
文系でいわゆる「コミュ障」(コミュニケーション能力に乏しいこと)は結構致命的。
そうではない人と比べて大幅に社会で不利な立ち位置になる可能性があり、さらに理系と比べても重度が大きい。
仕事では、文系は特に他人との会話によって成り立つ内容が多いことが影響。
目次
文系のコミュ障の弊害は4つ
コミュ障の弊害 | 具体的に内容 |
---|---|
就職で大幅に不利 | 面接選考で大幅に不利。主流層である「営業」「販売」の職種にはなれない。職業選択の余地が少ない。 |
人間関係に苦労 | 文系は特に人と話すことに苦手意識がない学生が多く、正確が不一致などの人間関係で苦労しやすい。 |
ゼミで苦労 | 発表の場が多いゼミでは自分の意見を言葉で表現する力が求められる。話すのが苦手な人には地獄。 |
今回のコミュ障の定義は、対人恐怖症に伴う人との会話に抵抗を感じること。
過去のコミュニケーションの経験から生じた苦手意識やトラウマによって対人関係に恐怖を感じていたり慎重になりすぎているケース
マイナビウーマン「悪化する前に! コミュ障の原因と治し方」
コミュ障というと、就職の面接で苦戦して不採用となる事例が最もイメージしやすいかもしれない。
しかし、弊害はそれだけではない。大学生活でも就職後の社会人生活でも様々なところで欠陥となる。
>>人と話すのが苦手な「コミュ障」は就職の面接でどうしてる!?
就職で大幅に不利に

文系のコミュ障の最大の弊害は、就職とその後の仕事。
民間企業の場合、基本的に文系の仕事とは「物を売る」こと。具体的に言うと、「営業」「販売」が該当する。
文系出身者の多数派は、営業職に属する。
参考:文系の就職で営業以外の職種はあるのか!? あとは公務員だけ?
営業・販売ではクビ
仕事内容の性質から、営業職や販売職では他人と話すことが仕事といっても過言ではない。
コミュニケーション能力がなければ、所属する企業の製品を売り込むことはほぼ不可能。
トーク術も求められるが、それがなければ顧客となる人達が購入を敬遠してしまう。
さらに、聞く力がなければ、顧客の要望なども企業に持ち帰ることができず、営業としての仕事を全うできない。
総務・経理もあるが
営業以外にも、総務や経理などの管理部門に当たる職種もあるが、人数の面ではかなり少ない。
さらに、総務や経理では社労士や税理士などの資格を持っていることが求められるケースが多い。
特に何の専門性もない文系出身者というだけではなかなかなれない部署でもある。
技術職はそもそも理系限定
理系を対象とする設計・開発・品質管理といった技術系の職種では、コミュ障でも多少は通用する面もある。
しかし、技術系は原則として理系出身者だけを対象とする。文系出身者は門前払いされるケースがほとんど。
専門性を求められる仕事の都合上、それがない文系の学部学科を出ている人は採用されない。
周辺の人との人間関係に苦労

理系と比べて文系の学部学科に所属する学生は一般的に話すのが得意な人が目立つ。
正式な統計データは存在しないが、内向的な性格よりも外向的な人の方がやや多い印象。
そうした中で、周辺の人たちとの人間関係に苦慮するのがコミュニケーション能力に乏しい人たち。
「類は友を呼ぶ」というが、似たような性格の学生が少ない分、友達もできにくくなってしまう可能性がある。
これも文系かつコミュ障の弊害に当たるといえる。
>>【大学生編】友達が少ない! これは恥ずかしいことなのか考察
ゼミで苦労する
大学の3年次以降になると、ほとんどの文系の学部学科では「ゼミ」というものがある。
ゼミで行うことは特定のテーマに関する勉強・研究だが、学生1人1人に発言の場が多く設定されている点。
学生が個人またはグループで研究テーマを設定し、調査と分析を進めてプレゼンテーションやレポート、論文の形式で発表します。自分で課題を見つけて解決する力、論理的な思考力、他人と協働する力、人に物事を伝える力などを身につける場
進路のミカタ知恵袋「大学のゼミって、どんなもの?」
ゼミでは自分の言葉による表現力が求められる。講義とは違って単に誰かの話を聞くだけではなく、自分の意見を発表しなければならない。
コミュニケーション能力に乏しい学生は大学で特に苦労する場所。
人と話すことが得意であるとまではいかないものの、大幅な苦手意識があることは致命的と言わざるを得ない。
向いている仕事はあるが

文系出身者かつコミュニケーション能力に乏しい人でも比較的向いているとされる職業は以下の通り。
- トラックドライバー:基本的には大型貨物車の運転がメイン。コミュニケーションは取引先で少し挨拶する程度。
- SE(システムエンジニア):プログラムを制作・管理するのが仕事。言葉による意見や説明の機会は少ない。
- 工場勤務:マニュアル通りの決められた工程をこなすことが仕事。管理職でない限りは言葉による意見や説明の機会は少ない。
上記のように、コミュ障かつ文系出身者でもなれる職種が存在するのは否定できない。
ただし、職業選択の幅がかなり狭くなるのは避けられない。
さらに、これらの分野では専門性が一定程度求めらえる上、年収水準も安定してはいない。
社会人コミュ障の文系出身者の末路
社会人かつ文系出身者のコミュ障の問題点は以下の通り。
- 年収が低い(上がらない)
- パワハラの対象に
- 営業で悲惨な結果に
前述の就職に関する内容と重複する部分もあるが、社会人コミュ障では色々と損する面がある。
年収が低い

年収が低いといっても、人と話すことが苦手という点で給料が低く抑えられるわけではない。
昇給で給料が上がっていきにくいのがコミュ障の欠点。
就職することはできても、職場での評価に悪影響が出やすい。
コミュニケーション能力に劣れば、社内の上司、社外の顧客や取引先とのやり取りに苦慮する。
これによって仕事の評価も相対的に悪くなる。
評価が悪ければ、出世はしにくく、いつまでも給料水準が低い平社員のまま何十年も過ごすこととなる。
パワハラの対象に

NHKジブ5時
パワハラとは、一般的に上司に当たる人間が職場内でその優位性や立場を利用して、労働者(部下)に対して業務の適正範囲を超えて叱責や嫌がらせを行うこと。
近年の労働環境では問題視されているが、これの対象になりやすい人は特定の人に偏る傾向。
それが口数が少ない人で、これもコミュニケーション能力に乏しい人に該当。
口数が多い人よりも少ない人に要求や暴言を吐きやすい。言葉で何か反撃されて、上司側が苦境に立たされる可能性は低いためだ。
パワハラの対象となれば、それが毎日のように続く。うつ病、最悪は自殺に至ってしまう。
パワハラは基本的に加害者である上司に問題がある一方、それをそもそもさせないことが高いコミュニケーション能力を持つことではある。
営業で悲惨な結果に

前述のように、文系の主流層となる職種は、他人と話すことが求められる営業や販売。
説明する力、言葉で表現する力がないとモノを売り込むことができないが、それを達成しなければ営業成績が悲惨な結果になる。
会社側が求める仕事ができなければ、最悪の場合は解雇、つまりクビになってしまうかもしれない。
ここまでには至らなくても、その後の昇進には少なからず影響する。
給料がいつまで経っても初任給のまま、ボーナスも最低水準にとどまるといった結果になる可能性は大いに考えられる。
コミュニケーション能力が最低限でも備わっていれば、そのようにはならないで済む内容である。