なぜ東京湾アクアラインの通行料金が高い!? 3つの理由とは!

東京湾アクアラインの通行料金が高い理由に関して不満を感じている人は少なくないだろう。ETCなしの普通車だと3,090円という値段となっている。なぜこんなに取られてしまうのか。

ETC搭載車なら800円という安い通行料金に設定されている。しかし、これはあくまでも期間限定の特別割引料金に過ぎない。

将来的には基本料金である3,000円まで再び値上げされる可能性が少なくない。現行の特例料金は、定価だと交通量が少なくて赤字になってしまうことからの処置である。

東京湾アクアライン

交通量が今よりもさらに増えて渋滞が頻繁に発生するくらいとなれば、料金は本来の値段まで上がる可能性はかなり大きい。


建設費の借金の償還のため

東京湾アクアラインが開通したのは1997年のことである。建設工事が着工されたのは1989年ということで約8年かかった。

総工費は約1兆4,409億円という莫大な金額となった。当時はバブル期の最中だったこともあり、当初道路の計画が予定されていた時よりもかなり高額なコストがかかった。

多額の借金と高い通行料金

その結果、多額の借金を抱えることとなった。その償還を40年で終えるため、通行料金は普通車で4,000円に設定された。

しかし、当初の計画では30年で償還する予定で、通行料金は約5,000円となることが想定されていた。

建設費が高かったことと、その返済を開通から40年の2037年に終える計画があるため、東京湾アクアラインの通行料金が高い理由の1つである。

割引による不足分は千葉県が負担

その後、あまりにも高額という不満や苦情が相次いだことから、3,000円に値下げされた。

2002年からは社会実験として普通車で通行料金が定価の23%割引が実施された。これにより、通行料金は実質的に2.320円となった。2006年にはこの割引額が恒久化された。

2009年からは、ETC車に限り800円という通行料金となり、期間限定で実施されていた割引だったが、2014年以降も10年間に限って引き続き800円となった。

割引によって不足するようになった金額は千葉県が負担している。通行料金を安く設定することで得られる経済効果を期待して、県民の税金を投入しているわけだ。

しかし、これはあくまでも期間限定の措置であり、いつまでも千葉県が負担し続けるとは考えられない。そのため、定価は3,090円のままになっている。

維持費もかかる

東京湾アクアラインはすべて橋梁またはトンネルで構成されている。地面にただアスファルトを敷いただけというわけではないのはわかるだろう。

橋梁部は海の上を通るため、潮風による腐食は陸地よりも激しい。トンネル部も海底を通るため、定期的な保守点検が欠かせない。

通常のNEXCO高速道路

海上と海底を通る道路の維持には膨大なコストがかかる。NEXCO各社が管理する通常の高速道路よりもランニングコストが割高になるのは避けられない。

それを負担するのは東京湾アクアラインの利用者で、すなわち通行料金を支払う車両というわけだ。

東京湾アクアラインの高い通行料金には、建設費の返済額・道路の維持費の2つが含まれている。値段が高い結果となってしまっているのはこのためだ。


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