文学部は就職に不利! 統計データからその理由を考察

就職に不利

文学部は就職に不利という意見が結構多い。理系・文系問わず他の学部と比べても文学部の学生はなかなか内定が取れないという意見が少なくない。

誰もが希望する大手企業へ就職できる可能性が最も低い学部ともいわれている。公務員になる学生も割合的には他と比べて少ない。

中小企業への就職を余儀なくされるというイメージも強いのは否定できない。そんな文学部の就職の事情について調べてみた。


統計データ:文学部の就職率=低い

主な原因 就職率
文学部 経済学部系
慶応義塾大学 84% 92%(経済学部)
早稲田大学 81% 85%(政治経済学部)
明治大学 85% 90%(政治経済学部)
千葉大学 88% 89%(法政経学部)

※参考資料:以下よりデータを引用

慶応義塾大学『就職関連情報
早稲田大学『Career Data
明治大学『2018年度(2018年9月・2019年3月)卒業者の就職データ
千葉大学『千葉大生の就職状況

上記は文学部と文系の代表的な存在の経済系学部との就職率の差を示したデータ。

早慶にあたる慶応義塾大学、早稲田大学、MARCHの代表格の明治大学、国立大学の上位勢に入る千葉大学を参考にした。

いずれの大学でも文学部の就職率は低い水準にとどまる。

国公立大学である千葉大学においても1%の僅差ではあるものの、経済系より文学部の方が就職率が低い。

やはり文学部は就職に弱い

就職できない文学部

上記のデータから、文学部は就職に弱いことが読み取れる。

世間的に「文学部=就職できない」と言われることが少なくないが、一定の根拠は確かにある。

とはいえ、まったく就職できないという点は誤り。

あくまでも法学部や経済学部などの他の文系学部と相対比較した場合の話にとどまる。

なぜ文学部は就職に不利?

主な原因 詳細な内容
企業活動(ビジネス)とは無関係 民間企業、官公庁の役割とは直接関係を持たない学問分野。ビジネスとはかけ離れている。
就職への関心が低い 就職への関心が文系他学部に比べて低い傾向。企業活動、行政の政策と日ごろから接していないことが影響。
教授と企業等の関係がない いわゆる「コネ」が文学部の教授には少ない。企業や官公庁との結び付きが少ないため、文学部の学生の就職率が低下。
草食系男子が多い 文学部は草食系男子が多いとされる。就職競争にはやや弱い人達が多いという説もある。

文学部が就職に不利になる理由は、上記のような要因が挙げられる。

まとめると次のようになる。

  • 企業活動(ビジネス)とは無関係
  • 学問の分野が職業に直結しない
  • ビジネスに無関心な学生が多い

企業活動とは関係ない学部学科の1つに文学部が該当する。文系の中でもビジネスの世界とは無関係といっても過言ではない。

企業活動(ビジネス)とは無関係

就職に不利になる文学部

文学部の特徴=企業活動(ビジネス)とは無関係

  • 国・自治体の活動、民間企業の活動とは分野が不一致
  • 社会人になってからは文学部で学んだ知識を生かせない

文系でも法学部や経済学部、経営学部などではビジネスまたはそれに関係する学問を学ぶ。

理系の学部学科でも、学校で学ぶ分野はそのまま職業へと直結する。工学部・理学部・薬学部・農学部などはそのまま専門的な職業に就職しやすいというアドバンテージがある。

学部 就職との関係
文学部 関係なし
法学部 ビジネスの世界に関係
経済学部 ビジネスの世界に関係
工学部 職業へ直結
理学部 職業へ直結
医学部・薬学部 職業へ完全に直結

例えば、法学部ではビジネスでは必須になる法律関係や国や自治体の政策について勉強する。経済学部はビジネスの集まりであるお金の流れ、つまり経済そのものについて学ぶ。

一方の文学部や文学やその他歴史について学ぶ。しかし、それ自体がビジネスに結び付くかというと、大半は結び付かない。

就職に役に立たない文学部

身に着けた知識は大学などの研究機関や専門家だけの世界に収まってしまう。

仕事で活かすとなると、営業や企画管理などの職種ではほぼ無理だろう。

文学部で勉強する内容を職業で活かすのは難しいのは確か。

これにより、企業の採用担当者も文学部の学生を積極的には採用したがらない理由へとつながっている。

就職への関心が低い

就職に対する関心

文学部の特徴=就職への興味関心がない

  • 就職、ビジネスへの興味関心が全体的に低い
  • 行政の政策、企業活動への関心がない

文学部は他の学部と比べても就職にあまり関心がない学生が多いのも1つの特徴。

企業の事業内容や仕事内容について、公務員に関係する国や地方自治体の事情についてあまり興味がない学生が文学部には多いと感じる。

法学部は法律や政治、裁判所の判例などを取り扱う学部ということもあって、国や地方自治体の政策、判例に関連した企業活動に興味関心が一定は出てくる。

経済学部もまた行政や企業活動に関するトピックが出てくるため、同じように行政の政策、企業活動に興味関心がある。

文学や歴史について学ぶが、今日のビジネスに関係することとは接しない分野がほとんどであり、就職という現実的な世界から遠く離れている。

これもまた、根本的な理由は学問の内容にあると考えられる。

一方で文系の社会学系の学部や理系の学部全般だとビジネスへと直結する要素が少なからずあることから、就職や企業活動に興味関心がある人は多い。

教授と企業等の関係がない

文学部の特徴=教授のコネが少ない

  • 企業・官公庁との「コネ」を持つ教授が少ない傾向
  • 学生たちは就活では正規ルートしかない

教授と企業・官公庁との「コネ」がある事例が多い学部学科がある中、文学部では少ない。

工学部・理学部などの理系学部のみならず、法学部・経済学部も教授と企業・官公庁のつながりがあることが少なくない。

コネを持つ教授のゼミに参加すると、就職も裏ルートによって有利になることもある。

このような機会が文学部では少ない。

男子学生の就職率の低さが深刻

就職率では男子の方が女子よりも割合的に大きいことが多いが、それは文学部では逆。

>>文学部に所属する男子の特徴とは、こんな方々です!

以下にて、MARCH大学群の1つである立教大学の男女別就職率のデータから読み取れる。

女子
文学部:86.59% 全学部:88.81%

男子
文学部:73.11% 全学部:81.65%

全体
文学部:82.60% 全学部:85.56%

出典:立教大学『進路決定状況

文学部では男子学生の就職が思わしくないことで、結果的に学部全体の就職率を押し下げているのがわかる。

男女比を見ても文学部では女子の方が多め。そのため、あらゆる競争に弱い男子学生が多いという意見が少なくない。

就職の世界でも、このように競争力に乏しい男子学生を敬遠する採用企業も影響しているものと考えられる。

総合職を嫌う男子学生が影響か

文学部の男子学生には不利な総合職

  • 男子=総合職、女子=一般職の流れだが
  • 総合職=営業

→ビジネスに興味関心がなく、競争に弱い男子には向いていない

女子の場合、就職先は民間企業だと事務作業が多めの「一般職」が主流。

男子の場合、営業が中心になる「総合職」が主流。

ビジネスには興味関心が低い文学部の男子学生が、このような総合職を敬遠する学生が多いとも考えられる。

こうした背景が文学部の男子学生の就職率の低さの要因ではないか。

企業側から見た文学部

面接での評価

面接でも良く聞かれる質問内容であるが、「なぜ○○学部へ進学したのか?」と問われることがある。

ビジネスに関係のある学部であれば、次のように答えられる。

「○○学部で△△を学んで、就職して学んだ知識を活かしたいと考えたから」

つまり、就職した時に活用できる学問が学べるから自分が所属する学部に入学したと回答することができる。

しかし、ビジネスとは縁が薄い文学部だとこのように答えることができない。

文学部などの学部学科だと、なぜその学部を選んだのかという質問に対する答えとは次のようになるだろう。

  • 日本文学について学び、古代の社会について勉強したいと考えたから
  • 英文科へ行って英語力を身につけたいと考えたから
  • 日本語にはなぜひらがな・カタカナ・漢字があるのか知りたかったから

しかし、いずれも就職で活かせるような内容ではなく、就職した後の将来のビジョンでも使える要素のある回答ではない。

職業へ直結する学部学科に進学する時の考えのような回答と比べると、企業の採用担当者のイメージとしてはプラスにはならない。

実際の文学部に所属する学生の気持ちの面だけでなく、学生を採用する企業の採用担当者をはじめとする世間の先入観もますます就職に不利になる後押しをしているのも否定できない。


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