製薬会社の離職率(新卒3年以内)の目安! 各社を一覧化

離職者が低い製薬会社

製薬会社の新卒入社後3年以内の離職率の目安の一覧を掲載。他の業界に比べるとかなり低い割合で、基本的には10%未満。

事務職、技術職ともに製造業の中でもかなり良い定着率で、新卒採用で入社した人たちのほとんどが定年まで働き続ける。

新卒採用で就職した人の3年後の時点での離職率は平均で3割といわれているが、化学メーカーは完全に例外である。

MRに関しても営業職ではあるが、離職率は基本的に10%超になることは少なく、ブラックの要素はかなり少ない。

製薬業界の各社の離職率

企業名 新卒3年以内の離職率 備考
武田薬品工業 3.7%
アステラス製薬 3.2%
大塚製薬 5.4%
第一三共 2.9%
大日本住友製薬 10.0%
田辺三菱製薬 0%
塩野義製薬 0%
協和キリン 0%
小野薬品工業 5.0%
大正製薬 4.4%
参天製薬 0-10%
沢井製薬 4.5%
日医工 3.5%
久光製薬 0-10%
ツムラ 6.2%
日本新薬 0%
キョーリン製薬 0-10%
持田製薬 5.4%
東和薬品 0-10%
中外製薬 2.3%

新卒3年以内の離職率を公表している会社に関しては具体的な数値で掲載。2015年度入社の社員を対象としたデータ。

未公表の会社については推定値を掲載。会社の評判、年間休日や残業時間に関する情報などを参考に算出。

採用人数が多いところほど数値は正確になるが、離職率もやや高めに出ることが多い。

武田薬品工業

武田薬品工業の新卒3年以内の離職率は3.7%。

製薬メーカー業界の中で売上高トップの会社だが、離職率でもかなり低い水準。

給料水準も良好、年間休日は120日以上、有休消化率も50%以上、完全土日祝休みという点から辞めていく人は少ない。

業績も基本的に安定していて、少なくとも会社の制度や将来性で退職を決断する人はほぼゼロと思ってよい。

アステラス製薬

アステラス製薬の新卒入社後3年以内の離職率は3.2%。

業界第2位だが、同じく入社してすぐに辞めていく人は少ないことがわかる。

給料水準も良好、年間休日は120日以上、有休消化率も50%以上、完全土日祝休みという点から辞めていく人は少ない。

平均勤続年数15年以上、有休消化50%以上ということもプラスの要因に働いている。

大塚製薬

大塚製薬の新卒3年以内の離職率は5.4%。武田薬品工業とアステラス製薬よりはやや高めの水準となっている。

それでも離職率は1割を大きく下回っていて、気になるようなレベルでは決してない。

給料、年間休日、有給消化率でも問題は特にない。

社風では体育会系で近年はトップダウン型になりつつあるとの声もあるが、それでも離職率が低いことで心配になる水準とまでは考えられない。

第一三共

第一三共の新卒3年以内の離職率は2.9%。製薬会社の中でも低い方に分類される。

業界第4位になるが、まだまだ新卒採用ですぐに辞める人が多いような会社では決してない。

給料水準、年間休日、有給の取りやすさではトップに劣らない。

長く働ける職場であると判断でき、「ホワイトな企業」の条件も満たしている。

エーザイ

エーザイの新卒入社後3年以内の離職率は10.0%。製薬会社の中ではやや高い方に入る。

同じように、長く働ける職場であるのが覆るほどの欠陥は見当たらないものの、やや気になるところは残る。

出張規定に関する不満が目立つ。営業職以外の社員は17時を超える出張があっても、片道100キロ以内の距離だと出張手当や残業代が支給されないというデメリットがある。

2010年ごろまでは給料水準は業界でも首位クラスに入って以下ものの、それ以降は競争の激化などでやや低下している。

こうした背景が3年以内の離職率も若干高めになっているものと考えられる。

大日本住友製薬

大日本住友製薬は財閥系の製薬会社に該当する。

新卒3年以内の離職率は0%。3年後の定着率が完全に100%という数値を達成している。

基本的に毎年すぐに退職する人はいないのが当たり前。退職者が発生することはレアケースであるようだ。

給料水準、休日の日数こそはどれも同じだが、残業時間や有休の取りやすさでもプラスの要因が見られる。

新入社員が不満を持つ点は少なくとも制度的な面ではないと考えてよい。

田辺三菱製薬

田辺三菱製薬もまた財閥系の製薬メーカーである。

新卒3年以内の離職率は同じく0%。定着率が100%という驚異的な数値を達成している。

給料水準、年間休日の日数、残業時間ではかなり満足のいく内容である。

社風そのものができるだけ残業をしないように心がけるという感じになっていて、根本から長時間労働の防止策が整っているとの意見も目立つ。

新入社員が不満を持つ点は少なくとも制度的な面では見当たらない。

塩野義製薬

塩野義製薬の新卒3年以内の離職率は同じく0%。定着率が100%という驚異的な数値を達成している。

たまたまと良かったとも考えられるが、実際のところ例年だと5%前後で推移している。

それでも新卒での採用人数は毎年100人前後。つまり、退職者が発生しても5名以内であり、少ない人数であることには変わりない。

給料水準、年間休日の日数、残業時間では満足のいく内容で、新入社員が不満を持つ点は少なくとも制度的な面では見当たらない。

協和キリン

協和キリンはの新卒3年以内の離職率は0%。

採用人数そのものが少ないため、年によってやや大きく違ってくるものの、基本的には3年以内に1,2人いるかいないかのレベルにとどまる。

給料水準、休日日数、残業時間などの労働条件は良好。中でも1か月あたりの平均残業時間は8時間程度とかなり少ない。

できるだけ定時で帰宅することが基本、残業はあくまでも例外という志が近年は徹底される傾向にあるようだ。

新入社員が定着できる理由であるのは確かだろう。

小野薬品工業

小野薬品工業の新卒3年以内の離職率は5.0%。

製薬会社の中ではふつうなレベルだが、他の業種と比べるとかなり低いのは確か。

給料水準の高さが目立つ。業界トップクラスの製薬メーカーよりもやや高めの金額。

具体的に言うと、全社員の平均年収が800~900万円。かなり給料が良いと判断できるレベル。

大正製薬

大正製薬の新卒3年以内の離職率は4.4%。こちらも低いレベルである。

テレビCMを放映していることもあって知名度が高く、新卒採用では多くの学生が応募する人気の就職先である。

人気度に比例する形で、離職率もまた良好。

給料水準は業過内でも高い一方、残業時間はやや長いとの声が目立つ。21時までには帰宅することが奨励されているものの、36協定を遵守することが求められる制度はない。

そのため、部署によってやや長時間労働を強いられるところもある。

それでも給料、休日日数、福利厚生、業界そのものの特徴から実際に退職する人は少なく、定着率が高いのも確か。

なぜ製薬会社の離職率は低い?

製薬会社の業界

~製薬会社の離職率が低い理由~

  • 給料水準が高い
  • 年間休日が多い、土日休みの「完全週休二日制」
  • BtoBのビジネスモデル
  • 経営が安定(不況に強い)

製薬会社が知識集約型産業で利益率が高ビジネスモデルである。対義語は労働集約型だが、これには全く該当しない。

製造業の中でも化学メーカーなどと並んで特に収益が高くなりやすく、その分社員の年収の金額が多い傾向が見られる。

しかも店舗型の業態ではないため、土日休みは当たり前。出勤するのが平日だけが基本のため、年間休日は120日以上が確保されている会社がほとんど。

つまり「完全週休二日制」というわけだ。

そして、ビジネスモデルはBtoBの法人相手。顧客といえば病院や薬局などの医療関係機関。個人客を直接相手するわけではない。

お客さんから苦情が毎日のように来る仕事がないことで、精神的に追いやられる人が少ない。確率的にあるのは上司などからのパワハラやセクハラくらいに限られる。

離職率が高いのはBtoC型で製薬会社はそれとは対照的というわけである。

さらに、医薬品は世の中の景気がどんな状態であったとしても社会に不可欠な存在である。不景気になっても売り上げはあまり落ちない。

経営が安定しているという点でも長く働ける環境が整っている要素の1つに入る。

このように働きやすい環境が整いやすい背景こそが、新卒3年以内の離職率が低く安定している理由である。