環状交差点(ラウンドアバウト)の導入状況は欧米でさえ国で違う

環状交差点

環状交差点(ラウンドアバウト)のヨーロッパ諸国での導入状況は各国によって大きく異なる。

日本国内ではまだまだ数少なく、しかもあまり積極的には普及が進んでいないのが現状。

欧米諸国では日本よりは積極的に既存の交差点からの改良が進んでいるものの、その積極性は国によって違うのは確か。

今回はヨーロッパ20か国の環状交差点の導入状況を統計データを基に取り上げる。


ヨーロッパ20か国の環状交差点の導入状況

ヨーロッパの環状交差点の導入状況

参考資料:“Roundabouts in Europe: 2017 edition”(英語サイト)

住民1,000人あたりの環状交差点の数(2017年) 環状交差点の総数(2017)
フランス 0.94 63,212
ポルトガル 0.84 8,630
アイスランド 0.81 273
ルクセンブルク 0.80 472
スペイン 0.79 36,762

最も環状交差点の導入にに積極的なのはフランス。

その次にポルトガル、アイスランド、ルクセンブルク、スペインの順番になる。国土が広い国としては、フランスとスペインが非常に積極的。

一方で、ドイツ、デンマーク、オランダ、ベルギーなどは消極的。

「ラウンドアバウト」の発祥の地とされるイギリスは標準的。イタリア、スウェーデン、ノルウェー、アイスランドもふつうレベル。

積極的な国々

フランス

フランスは世界で最も環状交差点に積極的な国。新設される道路のみならず、既存の交差点でも円形化して改良しているところが目立つ。

日本では交通量が少ない生活道路級の場所でしか導入がないが、フランスでは交通量が多い幹線道路でも環状交差点が導入されている。

最大の理由は安全性が高いという点と導入コストおよびランニングコストがかかる信号機が不要という点。

フランスは全土を通して交差点に利用できる土地には比較的余裕があることも影響。

さらに、国民的に制限速度を超えて飛ばす人が多いこともあり、環状交差点は強制的に減速させる一種の「シケイン」の役割を持っている点も導入が積極的な背景にある。

スペイン

スペインもフランスほどではないものの環状交差点に積極的な国。

同じく新設される道路のみならず、既存の交差点でも円形化して改良しているところが目立つ。

交通量が多い道路から生活道路まで幅広く採用されている。

最大の理由は安全性が高いという点と導入コストおよびランニングコストがかかる信号機が不要という点。

工業技術も高い国ではない上、財政予算の都合上で信号機の導入があまり行えない事情もある。

スペインもまた全土を通して交差点に利用できる土地には比較的余裕がある。旧市街などを除いては土地に余裕がない場所が少ないため、環状交差点の導入が容易。

同様に、環状交差点は強制的に減速させる一種の「シケイン」の役割を持っている点も導入が積極的な背景にある。

ポルトガル

ポルトガルも基本的にスペインと事情は同じ。

全土にて土地に比較的余裕があること、財政の都合、制限速度を超過しやすい国民性があって、環状交差点に積極的な姿勢が見られる。

国内に信号機メーカーがほとんどなく、信号機の導入には元々積極的ではなかった背景もある。

消極的な国々

ドイツ

ドイツの信号機

環状交差点の導入に非常に消極的なのがドイツ。

ヨーロッパの主要国であるが、「住民1,000人あたりの環状交差点の数」という項目では薄青色であり、かなり少ないことがわかる。

実際のところ、ドイツ国内の交差点のほとんどは従来の十字路またはT字路。

交通量がある程度多い場所では信号機が設置されていて、状況は日本と類似。

もともと法律を遵守する国民性もあって制限速度を超過して走る人が少ないこと、効果に疑問を抱く人がまだまだ多いこと、信号機の技術が高いことが影響。

さらにドイツでは、信号機付の交差点では交通量に応じて柔軟に切り替える「全感応式信号」が普及していることも、環状交差点が少ない理由といえる。

オランダ

オランダも環状交差点には消極的だが、事情はドイツと似ている。

法律を遵守する国民性もあって制限速度を超過して走る人が少ないこと、効果に疑問を抱く人がまだまだ多いこと、信号機の技術が高いことが影響している。

国土が狭いことで、環状交差点を導入できる場所が都市部を中心に少ないことも理由の1つ。

デンマーク

デンマークも環状交差点には消極的だが、事情はドイツと同じ。

法律を遵守する国民性もあって制限速度を超過して走る人が少ないこと、効果に疑問を抱く人がまだまだ多いこと、信号機の技術が高いことが影響している。

信号機の方が効率的かつ安全であると考える国民がまだ多いことも、積極的にはならない理由と考えられる。

環状交差点の増加率

ヨーロッパの環状交差点の増加率

各国の環状交差点の密度の増加率というデータもある。

総数そのものはヨーロッパのどこの国においても増え続けている。

密度が低下しているところとしてアイルランドとルクセンブルクの2か国があるものの、これは人口増加によるもので、絶対数が減少していることを示すものではない。

ポーランドとスロベニアに関しては、環状交差点の既存数こそは少ない一方、現在は非常に積極的に導入が行われていて、2017年と比較した増加率が高い。


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