化学メーカーの離職率(新卒3年以内)の目安! 各社を一覧化

化学メーカーの新卒入社後3年以内の離職率の目安の一覧を掲載。他の業界に比べるとかなり低い割合で、基本的には10%未満。

製造業の中でもかなり良い定着率で、新卒採用で入社した人たちのほとんどが定年まで働き続ける。

新卒採用で就職した人の3年後の時点での離職率は平均で3割といわれているが、化学メーカーは完全に例外である。



化学メーカー業界の各社の離職率

企業名 新卒3年以内の離職率 備考
三菱ケミカル 4.5%
住友化学 3.1%
三井化学 19.2% 11人採用、2人退社
信越化学工業 1.9%
花王 3.3%
旭化成 14.2%
DIC 1.4%
日東電工 1.7%
東ソー 3.3%
宇部興産 2.8%
大陽日酸 3.2%
三菱瓦斯化学 2.0%
積水化学工業 7.4% 2014年入社組
カネカ 2.8%
日立化成工業 1.6%
日本ペイント 3.2%
東レ 8.5%
JSR 2.1%
日亜化学工業 6.2%
デンカ 6.7%
関西ペイント 4.0%

新卒3年以内の離職率を公表している会社に関しては具体的な数値で掲載。2015年度入社の社員を対象としたデータ。

採用人数が多いところほど数値は正確になるが、離職率もやや高めに出ることが多い。

採用人数が少ないところでは数値は不正確になりやすく、1人でも入社後3年内に退職すると一気に離職率が跳ね上がる。1人も退職者がいなかった場合は0%となる。

>>化学メーカー業界への就職の難易度とは!? 偏差値をランキング化

三菱ケミカル

三菱ケミカルの新卒入社後3年以内の離職率は4.5%。

化学メーカーとしては標準的だが、他の会社に比べるとかなり低い水準に入る。

化学業では売上高ランキングで首位に入る。そんな背景もあって、給料水準は中でも高い。

年間休日の日数は120日以上確保されていて、完全週休二日制が整っている。残業時間も比較的て適正で福利厚生もかなり充実している。

新入社員が不満を抱えるような明らかなポイントは特に見つからない。

住友化学

同じく財閥系の化学メーカーである住友化学の新卒入社後3年以内の離職率は3.1%。こちらもやはり低い水準。

基本的な背景は三菱ケミカルと同じ。

新入社員が退職や転職を考えるような要素は見当たらなく、定着率が高い背景が理解できる。

三井化学

三井化学は新卒入社後3年以内の離職率が19.2%という特段に高い数値が出ている。

3年後時点での離職率が3割といわれている中では低いものの、化学メーカーの中では断トツの数値だ。

ただし、これには裏がある。もともとの採用人数が11名で、3年以内にたまたま2名退職したことにより高い数値が出た。

例年だと3年以内の離職者数は0名。したがって離職率が0%の年が多い。

1名でも退職者が出ると数値に大きな影響が出てしまうことで、19.2%という数字は正確性に欠けると判断する。

信越化学工業

非財閥系の化学メーカーでトップに来るのが信越化学工業、新卒3年以内の離職率は1.9%。

かなり低い水準で、新入社員でもほとんどがすぐには辞めていなかい。

長く働ける職場であると判断でき、「ホワイトな企業」の条件も満たしている。

給料水準、休日の日数、福利厚生、残業時間などの長時間労働にも欠陥は見当たらない。

花王

花王の新卒入社後3年以内の離職率は3.3%。

同じように、長く働ける職場であると判断でき、「ホワイトな企業」の条件も満たしている。

給料水準、休日の日数、福利厚生、残業時間のいずれにも問題はなく、労働条件が良好。

なお、花王は個人客でも日常的に購入する石鹸やおむつなども製造しているため、入社までの難易度もかなり高い。

離職率が低いのと同時に、就職先としての人気度も高い企業である。

旭化成

旭化成は化学製品のみにとどまらず、化学、繊維、住宅、建材、エレクトロニクス、医薬品、医療等の事業を行う総合化学メーカーである。

新卒3年以内の離職率は14.2%。他社と比べると高い数値になっている。

これは化学分野のみならず、様々な事業分野に携わっていることにより、部署によっては離職率が高いところが存在することが影響。

住宅や建材の事業ではやや高くなるようだ。

給料水準、休日の日数こそはどれも同じだが、残業時間や有休の取りやすさ、休日出勤の有無で差がある。

ただし、化学分野は比較的労働条件が良く、離職者も少なめといわれている。

DIC

DICの新卒3年以内の離職率は1.4%。化学メーカーの中でも業界内での売上高は上位ではないものの、定着率は非常に良い。

中堅規模になってくると、年収などの給料水準よりも「働きやすい職場」であるかどうかで離職率が変わってくる。

DICは年間休日の日数、残業時間、福利厚生などの他に社風も影響しているものと考えられる。

新卒採用で入社した社員でも働きやすい雰囲気などもあって、その分離職率がかなり低い水準に落ち着いているとの意見も見られる。

日東電工

日東電工は「Nitto」の表記で知られ、粘着テープなどの包装材料・半導体関連材料・光学フィルムなどを製造する会社。

新卒3年以内の離職率は1.7%。こちらも1%台ということでかなり低い割合に収まっている。

化学メーカーという業界では中位だが、給料水準、休日の日数、残業時間、福利厚生では上位勢にそれほど劣らない。

規模的にはそれほど大きくはないものの、離職者が少ない点には居場所として不満を感じさせない要素があると考えられる。

東ソー

東ソーは総合化学メーカーで新卒3年以内の離職率は3.3%。

DICや日東電工のような専門性の高い化学メーカーよりも若干高い数値にはなっているものの、まだまだ誤差の範囲内と考えてよいレベル。

給料水準、休日の日数、残業時間、福利厚生のいずれも問題はみられない。

業界としては中位クラスだが、それでも上場企業の大手企業に入る。ネームバリューの面でも不満を感じる人はいないはず。

宇部興産

宇部興産もまた総合化学メーカーで新卒3年以内の離職率は2.8%。

上記で多く出てきた他の会社と同じく、給料水準、休日の日数、残業時間、福利厚生のいずれも問題はみられない。

拠点が山口県ということで、山口県や広島県などの出身者も多く就職する。

大陽日酸

大陽日酸の新卒入社後3年以内の離職率は3.2%。まだまだ低い水準に収まる。

産業ガスメーカーで構内トップシェアを誇る。知名度的にはそれほど高くはないものの、働きやすい職場という点では退職する人の少なさから良好なことは予想できる。

会社自体は三菱ケミカルホールディングスグループに入る。

それでも上記で挙げた三菱ケミカルとは別会社であり、新卒採用も別々に行われている。

一方で年間休日の日数、福利厚生、残業時間の徹底度は基本的に三菱ケミカルと同水準。

これもまた離職率が低い理由の1つと考えられる。

三菱瓦斯化学

財閥系に入るのが三菱瓦斯化学。新卒3年以内の離職率は2.0%。

総合化学メーカーというよりも天然ガスの鉱区を持つように資源エネルギー企業という分類に入る。

給料水準は財閥系に相応しいように高い水準で、休日数、残業時間、福利厚生も条件的にかなり良好。

上記で挙げた三菱ケミカルや大陽日酸とはまた別のグループに入るものの、労働条件には大きな差はないだろう。

積水化学工業

「セキスイハイム」で知られるのが積水化学工業。住宅、管工機材、住宅建材や建材用の化成品、高機能プラスチックを取り扱う樹脂メーカーという分類に入る。

新卒3年以内の離職率は7.4%。化学メーカーとしては低い水準ではないものの、ハウスメーカーとして考えるとかなり低い。

給料水準は平均的。年間休日の日数、残業時間、福利厚生でも特に目立ったポイントはないが、その反面劣るところも見当たらない。

離職率の面でも特に気になる要素はまったくない。

日立化成工業

日立化成工業は日立グループ(日立製作所系列)の1社。新卒3年以内の離職率は1.6%

こちらも同じくかなり低い水準に収まる。

事業内容は主に樹脂加工・機能性化学に強みを持つ。

給料水準も平均より高い傾向。年間休日の日数、残業時間、福利厚生も日立製作所などと同じ水準で労働条件は良好。

会社名そのものはあまり知られていなく、事業内容もそれほど有名ではないものも、社名に「日立」という文字が入っている関係から新卒採用では人気がやや高い。

離職率の事情でも「日立」に見合ったレベルなのも確か。

東レ

東レの新卒3年以内の離職率は8.5%。

合成繊維・合成樹脂をはじめとする化学製品や情報関連素材を開発・製造する企業ということで、分野ややや特殊性で専門的な領域に入る。

ただし、離職率は化学メーカーの中では若干高い。年収(給料水準)が低いとの声が少なからず聞こえてくる。

年間休日の日数、残業時間、福利厚生では他社に劣る部分はまったくないものの、給料が上位勢よりも安い傾向がある。

取扱っている製品の品質は高いことで知られるものの、一般的には社名はあまり知られていないこともあり、ネームバリューでも不満を感じる人が少なからずいるようだ。

なぜ化学メーカーの離職率は低い?

~化学メーカー全般の離職率が低い理由~

  • 給料水準が高い
  • 年間休日が多い、土日休みの「完全週休二日制」
  • BtoBのビジネスモデル

まず、化学メーカーは基本的に知識集約型産業で利益率が高ビジネスモデルである。

製造業の中でも特に収益が高くなりやすく、その分社員の年収の金額が多い傾向が見られる。

製造業ということで土日休みもまた事実である。年間休日は120日以上が確保されている会社がほとんど。

「完全週休二日制」が実現されていて、休みが多い業種を満たす。

工場が稼働しない以上、休日出勤を求められる人は少なく、そうなったとしても代休で平日に代わりに休める。

そして、ビジネスモデルはBtoBの法人相手。個人客を直接相手しないことから、苦情があまり来なくて精神的に追いやられる人が少ない。

離職率が高いのはBtoC型に多い。それとは対照的なのも化学メーカーの特徴である。

このように働きやすい環境が整いやすい背景こそが、新卒3年以内の離職率が低く安定している理由である。

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