地方公務員の離職率(新卒3年以内)の目安! 職種ごとの一覧

地方公務員

地方公務員の新卒就職後3年以内の離職率の目安に関して、各職種ごとに一覧化。

都道府県庁や市町村役場の事務を担う一般行政職から、消防、警察、病院や障害者支援センターなどで働く医療福祉まで様々。

都道府県、市町村単位で採用されるが、実際には仕事内容によってすぐに辞めていく人が多いところと少ないところがある。



地方公務員の職種ごとの離職率

職種 離職率(年齢問わず) 就職後3年以内の離職率の目安
一般行政職 0.8% 3-10%
福祉職 1.8% 5-15%
消防職 0.6% 10-15%
企業職(公営企業等) 0.6% 3-30%
教育職 0.7% 5-15%
警察職 3.7% 10-20%

~参考データ~

  • 一般行政職:6,459人(919,097人)
  • 福祉職:6,459人(367,383)
  • 消防職:906人(161,611)
  • 企業職(公営企業等):7,609人(353,626人)
  • 教育職:9,084人(1,012,910人)
  • 警察職:4,182人(289,616人)

参考:http://www.soumu.go.jp/main_content/000529146.pdf
『平成28年度地方公務員の退職状況等調査』

一般行政職

都道府県庁や市町村役場で働くことがほとんどで、「お役所」で事務をするのが一般行政職である。

新卒で就職した後でも最も離職率が低い傾向があるのもこの職種。

ノルマなし、体力を使わない、お客様と接しない、長時間労働が少ないという特徴に当てはまる仕事内容である。

「公務員=楽」というイメージがよく抱かれるが、それはこの一般行政職が該当することがほとんど。

実際に就職して大きな不満を持つことが少ない職種でもある。

そうした背景から、新卒で就職した人たちが最も長く続ける職種であり、3年以内の離職率の目安は3~10%程度と予想する。

民間企業と比べても大幅に低い数値であり、本当に「ホワイト企業」に該当する例と同じ水準である。

福祉職(福祉・衛生)

福祉職は福祉・衛生関連の仕事内容を行う地方公務員の職種である。正式には「地方上級福祉職」という名称がつく。

募集があるのは基本的に都道府県、政令指定都市、特別区が中心である。通常の市町村では採用していないケースがほとんど。

福祉事務所、児童相談所、精神保健福祉センター、知的障害者施設、児童自立支援施設などで働くことが多い。

一般行政職と比べると離職率はやや高めである。全職員数に対する退職者の占める割合である離職率でさえ1.8%という数値。

新卒就職後3年以内の離職率では5~15%程度になると予想する。

仕事上、相手するのが特殊な事情のある人達という性質もあって、嫌になって辞めていくものと考えられる。

お役所で事務をする一般行政職よりも離職率が高いことは何となく予想できるかもしれない。

消防職

消防官を指す職種が「消防職」である。

公務員と聞いてイメージする事務的な仕事とはかなりかけ離れている。

体力を使う、命の危険がある、厳しい毎日の訓練、上司の命令は絶対という特徴がある。徹底した階級社会で自衛隊と同じような形でもある。

「3K」と呼ばれるキツイ・汚い・危険の性質もある。

こうした背景から新卒で就職後3年以内の離職率も高くなる。

通常の離職率でも0.6%と公務員の中ではそれほど高くはないが、25歳未満に限定すると普通退職者の34.3%を占める。

したがって、新卒3年以内の離職率だと10~15%くらいになると予想する。

3年以上は勤めたとしても、体力的な事情などで若い年齢で退職する人も少なくない。

定年まで続けることができる可能性は公務員の中では低いのも確か。一般行政職より定着率が悪いのはやむを得ない。

企業職(公営企業等)

企業職とは主に公営企業で働く職員のことを指す。仕事内容は問わない。

事務的な仕事も多いものの、現場で顧客と接するような営業に近い仕事も結構多い。

新卒3年以内の離職率に関しても、公営企業は民間企業と似たような傾向になりやすい。違いといえば、厳しいノルマがあるかないか、違法行為が多いか少ないかくらいである。

公企業ということで、残業時間が極端に長かったり、休みがまったくなかったり、残業代などの給料の一部の未払いといった問題はあまりない。

その一方で、顧客からの苦情やある程度の残業時間、勤務時間や休日が変則的といった点はあり得る。

一般行政職と比べると離職率が高くなる。新卒採用で就職した人の3年以内の離職率の目安は3-30%くらいと範囲が広い。

事務職は低いが、現場系の仕事だと高くなる。

教育職

教育職とは基本的に学校の先生である。小中高の教員で、言うまでもないが子供たちを教える仕事である。

最近では「学校の先生=キツイ」というイメージが強くなっているものの、離職率に関しては0.7%と低い水準にある。

仕事内容の特性から、元々学校の先生になりたいという強い意思をもって就職する人達が多いことが、辞めていく人が少ない背景にある。

厳しいノルマ、不条理なパワハラといった精神的な問題も民間企業と比べると少ない一方、消防や警察とは違って体力を使ったり、命の危険がある仕事ではない。

教育職は基本的に新卒で就職することがほとんどだが、3年以内の離職率は5-15%くらいが目安になると予想。

世間的な悪いイメージはあくまでも民間企業でサラリーマンの気持ちで働く人の常識を当てはめた場合であり、児童・生徒を育てることが仕事の教員では「やりがい」を重視する人が多いことも影響しているだろう。

警察職

警察官を指す職種が「警察職」である。

こちらもまた、公務員と聞いてイメージする事務的な仕事とはかなりかけ離れている。

体力を使う、命の危険がある、上司の命令は絶対という特徴がある。

特に3つ目はかなり厳しい。自衛隊と同じく階級社会であり、上司の言うことに逆らうのは完全にNG。

民間企業と比べてもこれだけは一歩も引けない。昭和体質もあって、パワハラやいじめも横行しているところが目立つ。

消防と同様に「3K」と呼ばれるキツイ・汚い・危険の性質もある。

こうした背景から新卒で就職後3年以内の離職率も高くなる。

通常の離職率でも3.7%と公務員の中では断然高い。

安定した職業というメリットはあるが、新卒3年以内の離職率だと10~20%%くらいになると予想する。

3年以上は勤めたとしても、その後の部署の異動で勤務し続ける上での問題が生じて若い年齢で退職する人も少なくない。

ふつうの都道府県庁や市町村役場の一般行政職より定着率が悪いのはやむを得ない。

民間企業と比較して

離職率が高い民間企業

地方公務員と民間企業の離職率を比較すると、圧倒的に前者の方が低くて後者の方が高い。

以下は民間企業の業種ごとの全従業員数に対して退職者数が占める割合を表した離職率である。

業種 離職率(%)
建設業 7.7
製造業 11.4
情報通信業 10.2
運輸業、郵便業 12.3
卸売業、小売業 14.0
金融業、保険業 9.4
不動産業、物品賃貸業 11.5
学術研究、専門・技術サービス業 13.4
宿泊業、飲食サービス業 30.0
生活関連サービス業、娯楽業 20.3
教育、学習支援業 15.0
医療、福祉 14.8
複合サービス事業 7.7
サービス業(以上に分類されないもの) 19.1
民間企業全体(一般労働者) 9.2%

参考:https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/000369575.pdf
『新規大学卒業就職者の産業別離職状況』

地方公務員の一般行政職はたったの0.8%だが、民間企業はいずれも7%以上。高いところだと30%を超える。

新卒就職後3年以内の離職率の目安に関しても、地方公務員と民間企業では同様の違いがあるのは予想がつく。

3年後の定着率は地方公務員は9割以上(離職率1割以下)だが、民間企業は7割以下(離職率3割以上)と言われるのがここから理解できるだろう。

なぜ公務員の離職率は低い

公務員の離職率が低い理由は、民間企業との大きな違いにある。

以下がその代表的な理由として挙げられる。

  • 安定している(倒産・会社都合の解雇の心配がない)
  • 有給が取りやすい
  • 完全週休二日制
  • 営業ノルマがない

民間企業は売上高が落ちれば従業員を解雇するしかない。不景気になるといくつもの企業で会社都合による解雇が行われる。

休みの日数も公務員の方が安定して多い。1週間に2日は休みである「完全週休二日制」が定着している。民間だと週に1日しかないことも少なくない。

有給休暇も取りやすい。労働者の権利であることから、公務員なら職場側が正当な理由がない限りは休める。民間企業は有給があってもないに等しいところもかなり多い。

そして、公務員には営業ノルマがない。売上高を伸ばすことに対して厳しい目標がなく、それがもとでパワハラにつながることもない。

給料水準は低いところが少なくないが、制度の面で「ホワイト企業」と同程度なシステムなのが公務員ならではの特徴。

これが低い離職率に反映している。

おすすめ記事