
日本生命の新卒採用の倍率は、総合職とエリア業務職が約20倍、エリア総合職が約10倍、営業総合職が約5倍、法人職域FCが約2倍と予想。就職難易度はそれぞれ「ふつう」から「やや易」、さらには「非常に易」に相当。
採用人数は全体では500~1,000。内訳は総合職が約150人、営業総合職が約100人、エリア総合職が約70人、法人職域ファイナンシャルコーディネーターが約500人、エリア業務職が約5人。
仕事の内容はそれぞれでかなり異なる。総合職は営業からオフィス内での業務であり、営業総合職は名前の通り営業活動を行う。こちらの2つは男性が多い。地域限定型の営業にあたるエリア総合職、法人職域ファイナンシャルコーディネーター、事務職のエリア業務職は女性が多い傾向にある。
保険業界の中でも大手企業であり、当然ながら応募者数は確かに多い一方、募集人数が数百人単位という大量採用でもある。そのため、倍率自体はそれほど高いものにはならない。
最近では「生命保険会社=キツイ」というイメージが定着していることもあって、人気度はやや低めでもある。
目次
職種ごとの就職難易度
職種 | 難易度(満5点) | 推定倍率/レベルの目安 |
---|---|---|
総合職 | ★★★ | 20倍、ふつう |
営業総合職 | ★ | 5倍、易 |
エリア総合職 | ★★ | 10倍、やや易 |
法人職域FC | ★ | 2倍、非常に易 |
エリア業務職 | ★★★ | 20倍、ふつう |
総合職、営業総合職、エリア総合職、法人職域ファイナンシャルコーディネーター、エリア業務職の就職難易度はこのような形になる。
最も人気度が高いのは全国転勤のある総合職。給料水準が最も高いことから、採用人数に対して多くの学生がエントリーする。
逆に営業が中心の「営業総合職」「法人職域FC」は不人気な一方、採用人数は多めのため倍率は低い。就職難易度は大手企業としてはかなりやさしいと言っても過言ではないだろう。
《参考:金融業界(銀行/証券/保険)の就職難易度の一覧! 偏差値をランキング化》
総合職の倍率は20倍、難易度は「ふつう」

全域型の就職難易度は「ふつう」。倍率は約20倍と推定。
全国転勤があって海外への赴任もあり、他社では「総合職」という名称が付く職種。日本生命の看板的な存在と言える。
全域型は転勤の有無だけでなく、将来的な幹部候補の筆頭でもある。
保険会社に就職したいと考えている学生だけでなく、銀行、証券といった金融業界全般を志望している学生も受けてくる。
給料が最も高い職種であることも影響。35~40歳前後では1,000万円に達する。
参考:日本生命の平均年収は約700万円と推定、賞与は6ヶ月分
その上、「日本生命」と聞けば誰もが知っている会社。大学生でも聞いたことがない人はほぼゼロのはず。
このような状況もあって、日本生命の総合職の倍率は20倍程度と推定。就職難易度は大手企業の中では「ふつう」。
営業総合職の倍率は5倍、難易度は「易」

営業総合職の就職難易度は「易」。倍率は約5倍と推定。
前述の総合職と同じく、「営業総合職」も全国への転勤がある職種だが、仕事内容は完全に営業がメイン。
給料は営業成績に比例しやすいため、20代、30代のうちから高い給料が得られる可能性がある。(年功序列ではなく実力主義)
ただ、大学生の間では「生命保険の営業=極めてキツイ仕事」というイメージがある。
実際問題としても、営業成績がよくなければ給料は上がらず、さらに上司から????責されやすい。
こうしたマイナスの事情もあって、営業総合職の就職難易度は通常の総合職よりも大幅に低い。
倍率も高くても5倍程度と考える。就職難易度は大手企業の中でも「易」。
エリア総合職は倍率10倍、難易度は「やや易」

エリア総合職の就職難易度は「やや易」。倍率は約10倍程度と推定。
通常の「総合職」との違いは引っ越しが必要な異動がないという点だけ。仕事内容そのものはほぼ同じ。
自宅から通勤することが前提に考えられている職種。(勤務地は自宅からの通勤時間が片道1時間30分以内)
営業がすべてではないため、日本生命の中ではやや人気のある職種。
各地域によって採用計画とエントリー者数が異なるものの、就職難易度は「やや易」、倍率は10倍が目安。
法人職域FCは非常に簡単

法人職域ファイナンシャルコーディネーターの就職難易度は「非常に易」、倍率は最大でも2倍程度にとどまると予測。
採用人数が500人超と非常に多いことに加えて、仕事内容が完全に営業という点から、売り手市場になりやすい。
業務内容は大学生の間でも不人気。「生命保険の営業=極めてキツイ仕事」というイメージが当てはまる。
離職率も高い職種。正式な数値こそは公表されていないものの、新卒入社3年後の定着率が5~10%(3年以内離職率:90~95%)という声もある。
就職先としての人気度が上がる要素がまったくないことから、就職難易度は「非常に易」に相当。
エリア業務職は倍率20倍、難易度は「ふつう」

エリア業務職の就職難易度は「ふつう」。倍率は約20倍程度と推定。
総合職や営業系とは違い、仕事内容は事務関連が中心。
営業ノルマ等はほとんどなく、大学生の間でも「保険会社の中では最も楽な職種」というイメージがある。
また、自宅から通勤することが前提に考えられている。(勤務地は自宅からの通勤時間が片道1時間30分以内)
こうした条件から、日本生命の中では人気のある職種。
就職難易度は「ふつう」、倍率は20倍が目安。社内では高レベルと言える。
まとめ

日本生命の新卒採用の倍率は非公開となっているため、実際の数値は不明。ただ、人気度と採用人数、企業規模などを考えると倍率は約20倍程度に一部の職種はなると予想。
生命保険業界の中でも特に福利厚生の内容が充実している。しかも、安定した経営で不景気にも強いということで、就活中の大学生からのこれらの点での評判はかなり良い。
面接の回数も、正規ルートであれば4,5回は行われる。応募者の大半は、たとえ書類選考を上手く通過できたとしても面接のどこかで落とされて不採用となってしまう。
内定をもらえるのはほんの一握りの学生なのは間違いない。
とはいえ、生命保険業界そのものは敬遠する大学生たちもかなり多い。金融志望でも、銀行や証券、損保を希望するが、生保は嫌というケースが少なくない。
特に営業職は不人気。ノルマが厳しい、未達成なら低賃金かつ上司から怒られるとの印象が根強い。結果的に、営業職に限っては大手企業の中でも入りやすい。
《参考:日本生命の採用大学を公開、学歴フィルターは総合職で有り》
体育会系が多い

生命保険業界の全般にいえることであるが、日本生命の内定者を見ると体育会系の学生が多いようだ。
保険業界において、会社が販売する商品は当たり前だが「保険」である。
保険が売れなければ会社は利益を上げることができない。しかし、保険という商品はそう簡単には売れないため、体力や精神力が必要。
勤務状況に関しても、残業は他の業界と比べて多い方に入る。そのうえ、人と接する仕事ということで高いコミュニケーション能力が求められる。
そんな中、日本生命にぴったりの人材といえば体育会系ということになる。
厳しい世界である以上、体育会系のような学生こそが必要とされているのは確かだろう。
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業種 | 会社名 |
---|---|
銀行 | 三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、りそな銀行、新生銀行、ゆうちょ銀行 |
信託銀行 | 三井住友信託銀行、SMBC信託銀行、みずほ信託銀行 |
地銀 | 横浜銀行、千葉銀行、関西みらい銀行、福岡銀行、京都銀行 |
損害保険 | 損保ジャパン、三井住友海上、東京海上日動、あいおいニッセイ同和損保、AIG損害保険 |
生命保険 | 日本生命、明治安田生命、第一生命、住友生命、大同生命、富国生命 |
証券 | 野村證券、大和証券、SMBC日興証券、みずほ証券、三菱UFJモルガンスタンレー証券、東海東京証券、岡三証券 |
クレジット | JCB、三菱UFJニコス、三井住友カード、オリエントコーポレーション、イオンフィナンシャルサービス、クレディセゾン |
外資系金融 | ゴールドマンサックス、ドイツ銀行、モルガンスタンレー、UBS、JPモルガン、シティグループ、クレディスイス、BNPパリバ、バークレイズ |
政府系金融機関 | 日本銀行、国際協力銀行、日本政策投資銀行、日本政策金融公庫、商工中金、農林中央金庫、日本証券金融、日本取引所グループ、住宅金融支援機構 |
上記では金融業界(銀行・保険・証券等)の就職難易度について解説。就職偏差値は「金融業界(銀行/証券/保険)の就職難易度の一覧! 偏差値をランキング化」にて取り上げる。
東京都江東区在住。1993年生まれ。2016年国立大学卒業。主に鉄道、就職、教育関連の記事を当ブログにて投稿。新卒採用時はJR、大手私鉄などへの就職を希望するも全て不採用。併願した電力、ガス等の他のインフラ、総合商社、製造業大手も全落ち。大手物流業界へ入社。
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