
旧帝大の就職事情に関しては、9割以上の人達は世間一般的にみて良い結果となっている。平均的な大学出身者に比べると、全体を通して安定した実績を出している。
民間なら大手企業へ入社する人が多数である。公共団体なら国家公務員から地方公務員まで様々。
「学歴フィルター」と呼ばれる制度はあくまでも選考の一部だけに使われるが、人物面でも傾向としては旧帝大の学生は優秀だと判断されやすい。
旧帝大の就職事情の特徴
主な特徴 | 詳細な内容 |
大手企業 | 平均的な大学よりも就職先が大手企業という学生が割合的に多い。中小企業へ就職する人は少数派。 |
職種は総合職 | 文系なら事務系総合職、理系なら技術系総合職が目立つ。世間のイメージ上でハイレベルな職種に就く人が多い。 |
人気企業 | 学生の間で人気の企業へ就職する人達も旧帝大出身者が一定の割合を占める。競争を勝ち抜ける人が多い。 |
事務系公務員 | 公務員でも事務関連の職種で就職する人が目立つ。試験倍率が高い官公庁、職種では入れる人で旧帝大が多い。 |
旧帝大の学生の就職事情の特徴をあげるのであれば、大手かつ人気企業、事務系総合職(文系)、技術系総合職(理系)、公務員は人気度が高い事務系という点。
いわゆる「ハイレベル」な仕事に携わるところに就くのが旧帝大と結論付けられる。
>>就職の「学歴フィルター」、大学名でのボーダーラインの基準とは!?
大手企業・人気企業への就職
旧帝大で目立つ主な就職先
・大手企業…東証一部上場、テレビCM放映ありの企業
・人気企業…就職ランキングに名前が載る企業
旧帝大とそうではないふつうの国公立大学および私立大学(早慶以外)の場合だと、圧倒的に旧帝大の方が大手企業、人気企業へ就職する人が多い。
正確な数字に関しては統計データがなく、それを調べる手段がないため測定不可能。
それでも少なくとも東証一部上場企業またはそれに準ずる規模の企業へ就職する人は感覚としては70~90%には達するだろう。
大卒の就職ランキングに入っている企業をとっても、内定者の所属大学は国公立なら旧帝大の占める割合が大きい結果になる。これは、どんな業種でも当てはまる。
人気というほどではなくても、倍率が高めの会社となれば、日本国内のすべての大学数に対して旧帝大出身者が割合的に大きい。
広く言われているように「旧帝大だから」という直接的な理由で就職できるわけではないものの、評価の一部として見られる可能性が否定できない根拠にはなっている。
職種は総合職
旧帝大卒が就く職種
文系=事務系総合職…営業、総務、経理、会計、法務、企画.etc
理系=技術系総合職…研究、開発、設計、品質管理.etc
文系の場合は事務系総合職、理系の場合は技術系総合職に就職する人が多い。
地域限定の一般職に関しても、基本的には仕事内容が「総合職」と同じのため、今回は総合職としてカウントする。
ほかの大学では現場という性質が大きい専門職に就職する人が少なくないが、旧帝大はかなり少ない。
ホワイトカラー・ブルーカラーという区別はないものの、世間一般でハイレベルな仕事というイメージが大きい職種が総合職である。
事務系総合職とは営業、総務、経理、会計、法務、企画などが主な仕事内容。
大学で勉強した知識を直接使用するような仕事ではないものの、自分で考えて行動する力がより一層求められるため、学力が高い人が求められやすい。
技術系総合職とは研究、開発、設計、品質管理などが主な内容。こちらは大学で勉強した内容を利用することが多い。それと同時に、自分で物事をうまく考えることが求められる。高い学力が欠かせない。
学力が高いと評価されるのも旧帝大の方に軍配が上がる。その結果として、総合職として採用する人材で有利なのが旧帝大に所属する学生という傾向が出る。
事務系公務員
事務系の公務員でも出身大学別に分類すると旧帝大出身者が多くなりやすい。
公務員の採用試験には筆記試験、つまり学力が問われるテストが存在する。ここで高い点数を出せる人といったら、大学受験で高い学力を結果に出せた旧帝大の人たちである。
中堅レベルかそれ未満の偏差値の大学の学生でもしっかりと勉強すれば公務員試験で合格点をたたき出すことができるのは確か。しかし、そこまで勉強を頑張る人は割合にすれば少ない。
受験期にしっかりと勉強した旧帝大の学生の方が自然と試験対策をする人が多くなるのが何となくわかるだろう。
こうした背景から、倍率が高くて人気の事務系の公務員になれるのも、旧帝大の学生が多くなる。
「旧帝大だから」という理由ではなく、勉強する人が集まるところが旧帝大のため、公務員として就職できる人の割合に結び付いているというわけだ。
旧帝大と就職は直接的には関係ない

上記の特徴があるとはいえ、旧帝大だからといって就職がうまく行くという保証はどこにもない。
あくまでも全体的な流れにとどまる。個人個人で見れば、就職先や仕事内容は全くバラバラである。
エントリーシートにおいても、大学名だけで通過できるわけではない。志望動機や学生時代に頑張ったこと、仕事に対する意気込みなどがしっかりしている人でないと、内定獲得は難しい。
企業側はあくまでも「人物」を評価して、それが良かった人に内定を出して採用する。「〇〇大学」という学校名は、あくまでも参考程度でしか見ていない。
大学のネームバリューによって選考に有利・不利が決まるという「学歴フィルター」は、あまりにも応募者数が多かった場合の足切りの手段にしかならない。
したがって、旧帝大だから就職は安心と判断するのは根拠に欠ける。
就職と旧帝大の関係
・大学名は評価の対象ではない、参考程度の肩書
・あくまでも人物面で評価される
・学歴フィルターは選考人数を絞り込むだけのための手段
参照:旧帝大でも就職できない人とは!? 難関国立で無い内定の特徴
それでも旧帝大が有利

しかし、旧帝大は就職で有利に働くのが噓かというとそうではない。正しい部分もある。
そもそも大学入試で旧帝大に合格できる人というのは高校時代に勉強を頑張った人に限られる。
毎日の努力で高い学力を身につけることができた人だけが入学できる場所、それが旧帝大である。
勉強を頑張った人は、その後(大学入学後)もあらゆる面で頑張る傾向が見られる。全員ではないとはいえ、部活やサークル、研究や調査、資格取得のために積極的に頑張れる人が、普通の大学よりは少なくとも多い。
そうした結果、旧帝大と普通の大学生を比較したときに企業側から高い評価が下される方は前者になる。
こうした間接的な理由があるからこそ、今も「旧帝大の出身者は優秀」と判断され、就職の有利になるように見える姿が存在するのだ。
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東京都江東区在住。1993年生まれ。2016年国立大学卒業。主に鉄道、就職、教育関連の記事を当ブログにて投稿。新卒採用時はJR、大手私鉄などへの就職を希望するも全て不採用。併願した電力、ガス等の他のインフラ、総合商社、製造業大手も全落ち。大手物流業界へ入社。
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