電力業界の離職率(新卒3年以内)の目安! 各社を一覧化

電力会社の新卒入社後3年以内の離職率の目安の一覧を掲載。一部では0%(定着率100%)というところもある。他の業界に比べるとかなり離職率が低い。

ただし、例外的な存在なのが東京電力ホールディングス。福島第一原発事故の影響から一気に退職者が増えた。それまでは安定して離職率が低かったものの、これを気に新卒で就職した人の転職も目立つように変化した。

基本的には、電力業界の離職率が0~5%と考えてよい。経営が安定していること、給料水準が高いことが背景にある。



電力業界の各社の離職率

企業名 新卒3年以内の離職率 備考
東京電力 10-15% 福島第一原発事故が影響
関西電力 5.0% 過労自殺、残業代未払い問題が影響
中部電力 1.6%
東北電力 1.4%
九州電力 4.3%
中国電力 0%
J-POWER 1.6%
北海道電力 5.8%
四国電力 3.1%
北陸電力 4.8%
沖縄電力 0%
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東京電力HD

東京電力ホールディングスだけは電力会社の中でも離職率の目安が10~15%ほどになる。

2011年3月の東日本大震災に伴う津波で生じた福島第一原発事故によって東京電力は膨大な損失を被った。

大量の放射線が出たことで周辺住民が避難せざるを得なくなったが、その賠償責任は東京電力にあるということで、今でも賠償金の支払いが続いている。

国も財政的に支援している状態ではあるが、それでも経営に大きな支障が出ているほど事態は深刻である。

当然ながら、社員の給料水準も電力業界では低い。福利厚生の制度も以前ほどは充実していない。

保たれているのは年間休日の日数と完全週休二日制のシステム、有給消化率、残業時間の長さにとどまっている。

これだけでも「ホワイト企業」と感じる人もかなり多い。それでも、給料水準が低さは新卒で入社したばかりの人にとっては不安材料となっているようだ。

これが原因で退職する人が続出し、電力業界の中では1割程度かそれ以上になっている。

関西電力

関西電力の新卒入社後3年以内の離職率は5%。電力会社としてはふつうなレベル。

仕事内容や給料水準、年間休日の日数、残業時間、福利厚生の制度は他の電力会社とほぼ同じだが、さまざまな労働問題が起きているのも確か。

賃金未払い問題(残業代の未払い、合計約17億円に相当)、社員の過労自殺の問題が起こったのも関西電力である。

サービス残業が起こっていたこと、長時間労働を強いられたことで社員が自殺してしまったトラブルがあるということは、それだけ潜在的に辞めていく人がいることも意味している。

離職率が5%程度というのは電力会社の中では高い。

それでも他の業種と比べると離職率は低い。給料の未払いや過労死の不祥事が起きているところでは、新卒3年後の離職率はもっと高い。

30%くらいにも達する業界もある中で、関西電力の5%という離職率はまだまだ低いのは否定できない事実である。

中部電力

中部電力の新卒入社後3年以内の離職率は1.6%。業界の中でも低い水準となっている。

会社で勤務することに対して不満を抱いている人が少ないことを表している。

近年は電力の自由化によってこれまでは護送船団方式だった電力会社でも競争が生じているが、中部電力は安定した経営状況を保っていて、給料水準、休日の日数、福利厚生の制度、残業時間の面で社員からの評価が高い。

東京電力や関西電力とは違って社会を震撼させるような事件や不祥事を起こしていない。

労働問題にも全く支障がないことが、新卒入社の高い定着率を誇っているものと考えられる。

東北電力

東北電力の新卒入社後3年以内の離職率は1.4%。中部電力と同じように業界の中でも低い水準となっている。

会社で勤務することに対して不満を抱いている人が少ないことを表している。

東京電力もまた安定した経営状況を保っていて、給料水準、休日の日数、福利厚生の制度、残業時間の面で社員からの評価が高い。

東日本大震災では発電所などの設備が被災したものの、東京電力のような大惨事にはならなかった。

福島県下は東北電力の管轄エリアではあるが、福島第一原発は東京電力の所有物で東北電力は一切関係ない。経営にも特に影響を及ぼしていなく、それが低い離職率の根拠になっているのは否定できない。

労働問題にも全く支障がないことが、新卒入社の高い定着率を誇っているものと考えられる。

九州電力

九州電力の新卒入社後3年以内の離職率は4.3%。電力会社としてはふつうなレベル。

中部電力、東北電力などと比べると高い割合にはなっているものの、東京電力や関西電力のように明らかな問題が起こったわけではなく、明確な理由は存在しない。

給料水準、休日の日数、福利厚生の制度、残業時間の面では他の電力会社と同じ水準である。

経営状況に関しては九州地方が管轄エリアということで大都市があまりない。本州の電力会社と比べるとやや経営状況は落ちる。

それでも不景気に強くて安定した収入源および顧客を持つ。働く場として厳しいところでは決してない。

離職率を考慮しても「ホワイト企業」の条件を満たすことには変わりない。

中国電力

中国電力の離職率は0%。誰1人新卒で入社して3年以内に辞めていないことを示している。

電力会社の中でも特に離職率が低い会社であるのは言うまでもない。

給料水準、休日の日数、福利厚生の制度、残業時間では欠点がないが、中国電力の社風も影響していると考えられる。

社員が退職を検討させるような要素がハード面でもソフト面でもない。

完全な「ホワイト企業」であり、誰もが憧れる職場こそが中国電力といえるだろう。

J-POWER(電源開発)

J-POWER(電源開発株式会社)は基本的に発電所に特化した企業である。〇〇電力という社名が付くところは、発電事業も行っているものの、送電事業の方のウエイトが大きい。

新卒入社後3年以内の離職率は1.6%。かなり低い水準である。

電力の自由化で発電事業は競争の時代に突入しているが、電源開発が行う発電事業は「ベースロード電源」で天候などに左右されないで電力の安定的な供給が可能な分野がメイン。

社員に過酷な業務が求められるような状況ではなく、高い給料水準、年間休日の日数の多さ、残業時間の少なさが確保されている。

こうした背景から「ホワイト企業」になる条件を満たす。新入社員が辞めたいという気持ちにならない環境が整っている。

北海道電力

北海道電力の新卒入社後3年以内の離職率は5.8%。電力会社では高いレベルなのがわかる。

東京電力や関西電力のようにマイナスのイメージが著しく強い明らかな問題が起こったわけではない。

他の業種と比べると低い離職率であることには疑いの余地がない。

ただし、地理的な問題から経営には多少なり悪い影響を及ぼしている。

給料水準は電力会社よりはやや低め。商圏である北海道の人口減少や人口密度が低いことで採算性が低下している事情がある。

今後も北海道内は人口減少が予想されていて、経営状況が良くなる可能性は低い。

将来性が良くないという点は新入社員の離職率を高める原因ともなっている。

同じ北海道のインフラ企業であるJR北海道の事例と似た状況下でもある。

四国電力

四国電力の新卒入社後3年以内の離職率は3.1%。電力会社ではふつうレベル。

電力会社間では目立たないが、他の業種と比べると低い離職率である。「ホワイトな企業」の条件を満たす。

ただし、北海道電力と同じように地理的な問題から経営には多少なり悪い影響を及ぼしている。

給料水準は電力会社よりはやや低め。商圏である四国全域の人口減少や人口密度が低いことで採算性が低下している事情がある。

将来性が良くないという点は新入社員の離職率を高める原因とも考えられ、本州の電力会社と比較すれば、四国電力の離職率が多少上がる遠因とはなるだろう。

北陸電力

北陸電力の新卒入社後3年以内の離職率は4.8%。電力会社ではふつうより若干高いレベル。

他の業種と比べると低い離職率で「ホワイトな企業」の条件を満たす。

北陸地方は全体的に災害が少ないこともあって、経営に響くような出来事は特にはない。

とはいえ、電力の供給先となる家庭や企業が少ないため、給料水準は太平洋側の電力会社よりはやや低め。

報酬の面に不満を持って退職する人が出てしまうのは、若干名とはいえ避けられない。

沖縄電力

沖縄電力もまた、新卒3年以内の離職率は0%。誰1人新卒で入社して3年以内に辞めていないことを示している。

電力会社の中でも特に離職率が低い会社である。

給料水準、休日の日数、福利厚生の制度、残業時間では欠点がないが、そもそも沖縄県内に大手の有力企業が存在していないことも理由に挙げられる。

何らかの不満があって転職を考えたとしても、沖縄電力を上回るような企業がない。働き続けるという選択肢以外にないことも影響している。

完全な「ホワイト企業」であるが、人材が奪われる元がないことで離職率0%を維持している理由と判断できる。

なぜ電力会社の離職率は低いのか?

電力会社の離職率が低い背景

そもそも、なぜ電力会社の離職率は低いのか。

市場をほぼ独占に近い状態に保たれているから、役所に近いからと考えている人も結構いる。

確かにそんな一面もあるのは否定できないが、それだけではない。

以下のような点も大きく関係している。

~電力会社の特徴~

有給消化率が高い:普段休みを取りやすいことを示す数値。低いと激務で働きにくいことを意味する。

転勤が少ない:転居を伴う転勤が多いと退職する人が続出しやすい。電力会社は地域限定が多い。

労働時間が適正:大幅に長い残業時間がないことも離職率の高さの理由。

BtoB:個人相手のサービスは子会社が実施。親会社の電力会社は実質的に法人相手。

福利厚生の制度:長期休暇の制度、資格取得の補助などの福利厚生は社員の心をつかむ制度。

電力会社は各企業ともに上記の特徴を満たしている。

いずれも電力業界が他の業界と比べて優位な立ち位置にいる項目でもある。

関西電力では過労自殺が出たということで残業時間の超過があったのは事実だが、最近では働き方改革を積極的に行っているのも確か。

以前よりも長く勤めやすい環境が整いつつあり、今後は離職率が低下すると予想される。

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