
NEXCO東日本の新卒採用の倍率は全体では20倍程度と推定。職種別では総合職のうち、事務系が約30倍、土木系と施設系が約20倍くらいと推定。
就職難易度に関しては、事務系が「ふつう」、土木系と施設系が「やや易」に該当。
大手企業でも一般的な上場企業並みだが、誰もが知っている超大手企業と比べると低い。
採用人数はすべて合わせると100人前後で毎年推移している。一方の応募者数は数千人規模になるよ思われる。
業界としてはインフラ企業に該当するものの、電力、ガス、鉄道などに比べると人気度は低め。
職種ごとの就職難易度
職種 | 難易度(満5点) | 推定倍率/レベルの目安 |
---|---|---|
事務系総合職(文系が主流) | ★★★ | 30倍、ふつう |
土木系総合職(理系が対象) | ★★ | 20倍、やや易 |
施設系総合職(理系が対象) | ★★ | 20倍、やや易 |
※新卒採用は2コースに分かれて採用選考が行われる |
NEXCO東日本(東日本高速道路(株))の新卒採用の就職難易度はこのような形になる。
採用人数の内訳は、事務系・土木系・施設系ともにほぼ同じくらいであるが、日本国内の大学を見ると文系に分類される学部学科に所属する人の割合が高いため、倍率は圧倒的に事務系総合職で高くなる。
一方の技術系(土木・施設)は採用人数に対して応募者数はそこまでは肥大化しない。応募する学生が工学部などに限られるため、事務系と比べて倍率が下がる。
とはいえ、大前提としていずれの職種も倍率が高くて競争が激しいのは確か。そもそも人気の高いインフラ事業者の1社であるため、難関に内定が取れるところではない。
《参考:高速道路会社の就職難易度の一覧! 偏差値の順位をランキング化》
事務系は難易度が「ふつう」

事務系の就職難易度は「ふつう」。倍率は約30倍と推定。
事務系とは、募集要項では次のように記載されている。
- 用地取得
- 交通管理
- 道路管理
- 通行料金・ETCに関する企画・実施・管理
全学部全学科を対象としているが、応募者の大半は文系の学生である。仕事内容は管理や営業(企画)とほぼ同じと考えてよい。
文系がほとんどとは言え、日本の学生の割合別で見ても文系が全体の7割を占めていることもあり、事務系に応募する人数が多くなるのは避けられない。
こうした背景をもとに考えると、NEXCO東日本の事務職の倍率は30倍近くには達すると考える。採用人数が少ない年だとそれ以上に達することも大いにあり得る。
応募人数が公表されていないため、正確な数値は不明で実際の数とはかけ離れている可能性もあるが、就職難易度が「ふつう」に当たるレベルにはなる。
土木系・施設系の難易度は「やや易」

技術系総合職の就職難易度は「やや易」レベル。倍率は約20倍と推定。
仕事内容に関しては、募集要項に記載されている。
- 土木:高速道路の橋梁・トンネル・舗装等土木構造物の建設・管理に関する企画・計画・設計・工事管理・技術開発
- 施設:高速道路の電気設備、通信設備、機械設備及び各種建築物の建設・管理に関する企画・計画・設計・工事管理・技術開発
高速道路本体やそれに付随する設備の技術的な分野に取り組むのが土木系・施設系総合職。一般的な企業では「技術系総合職」に該当。
募集要項にて「理系の学生が事務系総合職に、文系の学生が技術系総合職にご応募いただくことは可能です。ただし併願することはできません。」と明記。
技術系総合職では理系限定の会社が多いものの、NEXCO東日本ではこのような文言はなく、建前上は文系でも応募できる。
しかし、実際のところは工学部や理学部などの理系の学部学科に所属する学生をターゲットとするはず。文系からの内定は難しいのが実情。
応募できる学生が限られていることもあり、倍率は20倍程度が1つの目安になると考える。
就職難易度は「やや易」という表現が妥当ではないか。無名の上場企業や中小企業と比べると確かに入社は難しいが、学生が知っている大手企業の中では低い。
同じく正式データがないため実際の数値とは異なるかもしれないが、背景の事情をもとに考えるとこのあたりが適当かと思う。
他社と比較して

NEXCO東日本の就職難易度を他社と比較すると、以下のようにまとめられる
- インフラ企業では簡単
- 準公務員みたいな存在としては入りやすい
- 自動車にあまり馴染みがない大学生にはやや不人気
大手インフラ企業で簡単な傾向

鉄道会社のJR東日本などは、総合職だと倍率100倍超に。
NEXCO東日本はインフラ業界の中ではかなり入りやすい方だと考える。高速道路会社のほかには、電力・ガス・鉄道・空港などがあるが、いずれもテレビCMを放映する規模だと倍率は100倍超に達する。
業界で上位勢ではない会社の場合でも、テレビCMがある会社なら倍率は50倍以上に達する。
比較対象になるところといえば、まずは以下の通り。
- JR東日本
- 東京電力
- 東京ガス
- 東京国際空港ターミナル
いずれも総合職となれば少なくとも倍率は100倍級になる。事務系・技術系ともに誰もが知っている会社。
第一志望と捉える学生もたくさんいるはず。就職難易度は「かなり難」なのは確か。
NEXCO東日本はこれらの会社と比較すると倍率が低く、就職難易度は下がる。
学歴フィルターはある
NEXCO東日本の人気度はやや低いとはいえ、採用選考では出身大学に偏りは見られる。インフラ企業は特に学歴フィルターが鮮明だが、高速道路会社も例外ではない。
「学歴フィルター」とは、出身大学で選考での有利・不利が決まる制度を指す。膨大なESを効率よく振るいにかける手段として使われる。
NEXCO東日本の採用大学を見てみると、学校名を偏差値別で見てみると以下のような感じになっている。
採用の有無 | 主な大学 |
---|---|
実績あり | 旧帝大:東京大・京都大・北海道大・東北大・名古屋大・大阪大・九州大・東大工・一橋大・神戸大
早慶上智:早稲田大・慶應義塾大・上智大 |
MARCH:明治大・青学大・立教大・中央大・法政大
関関同立:関西大・関西学院大・同志社大・立命館大 上位ランクの国公立大 |
|
工業系の私立大学(偏差値50前後)
地方の公立大学 |
|
少ない/皆無 | 上記以外の私立大学 |
>>就職の「学歴フィルター」、大学名でのボーダーラインの基準とは!?
世間一般で「難関大学」に該当するところが多め。
中でも事務系は厳しい競争のため、難関大学出身者が多くなると予想。
国公立大なら旧帝大クラス、私立なら早慶上智クラス限定ということはないが、中堅私大以下だとハードルになるかもしれない。
公式の採用実績校
NEXCO東日本の公式ウェブサイトの採用実績校は以下のように記載されている。
大学院
愛知県立大学、茨城大学、岩手大学、宇都宮大学、大阪大学、金沢大学、関西大学、北見工業大学、九州大学、京都大学、熊本大学、慶應義塾大学、埼玉大学、芝浦工業大学、首都大学東京、信州大学、上智大学、千葉大学、中央大学、筑波大学、電気通信大学、東京大学、東京工業大学、東京電機大学、東京都市大学、東京農工大学、東京理科大学、東北大学、豊橋技術科学大学、長岡技術科学大学、名古屋大学、新潟大学、日本大学、一橋大学、弘前大学、広島大学、北海道大学、室蘭工業大学、山口大学、山梨大学、横浜国立大学、立命館大学、和歌山大学、早稲田大学大学
愛知県立大学、秋田大学、秋田県立大学、茨城大学、岩手大学、宇都宮大学、大阪大学、小樽商科大学、金沢大学、金沢工業大学、学習院大学、学習院女子大学、九州大学、京都大学、熊本大学、群馬大学、慶應義塾大学、国際基督教大学、埼玉大学、芝浦工業大学、首都大学東京、信州大学、上智大学、高崎経済大学、千葉大学、中央大学、筑波大学、津田塾大学、電気通信大学、東海大学、東京大学、東京外国語大学、東京工業大学、東京電機大学、東京都市大学、東京農業大学、東京農工大学、東京理科大学、東北大学、東北学院大学、東北工業大学、東北福祉大学、東洋大学、長岡技術科学大学、名古屋大学、新潟大学、日本大学、一橋大学、弘前大学、広島大学、福島大学、法政大学、北海道大学、宮城大学、室蘭工業大学、明治大学、山形大学、山梨大学、横浜国立大学、横浜市立大学、立教大学、立命館大学、早稲田大学引用:NEXCO東日本-募集要項、https://www.recruit.cs3.e-nexco.co.jp/recruit/requirements/
文系が主役の日東駒専・成成明学に該当する大学が少ないのがわかる。
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業種 | 会社名 |
---|---|
高速道路 | 首都高、阪神高速、NEXCO東日本、NEXCO中日本、NEXCO西日本 |
電力会社 | 東京電力、中部電力、関西電力、九州電力、東北電力、中国電力、四国電力、北海道電力、沖縄電力、北陸電力、J-POWER(電源開発)、日本原燃、日本原子力発電、ユーラスエナジーHD、SBエナジー、三菱日立パワーシステムズ、イーレックス |
ガス | 東京ガス、大阪ガス、東邦ガス、西部ガス |
総合商社 | 三菱商事、伊藤忠商事、三井物産、丸紅、住友商事、豊田通商、双日、兼松 |
石油 | ENEOS、出光興産、コスモエネルギーHD、国際石油開発帝石、富士石油、石油資源開発、三井海洋開発 |
上記では総合商社、電力、ガス、鉄道、高速道路関連(インフラ、資源関連)の就職難易度について解説。
東京都江東区在住。1993年生まれ。2016年国立大学卒業。主に鉄道、就職、教育関連の記事を当ブログにて投稿。新卒採用時はJR、大手私鉄などへの就職を希望するも全て不採用。併願した電力、ガス等の他のインフラ、総合商社、製造業大手も全落ち。大手物流業界へ入社。
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