
京セラの大卒及び院卒の新卒採用の倍率は全体では10~20倍程度と推定。職種別では事務系が約20倍、技術系が約10倍くらいと推定。
就職難易度に関しては、事務系が「ふつう」、技術系が「やや易」に該当。
採用人数はここ数年は400人前後で推移している。内訳は、事務系が100名、技術系が300名ほど。
職種ごとの就職難易度
職種 | 難易度(満5点) | 推定倍率/レベルの目安 |
---|---|---|
事務系(文系) | ★★★ | 20倍、ふつう |
技術系(理工系) | ★★ | 10倍、やや易 |
京セラの事務系・技術系新卒採用の就職難易度はこのような形になる。
募集人数の面で、技術系は事務系の3倍くらいに達する一方、専門性(大学で学んでいる専攻分野)の有無で条件が異なることが影響。
当然ながら就職難易度は、技術系より事務系の方が競争が激しい。倍率もそれに伴ってやや高い数値となっている。
ただし、他社に比べると大手企業の割には文系・理系ともにやや倍率が低め。
《参照:電機メーカー業界の就職難易度の一覧! 偏差値の順位をランキング化》
技術系の倍率は10倍、難易度は「やや易」

技術系の就職難易度は全社採用で「やや易」レベル。倍率は約10倍と推定。院卒、大卒いずれもほぼ同水準。
全体で毎年300人ほどの募集をかけているが、入社する社員の3分の2ほどは技術職に該当。
その年の内定者の数や世の中の景気によって変わってくるものの、平均するとこれくらいになると考える。
携わる業務は以下の分野。
- 研究/開発設計
- 生産技術・製造技術/品質評価技術(信頼性評価・解析技術)
- 特許・知的財産
- 情報システム・ネットワークエンジニア
- 環境管理・施設管理・安全防災
応募できるのは基本的には理系の学生がメイン。その中でも工学系の学部学科に所属している学生が多く採用される。募集要項でも「電気・電子系、情報・通信系、機械系、制御系、物理系、化学系、材料系、その他」と指定がある。
理工学系統の理系の学生の中での内定の争いとなり、加えて採用人数もかなり多いことから、倍率は大手企業でも低い水準。
こうした点から、就職難易度は「やや易」という表現が妥当ではないか。
事務系は倍率が30倍、難易度が「やや難」

事務系の就職難易度は「ふつう」。倍率は約20倍と推定。
採用人数は技術系職種と比較して3分の1にとどまり、毎年100人ほど。
一方で、京セラの事務職に応募できる条件上で学部学科の限定はない。部署を問わず「全学部全学科」と募集要項に記載されている。
このような条件により、事務系では不特定多数の学生が京セラの新卒採用にエントリーしてくる。理系限定のような制限がないことで、応募者が殺到して倍率が増加。
日本国内の大学生の文系・理系の比率を見ても、7割近くは文系に属する。理系は3割ほどにとどまる。
母数(就活中の学生)そのものが多いこともあって、技術系よりは確実に難しい。
ただ、京セラは総合電機メーカーをはじめ、大手製造業では就職先としての人気度は低い。会社の知名度がやや低いこと、社員の評判があまり良い内容ではないことが影響。
こうした事情から、京セラの事務系の倍率は20倍と推定。就職難易度は「ふつう」との表現が妥当と判断。
他社と比較して
京セラの就職難易度を他社と比較すると、以下のようにまとめられる。
- 総合電機メーカーでは難易度低
- 知名度が大手の割には低い
- 社員の評判は低め
京セラは総合電機メーカーの中でも社名はかなり有名ではない。知らない人も少なくない。
就職先として検討するにあたってはマイナスの要素がある。
en Lighthouse、OpenWorkで好ましくない内容が結構見られる。これにより、京セラを敬遠する人も出てくるはず。
総合電機メーカーで低め

京セラよりも就職先ランキングで上位に来るところと言えば、以下の企業が代表的。
- 日立製作所
- ソニー
- 三菱電機
- パナソニック
そもそも、いずれも京セラとは違って社名の知名度が高く、しかも社員の待遇が良好な傾向。
当然ながら、新卒採用の世界でも多くの大学生はこれらの企業の方を好むだろう。京セラに入社する学生となると、これらで不採用になってしまった「滑り止め組」かもしれない。
社員の声が記載されたen Lighthouse、OpenWorkでも、悪いコメントが存在するとはいえ、その数は比較的少ない。
総合電機メーカーに就職したい学生であれば、京セラの前の上記のような会社から内定が取れればそちらに行くだろう。
一方、東芝、シャープ、日本電気(NEC)は総合電機メーカーでも就職先としてはやや不人気。
これらは過去または現在進行形で経営状況が好ましくないことが理由。「早期退職者募集」のようなリストラが進められたことで、学生たちが敬遠。
京セラとはまた別の理由で不人気。
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業種 | 会社名 |
---|---|
自動車メーカー | トヨタ自動車、ホンダ、日産自動車、マツダ、スバル、スズキ、いすゞ自動車、三菱自動車 |
自動車関連サプライヤー | トヨタ車体、豊田自動織機、トヨタ紡織、豊田中央研究所、デンソー、アイシン精機、ヤマハ発動機、住友電装、ボッシュ |
電機 | 日立製作所、三菱電機、パナソニック、ソニー、キャノン、キーエンス、富士通、オリンパス、NEC、シャープ、京セラ、日本電産、村田製作所、東京エレクトロン、セイコーエプソン、富士電機、オムロン |
重機・工作機械 | 三菱重工業、ダイキン工業、小松製作所、クボタ、IHI、新日鉄住金、ファナック、安川電機、DMG森精機、SMC、川崎重工業 |
鉄鋼・非鉄金属 | 日本製鉄、JFEスチール、神戸製鋼所、日立金属、大同特殊鋼、三菱製鋼、住友電気工業、三菱マテリアル、古河電気工業、住友金属鉱山、JX金属、日本軽金属、フジクラ、UACJ、DOWA、古河機械金属、リョービ |
(業界全体) | 『自動車業界の就職ランキング! 各社の新卒の偏差値の一覧』 |
上記では自動車・電機・工作機械などの製造業およびそれに関連する企業の就職難易度(新卒採用)と倍率の目安について解説。 《新卒3年以内の離職率》《学歴フィルター》に関して、各々のページにて取り上げる。
東京都江東区在住。1993年生まれ。2016年国立大学卒業。主に鉄道、就職、教育関連の記事を当ブログにて投稿。新卒採用時はJR、大手私鉄などへの就職を希望するも全て不採用。併願した電力、ガス等の他のインフラ、総合商社、製造業大手も全落ち。大手物流業界へ入社。
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