
JR九州の新卒採用における採用大学に関しては、総合職では九州大、京都大、大阪大、神戸大などの旧帝大、私立大学では早稲田大、慶応義塾大などが多め。専門職は福岡大、西南学院大をはじめ、主に九州地方の各大学から採用があるが、偏差値の偏りはない。
学歴フィルターは総合職にある傾向。運転士・車掌・駅員の専門職は偏差値に関係なく採用実績がある。
学歴フィルターとは、一定の偏差値を下回る学校の学生だと、エントリーシートや履歴書に自分の所属する学校名を書いた時点で不採用またはそうなる確率がかなり高くなるような制度のことを指す。
多くは書類選考の段階で用いられる手法だが、大学名だけで面接にすら進めないというケースも中にはあり、JR九州も職種によっては例外ではない。
大学別就職者数

まずは大学別就職者数。
大学名 | 採用人数 |
---|---|
九州大学 | 11名 |
京都大学 | 1名 |
大阪大学 | 1名 |
神戸大学 | 1名 |
筑波大学 | 1名 |
岡山大学 | 1名 |
慶応義塾大学 | 1名 |
法政大学 | 1名 |
立命館大学 | 1名 |
近畿大学 | 1名 |
福岡大学 | 10名 |
日本大学 | 2名 |
京都産業大学 | 1名 |
帝京大学 | 3名 |
東海大学 | 1名 |
国公立大学、私立大学ともに2015年の3実績を示す。(マイナビ2016より)
参考:就職の「学歴フィルター」、大学名でのボーダーラインの基準とは!?
国公立大学・私立大学ともに職種別では分けていないが、人数では福岡県内の2つの大学(九大・福大)にて10名以上の採用がある。
ここだけを見ると偏差値の違いによる採用実績校の特色が特にないように見える。しかし、総合職と専門職では採用の対象が異なる。
学歴フィルターでまったく事情が異なる。
九大と福大では、前者は総合職、後者は専門職の可能性が高い。九大出身者で専門職、あるいは福大で総合職という事例はほぼ皆無と考えてよい。
>>鉄道会社の就職難易度の一覧! 偏差値の順位をランキング化
職種ごとの採用大学の傾向

次に各職種ごとの採用大学の傾向について。
特に書類選考の段階で広く使われている手法が学歴フィルター。
大手インフラ企業では大学名だけで面接まで進ませるか、その場で不採用にするか決める方法となっているケースが多いのが現状。
>>JR九州の新卒採用の難易度は!? 総合職・専門職の倍率は?
総合職

総合職の出身者の多い大学
- 東京大学、一橋大学、東京工業大学、東京外国語大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、神戸大学、九州大学、北海道大学
- 早稲田大学、慶応義塾大学
前述の通り、JR九州の新卒採用の職種の中でも総合職は特に難関大学出身の人が内定者の多数派。
出身大学には明確な傾向が出ている。東大・名大・京大・阪大ような国立大学旧帝大クラスや早稲田大、慶應大といった最難関私立大学が主流派。
一方、MARCH(明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学)、関関同立(関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学)以下の内定者は少ない。
いずれも立地が九州地方でないこともあるが、学生の総数が多い大学の割には採用人数が少ない。
福岡県内にある福岡大学、西南学院大学はさらに事情が厳しい。総合職の内定者は1名いるかいないかといっても過言ではない。
こうした傾向から学歴フィルターの疑いが否定できないと読み取れる。
学歴フィルターで明確に引っ掛かることはないはずの、佐賀大学、大分大学、長崎大学、熊本大学、鹿児島大学、宮崎大学、北九州市立大学などの国公立大学は在籍する学生数そのものは少ないが、JR九州での採用人数が少ないのも否定できない。
応募者数が数千件にものぼり、より効率的に選考を行うために学歴で選別しているとも考えられる。
参照:鉄道会社への就職で有利/不利になる大学! 学歴フィルターを考察
専門職

専門職の出身者の多い大学
福岡大学、西南学院大学、九州産業大学などの中堅私立大学
上記は専門職の採用人数が多い大学。在籍する学生数が多い福岡大学、西南学院大学、九州産業大学からの採用人数が多めになりやすい。
出身大学では総合職のような偏りはない。よって、「学歴フィルター」も薄いと判断。
運輸系は駅員・車掌・運転士、技術系は保線、車両、施設の保守点検を行う。
結論:総合職にて学歴フィルター化

JR九州の場合、内定者を見ると有名な大学を出ている人が多いように感じる。偏差値が高くて入試の難易度が高い学校が出身校の中ではメジャーな存在となっている。
旧帝大・早慶上智クラスまで限られたレベルの大学がボリュームゾーンとなっている。
MARCH・関関同立クラスでも内定者は年によっては出ているが、学生数が多い学校であることを考えると少ないと判断できる。
こうした傾向を考慮するとJR九州の総合職新卒採用の際には学歴フィルターが大いにあるものと私は感じる。
リクルーター面談で囲い込みも

さらに、JR九州にはリクルーター面談も一部の学生をターゲットとして存在する。リクルーターが付くのは有名な学校の学生に限られているようだ。
リクルーターが付くと選考は裏ルートで進むことができる。うまくいけば、正式な面接の回数は1~2回程度で内定がもらえる。正規ルートよりも入社の難易度は下がるのは間違いない。
学校名だけでリクルーター面談の有無が決まるため、少なくとも裏ルートとなると学歴フィルターが存在するといえるだろう。
リクルーター面談があるのは、九州大学に加え、東京大学・京都大学・大阪大学・神戸大学、そして慶応義塾大学・早稲田大学に限られると見込まれる。
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上記では業界別に各企業の採用大学または出身者が多い大学について解説。学歴フィルターの傾向は濃いところと薄いところがある。