慶応義塾大学の入試方式別の割合に関しては、全体では一般入試が80.3%、推薦入試が19.7%という結果が出ている。その内、指定校推薦の割合は10.0%との事。
全体の4分の3は一般入試で受験して入り、残りは4人に1人が推薦入試、AO入試、スポーツ特別枠などで入学。
指定校推薦はわずか1割にとどまる。明治大学と同じ水準で、私立大学の中では特に少ない。早稲田大学と比較しても、一般入試が大きく占め、推薦入試が小さい。最難関大学として相応しいとの声も聞かれる。
学部別:入試方式別の入学者の割合

学部 | 一般入試 | 指定校推薦 | 推薦全体 |
---|---|---|---|
文学部 | 84.9% | 0.0% | 15.1% |
経済学部 | 100.0% | 0.0% | 0.0% |
法学部 | 68.1% | 14.8% | 31.9% |
商学部 | 75.4% | 24.6% | 24.6% |
医学部 | 100.0% | 0.0% | 0.0% |
理工学部 | 81.9% | 18.0% | 18.1% |
総合政策学部 | 69.0% | 0.0% | 31.0% |
環境情報学部 | 63.4% | 0.0% | 36.6% |
看護医療学部 | 91.4% | 0.0% | 8.6% |
薬学部 | 84.5% | 15.5% | 15.5% |
合計 | 80.3% | 10.0% | 19.7% |
慶応義塾大学の2019年入学者の入試方式別の割合は上記の通り。
一般入試には現役と浪人いずれも含まれる。推薦は全員が現役合格者。
慶応義塾大学全体では、80.3%が一般入試で入学。推薦入試全体は19.7%、そのうち「指定校推薦」での入学者は10.0%との事。
指定校推薦は2割未満
慶応義塾大学の特徴として、私立大学全体と比較すると指定校推薦が特に少ない点が挙げられる。
最大は商学部の24.6%。文学部、経済学部、医学部、総合政策学部、環境情報学部、看護医療学部は指定校推薦を受けいれていないため、0%となっている。
他の大学と比較した場合、例えば「MARCH」の各大学の指定校推薦の割合は次の通り。
- 明治大学:10.0%
- 青山学院大学:25.5%
- 立教大学:20.7%
- 中央大学:21.5%
- 法政大学:18.8%
明治大学とは同じ10.0%。それ以外の大学は軒並み2割前後のため、慶応義塾大学はこれらよりも大幅に低いことがわかる。
各学部の傾向
続いて、慶応義塾大学の各学部の入試方式別の入学者の割合の傾向について考察。
結論を言うと、文系・理系の違いは特に見られない。反対に、SFC(湘南藤沢キャンパス)の学部にて推薦入試での入学者が多い。
具体的には、総合政策学部と環境情報学部が他の学部よりも総じて一般入試の割合が低く、相対的に推薦入試の割合が高い。
また、法学部も日吉キャンパス、三田キャンパスの中では、推薦入試の割合が高い数値となっている。
文系

文系学部はどこの学部であるかによって大きく異なる。各学部の一般入試の割合は下記の通り。
- 文学部:84.9%
- 経済学部:100.0%
- 法学部:68.1%
- 商学部:75.4%
経済学部は一般入試で入学した学生の割合が100%。指定校推薦も含めて、推薦入試での入学者の受け入れが行っていない。
文学部、商学部は一般入試が全体の7割を超える。これらの学部でも推薦入試よりも一般入試を重視している。
法学部は68%にとどまる。一般入試が3人に2人という構成。それでも、私立大学としては一般入試の割合が大きい方。
一方、推薦入試が多いのは前述のように、SFCの学部。総合政策学部が69.0%、環境情報学部が63.4%。
全体的な傾向としては、一般入試(個別試験または共通テスト利用)が全入学者の5分の4ほどを占める。指定校推薦の割合はどこの学部も商学部以外では0~1割程度にとどまる。
理系

理系の学部は文系学部に比べると一般入試の割合がどこも高め。
医学部はすべて一般入試のみ。理工学部、看護医療学部、薬学部も一般入試の割合が80%を超える。指定校推薦は薬学部で実施しているが、15.5%にとどまる。
理系に相当する学部の一般入試の割合は下記の通り。
- 医学部:100.0%
- 理工学部:81.9%
- 看護医療学部:91.4%
- 薬学部:84.5%
慶応義塾大学を第一志望として入学する学生は、医学部、看護医療学部、薬学部ではほぼ全員という印象。
一方、理工学部については、個別試験または共通テスト利用で入試に臨む人たちは、国公立大学の滑り止めとして受ける人が多い印象。
特に東大、京大、東工大、阪大、名大、東北大などを本命とする人が受験。中には、横浜国立大、千葉大、筑波大、東京都立大、東京農工大と併願し、慶応義塾大学とともに合格しても、それらの国立大学に進学する人もいる。
したがって、合格者の「辞退者」も多め。学費が高い理系は特に、「まずは旧帝大(東工大含む)!」となる事例は決して珍しくないだろう。
ただし、ライバルという位置付けの早稲田大学と併願する学生でも、2つとも合格した場合は慶応義塾大学を選ぶ人が多いと感じる。
「早稲田の滑り止め」として慶応義塾大学を受ける人はほとんどいないだろう。
私立の理系の中では、第一志望が多いのは確か。合格すれば即入学となる事例が多い。
東京都江東区在住。1993年生まれ。2016年国立大学卒業。主に鉄道、就職、教育関連の記事を当ブログにて投稿。新卒採用時はJR、大手私鉄などへの就職を希望するも全て不採用。併願した電力、ガス等の他のインフラ、総合商社、製造業大手も全落ち。大手物流業界へ入社。
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