
村田製作所の大卒及び院卒の新卒採用の倍率は全体では5~20倍程度と推定。職種別では事務系が約20倍、技術系が約5倍、一般職が約10と推定。
就職難易度に関しては、事務系が「ふつう」、技術系が「やや易」、一般職が「やや易」に該当。
採用人数は、総合職はここ数年は250人前後で推移している。内訳は、事務系が50名、技術系が200名ほど。一般職は50~100名ほど。
職種ごとの就職難易度
職種 | 難易度(満5点) | 推定倍率/レベルの目安 |
---|---|---|
事務系(文系) | ★★★ | 20倍、ふつう |
技術系(理工系) | ★ | 5倍、易 |
一般職 | ★★ | 10倍、ふつう |
村田製作所の事務系・技術系の新卒採用の就職難易度はこのような形になる。
募集人数の面で、技術系は事務系の4倍くらいに達する一方、専門性(大学で学んでいる専攻分野)の有無で条件が異なることが影響。
当然ながら就職難易度は、技術系より事務系の方が圧倒的に競争が激しい。倍率もそれに伴ってやや高い数値となっている。
ただし、電機メーカー他社(特に日立製作所・ソニー・三菱電機・パナソニックなど)に比べると大手企業の割には文系・理系ともにやや倍率が低め。
知名度が低く、特に大学生では企業名があまり浸透していないことがその理由。
《参照:電機メーカー業界の就職難易度の一覧! 偏差値の順位をランキング化》
技術系の倍率は5倍、難易度は「易」

技術系の就職難易度は全社採用で「易」レベル。倍率は約5倍と推定。院卒、大卒いずれもほぼ同水準。
村田製作所全体では毎年総合職で250人ほどの募集をかけているが、入社する社員の4分の3はこの技術職に該当。
その年の内定者の数や世の中の景気によって変わってくるものの、平均するとこれくらいになると考える。
携わる業務は、商品開発、材料開発、回路設計(高周波・アナログ・デジタル)、プロセス開発、生産機器設計・開発、製造プロセス・製造技術、基礎研究、品質管理、分析・評価技術、情報システム、セールスエンジニア、インダストリアルエンジニア(IE)、ファームウェア・ソフトウェア技術開発、環境管理、知的財産など。
応募できるのは理工学系の学部学科に所属している学生に限定。募集要項でも「電気系、機械系、物理系、情報系、材料系 ほか」と指定がある。
理系という括りの学部学科でも、生物・バイオ系では残念ながら採用の対象ではない。
理工学系統の理系の学生の中での内定の争いとなり、しかも採用人数も多いことから、倍率は大手企業でも低い水準。
こうした点から、推定倍率は約10倍が限度で、就職難易度は「やや易」という表現が妥当ではないか。
事務系は倍率が20倍、難易度が「ふつう」

事務系の就職難易度は「ふつう」。倍率は約20倍と推定。
採用人数は毎年50人ほど。全体の4分の1に過ぎない。
携わる業務は、総務、人事、経理、財務、広報、法務、情報システム、知的財産、企画、経営企画、資材購買、生産管理、営業(国内・海外)、インダストリアルエンジニア(IE)、物流・在庫管理。
一方、村田製作所の事務職に応募できる条件上で学部学科の限定はない。
このような条件により、事務系では不特定多数の学生がエントリーしてくる。理系限定のような制限がないことで、応募者が殺到して倍率が増加。
そもそも日本国内の大学生の文系・理系の比率を見ても、7割近くは文系に属する。したがって、エントリーする学生たちの母数(就活中の学生)そのものが多い。
このように、応募者の潜在的な学生数が事務系では豊富に存在することから、同一企業でも内定までの難易度は確実に高い。
こうした事情から、村田製作所の事務系の倍率は20倍と推定。就職難易度は「ふつう」との表現が妥当と判断。
一般職は倍率が10倍、難易度が「やや易」

一般職の就職難易度は「やや易」。倍率は約10倍と推定。
主な仕事内容は総合職の補佐(アシスタント)が主流で、女性の採用が多い職種である。
事務系総合職と同じく文系が中心。しかし、給料が総合職よりも低いこともあって若干不人気。>>村田製作所の平均年収は700万円、賞与は5~6ヶ月分
一方、技術系に比べると応募できる文系の人口が多いこともあってやや競争は高め。
ゆえに、倍率も概ね10倍程度と推定。就職難易度に換算すると「やや易」
他社と比較して~比較的簡単

村田製作所の就職難易度を他社と比較すると、以下のようにまとめられる。
- 総合電機メーカーでは難易度低
- 大手の割には競争は緩やか
- 採用人数が多いことが影響
村田製作所は電機メーカーに詳しい人であれば社名は知っているに違いない。しかし、一般的な人の間ではそれほど有名というほどではない。
「村田製作所」という会社名そのものを知らない人も結構いる。
業界内の就職先ランキングで上位に来るところと言えば、以下の企業が代表的。
- 日立製作所
- ソニー
- 三菱電機
- パナソニック
いずれも村田製作所とは違って社名の知名度が高く、しかも社員の待遇が良好な傾向。
当然ながら、新卒採用の世界でも多くの大学生はこれらの企業の方を好むだろう。村田製作所に入社する学生となると、製造業に詳しい人、もしくは第一志望だった上位勢の企業には落ちてしまった人ではないか。
こうした結果、村田製作所は比較的就職しやすい大手企業といえる。
業種 | 会社名 |
---|---|
自動車メーカー | トヨタ自動車、ホンダ、日産自動車、マツダ、スバル、スズキ、いすゞ自動車、三菱自動車、ダイハツ工業 |
自動車関連サプライヤー | トヨタ車体、豊田自動織機、トヨタ紡織、豊田中央研究所、トヨタシステムズ、デンソー、アイシン精機、ヤマハ発動機、住友電装、ボッシュ、ブリヂストン、住友ゴム工業、横浜ゴム、日立Astemo |
電機 | 日立製作所、三菱電機、パナソニック、ソニー、キャノン、キーエンス、富士通、オリンパス、NEC、シャープ、京セラ、日本電産、村田製作所、東京エレクトロン、セイコーエプソン、富士電機、オムロン |
重機・工作機械 | 三菱重工業、ダイキン工業、小松製作所、クボタ、IHI、新日鉄住金、ファナック、安川電機、DMG森精機、SMC、川崎重工業、シマノ |
鉄鋼・非鉄金属 | 日本製鉄、JFEスチール、神戸製鋼所、日立金属、大同特殊鋼、三菱製鋼、住友電気工業、三菱マテリアル、古河電気工業、住友金属鉱山、JX金属、日本軽金属、フジクラ、UACJ、DOWA、古河機械金属、リョービ |
(業界全体) | 『自動車業界の就職ランキング! 各社の新卒の偏差値の一覧』 |
上記では自動車・電機・工作機械などの製造業およびそれに関連する企業の就職難易度(新卒採用)と倍率の目安について解説。 《新卒3年以内の離職率》《学歴フィルター》に関して、各々のページにて取り上げる。
東京都江東区在住。1993年生まれ。2016年国立大学卒業。主に鉄道、就職、教育関連の記事を当ブログにて投稿。新卒採用時はJR、大手私鉄などへの就職を希望するも全て不採用。併願した電力、ガス等の他のインフラ、総合商社、製造業大手も全落ち。大手物流業界へ入社。
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