
三菱ガス化学の新卒採用の倍率は技術系が約30倍、事務系が約100倍と推定。就職難易度はそれぞれ「やや難」「最難関」に該当。
採用人数はここ数年は60人前後。内訳は、事務系が10人、技術系が50人前後、大手企業としてはやや少ない人数。
化学メーカーでも特に有名な企業の1社で、製造業全体でも就職先人気度はかなり高い。「具体的に何を作っているメーカーなのか?」は知らない人でも、社名こそは聞いたことはあるかもしれないところ。社名に「三菱」が付くことも影響。
書類選考では応募者の過半数は落とされると思われ、さらに1次面接から最終面接まででも残りの半分以上は落とされ、内定を獲得するのは相当難しい。
職種ごとの就職難易度
職種 | 難易度(満5点) | 推定倍率/レベルの目安 |
---|---|---|
技術系総合職 | ★★★★ | 30倍、やや難 |
事務系総合職 | ★★★★★+ | 100倍、最難関 |
三菱ガス化学の技術系総合職、事務系総合職の新卒採用の就職難易度はこのような形になる。いずれも総合職に相当し、院卒、大学などを対象とする。
募集状況から、事務系と技術系では募集人員の面では3倍以上の差がある模様。事務系は特に専攻分野の制限がないことで、特に供給過剰(応募者数が募集人数を大きく超過する状態)な傾向が見られる。
誰でも制限なしに応募できる事務系の場合は、さらに採用人数が少ないこともあって、就職難易度は上がる。
《参考:<偏差値表>化学・素材メーカー業界の就職難易度をランキング化》
技術系総合職は倍率30倍、難易度は「やや難」

三菱ガス化学の理系を対象とする技術系総合職の就職難易度は「やや難」。倍率は約30倍程度と推定。
技術系は専攻分野別の採用実績では「化学系、電気・電子系、機械系、エネルギー系、地学・資源系、薬学系、農学・生物系、その他理科系」と記載されている。
要するに専攻分野の指定があることを意味する。
書類選考から面接まで、工学部や理学部などの理系の学部学科に所属するという特定のグループに該当する学生の中での競争になる。
エントリーできる対象者が限定されることで、文系の事務系のように不特定多数の学生間での競争にはならない。
応募者数に関しては、会社の規模や知名度、事業内容、理工系学部に在籍する学生数を考慮すると、およそ1,500人になるのではないかと考える。ゆえに、倍率は約30倍ほどが目安、就職難易度は「やや難」と判断。
なお、技術系総合職(理系限定)では「学校推薦」の制度が使える。自由応募とは違って、教授の指名があることで内定獲得がしやすくなるのは確か。
事務系総合職の倍率は100倍、難易度は「かなり難」

一方の文系を対象とする事務系総合職の就職難易度は「最難関」。倍率は約100倍と推定。理系の技術系とは対照的に内定獲得が難しい。
応募者数は1,000人程度になるのではないかと推定。技術系と応募人員はほとんど変わらないと予想するが、採用人数が少なく、その分倍率が上がる。最大では100倍くらいになることもあり得る。
正式なデータは公表されていないものの、会社規模や知名度、業界の性質を考慮すると、これくらいになると推測。上場企業の中でも特に入社が難しい。
募集の対象とする専攻分野は「全学部全学科」。応募方法は「自由応募」のみ。他の巷の企業と同じく、「学校推薦」方式は事務系は対象外。
このような条件により、文系を中心に不特定多数の学生がエントリーしてくる。
実際に応募してくる学生の所属学部は法学部、経済学部、文学部、社会学部、教育学部、商学部、総合政策学部、外国語学部など。いずれも文系だが、これらだけでもかなりの数になる。
こうした事情から、三菱ガス化学の事務系の倍率は100倍と推定。就職難易度は「最難関」との表現が妥当と判断。
採用人数

三菱ガス化学では過去5年間の採用人数が公表されている。
技術系 事務系
——————————————-
2017年4月 29名 12名
2018年4月 31名 10名
2019年4月 40名 11名
2020年4月 42名 10名
2021年4月(予) 49名 10名
技術系は毎年30~40名で推移。事務系は毎年10名前後で推移。「理高文低」の傾向が顕著。
技術系は事務系の3倍くらいとなり、圧倒的に理系人材が求められている。
そんなこともあって、就職難易度と倍率も事務系の方が高くなり。
他社と比較して
三菱ガス化学は上場企業の中でも特に就職難易度が高い。
就活市場が「売り手市場」でも「買い手市場」でも、三菱ガス化学に限っては常に買い手市場。圧倒的に応募者過剰で、運が良かった学生だけが内定をもらえる。
募集人員が少ない文系のみならず、ある程度の募集がある理系でも、常に「買い手市場」。
化学メーカーとして

三菱ガス化学は、下記の化学メーカー業界と概ね同じくらいの就職難易度になると考える。
- 三菱ケミカル
- 住友化学
- 三井化学
いずれも「三菱」「住友」「三井」などの名称が付く財閥系の企業。化学メーカーの中では売上高トップ級ではなくても、社名のインパクトで就職先として非常に人気になりやすい。
技術系(理系)、事務系(文系)ともに全国の大学から応募者が続出。
こんな事情から、化学メーカーへの就職を希望する学生は真っ先にエントリーする企業だろう。
おすすめ記事
業種 | 会社名 |
---|---|
製薬会社 | 武田薬品工業、大塚製薬、アステラス製薬、第一三共、中外製薬、エーザイ、大日本住友製薬、田辺三菱製薬、塩野義製薬、小野薬品工業、参天製薬、大正製薬、沢井製薬、久光製薬、日本新薬、持田製薬、小林製薬、杏林製薬、東和薬品、大鵬薬品、あすか製薬、ゼリア新薬、シミック |
〃(外資) | ファイザー、アストラゼネカ、ジョンソンエンドジョンソン、ノバルティスファーマ |
化学・素材 | 三菱ケミカル、住友化学、旭化成、積水化学工業、三井化学、富士フイルム、信越化学工業、東レ、東ソー、大陽日酸、DIC、帝人、日東電工、花王、日本ペイント、昭和電工マテリアルズ、宇部興産、昭和電工、関西ペイント、JSR、日亜化学、三菱ガス化学、クラレ、エア・ウォーター、ADEKA、アイカ工業、日油、アース製薬 |
化粧品 | コーセー、資生堂、マンダム、ノエビア |
上記では製薬会社、化学・素材メーカー各社の新卒採用の倍率と就職難易度について解説。