法政大学の入試方式別の割合に関しては、全体では一般入試が56.7%、推薦入試が43.2%という結果が出ている。その内、指定校推薦の割合は18.8%との事。
全体の過半数こそは一般入試で受験して入っているものの、4割は推薦入試、AO入試、スポーツ特別枠などで入学。難関私大の中でもやや推薦入試の割合が多い領域。
ただし、学部学科によって異なるのも確か。8割以上が一般入試での入学者で構成されている学科がある一方、4割程度にとどまるところも見られる。
学部別:入試方式別の入学者の割合

学部 | 学科 | 一般入試 | 付属校推薦 | 指定校推薦 | 推薦全般 |
---|---|---|---|---|---|
法学部 | 法律学科 | 46.2% | 18.2% | 31.6% | 53.8% |
政治学科 | 39.1% | 18.3% | 32.5% | 60.9% | |
国際政治学科 | 40.3% | 18.1% | 34.2% | 59.7% | |
学部合計 | 43.6% | 18.2% | 32.3% | 56.4% | |
文学部 | 哲学科 | 56.1% | 17.1% | 19.5% | 43.9% |
日本文学科 | 51.5% | 16.3% | 16.3% | 48.5% | |
英文学科 | 61.8% | 17.1% | 13.0% | 39.0% | |
史学科 | 53.6% | 18.6% | 21.6% | 46.4% | |
地理学科 | 53.7% | 18.9% | 11.6% | 46.3% | |
心理学科 | 53.2% | 19.4% | 11.3% | 48.4% | |
学部合計 | 54.8% | 17.5% | 15.7% | 45.5% | |
経済学部 | 経済学科 | 52.2% | 16.8% | 20.0% | 47.8% |
国際経済学科 | 60.0% | 14.2% | 21.3% | 40.0% | |
現在ビジネス学科 | 36.7% | 18.4% | 34.7% | 63.3% | |
学部合計 | 51.7% | 16.3% | 22.9% | 48.3% | |
社会学部 | 社会政策科学科 | 63.6% | 13.4% | 16.7% | 36.4% |
社会学科 | 54.6% | 15.8% | 19.6% | 45.4% | |
メディア社会学科 | 61.9% | 17.6% | 12.4% | 38.1% | |
学部合計 | 59.2% | 15.6% | 16.7% | 40.8% | |
経営学部 | 経営学科 | 55.8% | 20.1% | 13.7% | 44.2% |
経営戦略学科 | 67.4% | 18.6% | 10.2% | 32.1% | |
市場経営学科 | 61.9% | 19.3% | 14.2% | 38.1% | |
学部合計 | 61.2% | 19.4% | 12.8% | 38.7% | |
国際文化学部 | 国際文化学科 | 52.0% | 17.2% | 12.0% | 49.6% |
人間環境学部 | 人間環境学科 | 55.7% | 18.0% | 17.1% | 45.9% |
現代福祉学部 | 福祉コミュニティ学科 | 45.8% | 15.3% | 27.1% | 53.5% |
臨床心理学科 | 51.8% | 19.3% | 20.5% | 48.2% | |
学部合計 | 48.0% | 16.7% | 24.7% | 51.5% | |
キャリアデザイン学部 | キャリアデザイン学科 | 50.0% | 18.2% | 16.4% | 49.3% |
グローバル教養学部 | グローバル教養学科 | 37.6% | 8.2% | 21.2% | 62.4% |
スポーツ健康学部 | スポーツ健康学科 | 69.9% | 16.8% | 3.5% | 30.1% |
情報科学部 | コンピュータ科学科 | 70.7% | 9.8% | 12.2% | 29.3% |
ディジタルメディア学科 | 82.1% | 11.9% | 1.5% | 17.9% | |
学部合計 | 75.8% | 10.7% | 7.4% | 24.2% | |
デザイン工学部 | 建築科学科 | 77.2% | 11.0% | 4.7% | 22.8% |
都市環境デザイン工学科 | 69.5% | 12.2% | 14.6% | 30.5% | |
システムデザイン学科 | 65.8% | 12.7% | 12.7% | 34.2% | |
学部合計 | 71.9% | 11.8% | 9.7% | 28.1% | |
理工学部 | 機械工学科(機械工) | 70.9% | 7.7% | 12.0% | 20.5% |
機械工学科(航空操縦) | 63.2% | 0.0% | 0.0% | 36.8% | |
電気電子工学科 | 82.7% | 6.1% | 10.2% | 17.3% | |
応用情報工学科 | 70.3% | 5.1% | 21.2% | 29.7% | |
経営システム工学科 | 48.2% | 6.0% | 43.4% | 51.8% | |
創生科学科 | 56.6% | 8.5% | 34.0% | 43.4% | |
学部合計 | 66.4% | 6.5% | 22.4% | 31.8% | |
生命科学部 | 生命機能学科 | 68.2% | 10.6% | 18.2% | 31.8% |
環境応用化学科 | 77.2% | 3.8% | 17.7% | 22.8% | |
応用植物科学科 | 71.6% | 6.8% | 20.3% | 28.4% | |
学部合計 | 72.6% | 6.8% | 18.7% | 27.4% | |
大学全体 | 56.7% | 15.6% | 18.8% | 43.2% |
法政大学全体では、56.7%が一般入試で入学。推薦入試全体は43.2%、そのうち「指定校推薦」での入学者は18.8%との事。
付属校推薦も全体の18.8%を占める。指定校推薦と性質的には似ている。
MARCHの中では一般入試の割合が青山学院大学に次いで低い数値.。明治大学よりは大幅に低く、立教大学と中央大学よりも低い。
指定校推薦は18.8%

法政大学をはじめとする私立大学の特徴として、指定校推薦が多いと感じている人は結構いるはず。
首都圏の難関私大の大学群「MARCH」である法政大学でも、全体の18.8%はこれに該当。したがって、全体の2割程度を占めることになる。
5人に1人くらいは「指定校推薦」で入学していることが読み取れる。
ただし、MARCHの中では比較的低めの水準ではある。青山学院大学の25.5%、中央大学の21.5%、立教大学の20.7%よりは低い。
明治大学の10.0%よりは高いものの、それでも「難関私大」という括りでは低い水準といえるだろう。
MARCHの中で比較した場合、指定校推薦の割合は立教大学とほぼ同じ。青山学院大学の25%よりは低い数値。明治大学の10%よりは大幅に高い。
各学部の傾向

続いて、法政大学の各学部の入試方式別の入学者の割合の傾向について考察。
結論を言うと、文系の方が理系よりも推薦入試(学力考査以外)での入学者が占める割合が大きいの傾向が見られる。
文系という括りでもさらに、各学部学科によって異なり、同一学部でも学科による違いが大きい。
また、新興学部でも従来から存在する学部でも、明確な傾向は見られない。新興学部の方が推薦入試の割合が大きいというわけではない。
文系

文系学部はどこの学部であるかによって大きく異なる。
文学部、経済学部、社会学部、経営学部、国際文化学部、人間環境学部では一般入試で入学した学生の割合が50%を超える。
社会学部と経営学部は6割程度までになる。私立大学としては、一般入試の比率が高いと定義できるレベル。
一方、推薦入試やAO入試、スポーツ枠などが多いのは、法学部、現代福祉学部、キャリアデザイン学部、グローバル教養学部。一般受験の割合は50%以下。
半数程度はそれ以上は個別試験または共通テスト利用のような学力考査ではなく、それ以外の入試制度で入っていることを意味する。
現代福祉学部、キャリアデザイン学部、グローバル教養学部はいわゆる「新興学部」。旧来から存在する学部ほど一般入試の割合が高く、新しい学部は推薦入試の割合が大きい傾向が見られる。
理系

理系の学部に関しては、同じ法政大学でも文系学部に比べて大幅に一般入試の比率が高い。
理系の学部の一般入試(個別試験または共通テスト利用)の割合は下記の通り。
- 情報科学部:75.8%
- デザイン工学部:71.9%
- 理工学部:66.4%
- 生命科学部:72.6%
一番低い理工学部でも、3分の2は一般入試で入学。指定校推薦、付属校推薦などは31.8%にとどまる。
最も高い情報科学部に至っては、75.8%が一般入試。4分の3は学力試験で入っているのがわかる。
いずれかにせよ、文系の学部に比べると大幅に一般入試の比率が高くて、推薦入試が低い。
MARCHでは一般・推薦ともに最下位

MARCHの階級のイメージ図
法政大学ではMARCHの5つの大学の中では、偏差値が低め。
明治・青学・立教よりは偏差値が低く、さらに中央大学と比較しても若干低い数値になりやすい。受験生の志望状況でも、同じMARCHという括りでも法政大学はあくまでも第二志望、第三志望となるようだ。
明治・青学・立教・中央と併願して、法政大学を含めて複数合格した場合、法政大学は辞退する人がほとんど。あくまでも「MARCHの滑り止め」と捉える学生が多いと感じる。
なお、法政大学はキャンパスの立地はあまり関係ない。東京23区内の都心部に立地している学部でも、偏差値ではMARCHでは最下位。
早稲田大学または慶応義塾大学を受けたが不合格となり、やむを得ず法政大学に入学するという形はもちろんこと、明治大学や青山学院大学、立教大学に不合格となってしまったため、やむを得ず法政大学に入学というケースも多い模様。
《参考:MARCHの序列を順位にすると!? ランキングにしてみた!》
国公立大学の滑り止めとして法政大学を受験する人も多い。まずは学費が安い国公立を狙い、法政大学はその「滑り止め」といった存在になりやすい。
具体的には、筑波大、千葉大、横国大、横市大、埼玉大、東京都立大、東京外大など。
さらに、地方国公立大学の滑り止めとして受験する事例もかなり多い。関東地方であれば、茨城大、宇都宮大、群馬大などが該当。
推薦入試に関しても、MARCHの中では最下位になると判断。
指定校推薦でも、所属している高校にて明治・青学・立教・中央の枠がある場合、まずは法政大学ではなく、これらの4校のうちのいずれかを狙う傾向を感じる。
明治・青学・立教・中央の枠を逃してしまった場合、その次のターゲットとなるのが法政大学だろう。
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東京都江東区在住。1993年生まれ。2016年国立大学卒業。主に鉄道、就職、教育関連の記事を当ブログにて投稿。新卒採用時はJR、大手私鉄などへの就職を希望するも全て不採用。併願した電力、ガス等の他のインフラ、総合商社、製造業大手も全落ち。大手物流業界へ入社。
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