
三井住友海上火災保険の新卒採用の倍率は、全域社員が約30倍、地域社員(ワイドエリア)が約20倍、地域社員(エリア)が約10倍と予想。就職難易度はそれぞれ「やや難」「ふつう」「やや易」に相当。
採用人数に関しては、全域社員が100~150人、地域社員が300~400人ほどでここ数年は推移。
保険業界の中でも大手企業である一方、募集人数が数百人単位という大量採用になっているため、倍率自体はそれほど高いものにはならない。
とはいえ、それでも応募する人の数が圧倒的に多いため、決して入社が簡単であるとは言えない。内定獲得をめぐる争いはかなり激しいものとなることが確実だ。
目次
職種ごとの就職難易度
職種 | 難易度(満5点) | 推定倍率/レベルの目安 |
---|---|---|
全域社員 | ★★★★ | 30倍、やや難 |
地域社員(ワイドエリア) | ★★★ | 20倍、ふつう |
地域社員(エリア) | ★★ | 10倍、やや易 |
全域社員、地域社員(ワイドエリア)、地域社員(エリア)の就職難易度はこのような形になる。
最も人気度が高いのは全国転勤のある全域社員。給料水準が最も高いことから、採用人数に対して多くの学生がエントリーする。
倍率および就職難易度は損保会社のあいおいニッセイ同和損保や損保ジャパン、東京海上日動火災保険などと類似。
《参考:金融業界(銀行/証券/保険)の就職難易度の一覧! 偏差値をランキング化》
全域社員の倍率は30倍、難易度は「やや難」

全域社員の就職難易度は「やや難」。倍率は約30倍と推定。
全国転勤があって海外への赴任もあるこの職種は、三井住友海上火災保険の看板的な存在と言える。
全域社員は他社では「総合職」という名称が付く職種。
保険会社に就職したいと考えている学生だけでなく、銀行、証券といった金融業界全般を志望している学生も受けてくる。
給料が最も高い職種であることも影響。40歳前後では1,000万円に達する。
こうした事情から、三井住友海上の全域社員の倍率は30倍と推定。就職難易度は「やや難」との表現が妥当と判断。
地域社員(ワイドエリア)の倍率は20倍、難易度は「ふつう」

地域社員(ワイドエリア)の就職難易度は「ふつう」。倍率は約20倍と推定。
特定の地域内での引っ越しが必要な転勤がある一方、地域外への転勤はない職種。
例えば、首都圏でブロック限定で入社した社員は、県外への転勤はあっても、中部・関西・九州などへの転勤はない。
全国的な転勤は敬遠するが、同一地域内への転勤であれば許容できるという学生が応募。
各ブロックごとに一定の採用人数があるため、全国的に見ると全域社員よりは採用枠が多く、その分倍率が下がる。
ゆえに、就職難易度は通常の総合職よりも低い。倍率も高くても20倍程度と考える。就職難易度は大手企業の中では「ふつう」に相当。
地域社員(エリア)は倍率10倍、難易度は「やや易」

地域社員(エリア)の就職難易度は「やや易」。倍率は約10倍程度と推定。
前述の2つはいずれも引っ越しが必要な転勤が存在する一方、エリア限定の地域社員は完全に転居を伴う異動はない。
自宅から通勤することが前提に考えられている職種。ゆえに、自宅から通勤することを前提に就職したいと考えている学生がこれに応募。
採用人数も少なめのため、結果的に就職難易度はそれほど下がらないものの、各都道府県ごとに採用計画がある。
したがって、特に地方部を中心に倍率は下がる。学生数が少ない地方部ではエントリー数そのものは少ないことが影響。
ゆえに、全体での就職難易度は「やや易」、倍率は10倍と判断。
なお、地域社員(エリア)は女性社員の割合は大きい。男性はかなり少ない。
倍率は概ね20倍程度と予想

三井住友海上火災保険の新卒の全体的な倍率は概ね20倍。正式なデータは公表されていないものの、企業規模や業界の人気度を考慮すると、これくらいの競争となるだろう。
詳しい倍率は職種によって違ってくる。大きく分けて、三井住友海上火災保険では「全域社員」と「地域社員(ワイドエリア)」「地域社員(エリア)」の3コースに分かれる。
全域社員とは、転居を伴う異動があるコースである。国内・海外を問わず広域にわたって転勤があるのが特徴。その分給料水準は高く、出世のスピードも速い。
地域社員とは、異動があっても原則として特定の地域内でのみに限られる職種である。
自宅から通勤できるというメリットがある一方で、給料水準は全国転勤ありの社員よりは低い。
全域社員だけは人気が高い。男子学生が多く応募する一方で、採用人数が地域限定のコースよりも少ない。
20倍を超えた倍率になる可能性も大いに考えられる。難易度が高い職種となるのがわかる。
《参考:三井住友海上の採用大学を公開! 学歴フィルターは存在》
全国転勤型の総合職の難易度はかなり高い
三井住友海上火災保険では、全域社員も地域社員も「総合職」という形になっている。
ただし、一般的な企業では、前者が総合職であるのに対して、引っ越しが必要となる転勤がない地域限定型の職種は一般職と呼ばれる。
社内ではどちらかというと優遇されやすい全国転勤ありの総合職の方が、新卒採用では難易度が高い。半面、一般職は比較的難易度が低い。
書類選考や面接で求められる人材の質も、将来的な幹部候補となる国内・海外転勤ありの職種の社員の方が高い水準のレベルが求められる。
地域社員の難易度は比較的低い
一般職に当たる地域社員は、比較的就職の難易度が高くはない。採用人数が300人以上にのぼることで、内定がもらえる人数そのものが多い。
全国転勤ありの総合職と比較すると、入社までの道のりは容易ということになる。
ただし、給料の水準は全域社員よりも少ない。初任給からその差が見られる。自宅から通勤できる範囲内での異動が基本ということで、それに見合った手当がもらえるのが総合職とも受け取れる。
とはいえ、大手企業でしかも金融業界ということもあり、標準的な会社と比べると地域社員でも給料は高い方に入る。大手の総合職の中でも高い年収という点では確かである。
なお、地域社員の場合は女性社員が多い。男性社員が多い全域社員とは対照的な男女比となっている。
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業種 | 会社名 |
---|---|
銀行 | 三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、りそな銀行、新生銀行、ゆうちょ銀行 |
信託銀行 | 三井住友信託銀行、SMBC信託銀行、みずほ信託銀行 |
地銀 | 横浜銀行、千葉銀行、関西みらい銀行、福岡銀行、京都銀行 |
損害保険 | 損保ジャパン、三井住友海上、東京海上日動、あいおいニッセイ同和損保、AIG損害保険 |
生命保険 | 日本生命、明治安田生命、第一生命、住友生命、大同生命、富国生命 |
証券 | 野村證券、大和証券、SMBC日興証券、みずほ証券、三菱UFJモルガンスタンレー証券、東海東京証券、岡三証券 |
クレジット | JCB、三菱UFJニコス、三井住友カード、オリエントコーポレーション、イオンフィナンシャルサービス、クレディセゾン |
外資系金融 | ゴールドマンサックス、ドイツ銀行、モルガンスタンレー、UBS、JPモルガン、シティグループ、クレディスイス、BNPパリバ、バークレイズ |
政府系金融機関 | 日本銀行、国際協力銀行、日本政策投資銀行、日本政策金融公庫、商工中金、農林中央金庫、日本証券金融、日本取引所グループ、住宅金融支援機構 |
上記では金融業界(銀行・保険・証券等)の就職難易度について解説。就職偏差値は「金融業界(銀行/証券/保険)の就職難易度の一覧! 偏差値をランキング化」にて取り上げる。
東京都江東区在住。1993年生まれ。2016年国立大学卒業。主に鉄道、就職、教育関連の記事を当ブログにて投稿。新卒採用時はJR、大手私鉄などへの就職を希望するも全て不採用。併願した電力、ガス等の他のインフラ、総合商社、製造業大手も全落ち。大手物流業界へ入社。
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