文学部でも出版社に就職するのは案外難しい!

文学部の就職

出版社に就職することを希望する文学部の学生はかなり多い。その一方で、実際に内定を獲得するのは難しい。

東証一部上場のような大企業のみならず、中小企業でさえも他の業界と比べると難易度が高い。

出版社で何社もエントリーしたものの全滅して、諦めて他の業界へ就職する文学部出身者も相当多い。


出版社の採用人数は数名だけ

主要な出版社で新卒採用を行っているところを例にすると、採用人数は以下のようになっている。

出版社の新卒採用の採用人数(2021年を参考)
出版社 新卒採用の採用人数
KADOKAWA 若干名
講談社 若干名
集英社 16~20名
学研ホールディングス 201~300名
小学館 若干名

ほとんどが「若干名」

上記のように、出版社のほとんどでは募集人数は「若干名」。つまり、2,3人くらいが平均で、多くても5~10人程度。

かなり狭き門なのがわかる。

学研ホールディングスだけは大量に募集しているものの、これは学習塾をも手掛けていることが影響しているからに過ぎない。

児童書・学習参考書・実用書籍など出版事業、電子出版配信事業、教材開発を行う(株)学研プラスではやはり若干名に落ち着く。

さらに、出版社にて募集の対象とする学部は不問。つまり、文学部を優遇することがほとんどない。

参考:文学部は就職に不利! 統計データからその理由を考察

出版不況でも就職難易度が高い

就職活動を行う大学生

今の世の中は本が売れない「出版不況」と言われている。

業績を伸ばす業界が存在する中、出版社はどこも衰退する傾向。

しかし、就職先としては依然として人気が高い。華やかなイメージもあって、業績に関係なく就職したがる大学生は相当数にのぼる。

とはいえ、前述のように狭き門ということで、就職難易度が高いのは確か。

「読書が好きだから文学部に入った」という学生の多くは、漫画や雑誌、書籍に関わる仕事を志望しています。

「好きなことを仕事にできるから楽しそう」「高収入が期待できそう」などのイメージも強いですが、出版社の採用人数はごくわずか。大手でも数十人、中小となると定期的に採用をしていないことも珍しくありません。いくら出版不況と言われていても、志望者が未だ多い以上、出版業界が“狭き門”であることは変わらないようです。その上、出版業界の選考は筆記問題や作文が選考で課されることも多く、対策にも時間や労力がかかります。

DODAキャンパス『文学部は就職に有利?それとも不利? その理由とおすすめ資格もあわせて紹介!

このように、他の一般的な業界と比べて出版社に就職するのは容易ではない。

文学部に所属しているからといって、これが出版社への就職に有利になるかというと、100%ないと断定してよい。

筆記試験も難しい

筆記試験

出版社には筆記試験があるところが目立つ。

一般的な企業にて試験がある場合はSPIのようなものが主流。しかし、出版社では完全に手書きのペーパーテストがある例が少なくない。

特に文学部の学生が苦戦しやすいのは時事問題に関する出題。最近のニュース、その他社会的な一般常識が問題に出される。

時事問題に関しては、文学部よりも法学部や経済学部の学生の方が常日頃から接していることもあっては得意な傾向。

さらに、出版社では政治経済に関する内容だけでなく、芸能ニュースや音楽に関する問題も取り上げられることがある。

試験の対策がしにくいのも現状。

これらのために、出版社に就職したくてもできない文学部の学生が続出しやすい。

具体例

実際に出版社における筆記試験では、以下のような問題が出題される。

乃木坂46のメンバーで、CanCamのモデルとして活躍したのは?(選択制)→橋本奈々未(小学館2018卒採用試験)

「この世界の片隅に」に声優として出演している改名した女優の名前は?(筆記)→のん(集英社2018卒採用試験)

出典:T.O.P&M『【19卒向け-No.1】出版の筆記試験って、どんな感じなの?

上記は時事問題に関する筆記試験の出題。

さらに、出版物に関する出題もある。

塩田武士『罪の声』でモデルにされた事件は?(選択制)→グリコ・森永事件(講談社2018卒採用試験)

森見登美彦『夜行』で、学生時代、主人公たちが通っていたのは?(選択制)→英会話スクール(小学館2018卒採用試験)

出典:T.O.P&M、同上

もはや一般常識ではなく、一部の特定の人しか知らない知識を問う問題ともいえる。


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