込みの方を含む)<MUST>
【以下の要件をともに満たす方】
・以下のいずれかの技術領域で大卒レベル以上の知識を有すること
-化学工学
-機械工学
-電気、電子工学・電池セル本体または電池を用いた機器・自動車製品の開発に関心を持ち
関連領域の開発・設計経験を有すること
さらに、中途採用のためこれらに関係する仕事を前職でやってきた人達が優遇される。
専門的な領域だが、トヨタ自動車という超大手企業かつ年収が高い総合職のため、倍率も30倍以上になると予想。
転職難易度は事務系よりはワンランク下の「やや難」という表現になる。
事務系よりは多少難易度が下がるのは確かだが、それでも実感できるほど容易なレベルにはならない。
コネクティッド、パワートレーン、先進技術開発、車両系生技・製造、アフターサービス/品質保証、未来創生 IT・情報システムのどれも転職難易度の違いはないと考えてよい。
正式データがないため実際の数値とは異なるかもしれないが、背景の事情をもとに考えるとこのあたりが適当かと思う。
ソフトウェア職種

- ソフトウェア職種の転職難易度
- 倍率は推定で20倍前後
- 専門分野に特化した職歴は必須だが、競争は比較的低め
- 募集は常に多い
ソフトウェア職種の中途採用の難易度は技術系とほぼ同じ。
業務の領域が専門的な分野になり、応募できる人はそもそも少ないことが要因。
ソフトウェアの開発、保守管理の経験があることが大前提。文系・理系は問われないものの、未経験での募集はほとんどない。
募集要項でも次のような記載があるのがほとんど。
コネクティッドカーの車載用通信機器(DCM)開発
<MUST>
【下記いずれかの経験・知識がある方】
・家電あるいは携帯電話メーカー等での通信端末機器開発経験
・カーオーディオ、カーナビゲーション機器等の車載マルチメディア機器の開発経験
・携帯電話ネットワーク用インフラストラクチャー機器の開発経験
・携帯電話向け通信関連ソフトウェアの開発経験<WANT>
・通信端末機器開発
・カーマルチメディア開発
・インフラストラクチャー機器開発
・携帯電話向け通信ソフトウェア開発
ソフトウェア関係は自動車業界でも実際に携わった経験がある人は少ない。
転職者を見ても、この分野ではIT業界などの異業種から移ってくる人が多め。
倍率は30倍くらいと予想。
転職難易度は事務系よりはワンランク下の「やや難」という表現になるが、トヨタ自動車という巨大企業なこともあって、簡単な採用職種とまでは言い難い。
書類選考と筆記試験が難関
トヨタ自動車の中途採用の募集へ応募すると、書類選考を経て筆記試験や適性検査が行われることが多い。
ここが最初の難所である。書類選考では、会社側が求めている経験があるかないかや、出身大学などの学歴が見られる。
ここで落とされるケースがかなり多い。面接まで進めるのは限られた候補者のみとなる。
参考:トヨタ自動車の就職者の出身大学を調査! 学歴フィルターも
技術系の職種においては、特に自動車関係あるいは工業系の企業での経験が問われる。どんな部署でどのような業務に携わってきたのかによって、合否が決まるといっても過言ではない。
募集されている職種と同じような職種に携わってきた経験があるのであれば、書類選考を通過できる確率は高まる。逆に違う業務に携わってきたのであれば、やや通過できる確率は低くなる。
面接もまた難しい

面接まで進めても引き続き内定までの道は遠い。他社での転職の場合は面接回数は2回のところが主流となっているが、トヨタ自動車では合計で3回ほど行われるケースが多い。
質問される内容もかなり深いことが多い。
「なぜ他の自動車会社ではなくトヨタなのか?」
「どうしてこの職種を選んだのか?」
「今の会社を辞めようと考えた理由は何か?」
などの質問は間違いなくされると思ってよい。
採用予定の人数に対して応募者数が多く、それは面接の段階でも変わらない。これにより、面接でも会社側が満足のいく回答をするのは、入社するためには必須条件だろう。
面接の内容自体は、自社ホームページから応募した場合でも、転職エージェントから応募した場合でもほとんど変わらない。
書類選考や筆記試験で合格できたのであれば、面接の日までには十分な対策が必要なのは言うまでもない。
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東京都江東区在住。1993年生まれ。2016年国立大学卒業。主に鉄道、就職、教育関連の記事を当ブログにて投稿。新卒採用時はJR、大手私鉄などへの就職を希望するも全て不採用。併願した電力、ガス等の他のインフラ、総合商社、製造業大手も全落ち。大手物流業界へ入社。
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