
積水化学工業の新卒採用の倍率は技術系総合職が約30倍、事務系総合職が約50倍と推定。就職難易度はそれぞれ「やや難」「かなり難」に該当。
採用人数はここ数年は100人前後、内訳は技術系が65人、事務系が35人前後。
化学メーカーで住宅メーカーでもあり、誰もが聞いたことがある企業。「積水ハウス」というブランドでよく知られる。
書類選考では応募者の過半数は落とされると思われ、さらに1次面接から最終面接まででも残りの半分以上は落とされ、内定を獲得するのは相当難しい。
職種ごとの就職難易度
職種 | 難易度(満5点) | 推定倍率/レベルの目安 |
---|---|---|
技術系総合職 | ★★★★ | 30倍、やや難 |
事務系総合職 | ★★★★★ | 50倍、やや難 |
積水化学工業の技術系総合職、事務系総合職の新卒採用の就職難易度はこのような形になる。いずれも大卒・院卒向けの「総合職」に該当する。
募集状況から、事務系と技術系では募集人員の面では2倍近くの差がある。事務系は特に専攻分野の制限がないことで、特に供給過剰(応募者数が募集人数を大きく超過する状態)な傾向が見られる。
誰でも制限なしに応募できる事務系の場合は、さらに採用人数が少ないこともあって、就職難易度は上がる。
《参考:<偏差値表>化学・素材メーカー業界の就職難易度をランキング化》
技術系は倍率30倍、難易度は「やや難」
積水化学工業の理系を対象とする技術系の就職難易度は「やや難」。倍率は約30倍程度と推定。
技術系は公式ウェブサイトでは「主に機械系、電気系、化学系、化学工学系、土木系、建築系、生物系、情報工学系の方対象」と記載されている。専攻分野の指定がある。
基本的に理工学系の学部学科を対象とする。書類選考から面接まで、工学部や理学部などの理系の学部学科に所属するという特定のグループに該当する学生の中での競争になる。
対象者が限定されることで、「誰でも応募OK」という条件の事務系のように不特定多数の学生間での競争にはならない。
採用人数は65人ほどということで、製造業大手としてはやや少ない人数だが、エントリーする学生層が限定される。とはいえ、会社名や事業内容を考慮すると、就職難易度は「やや難」、倍率はおよそ30倍と判断。
応募者数に関しては、会社の規模や知名度、事業内容、理工系学部に在籍する学生数を考慮すると、およそ2,000人くらいが上限ではないかと考える。
なお、積水化学工業では理系限定で「学校推薦」の制度が使える。自由応募とは違って、教授の指名があることで内定獲得がしやすくなるのは確か。
事務系の倍率は50倍、難易度は「かなり難」

一方の文系を対象とする事務系の就職難易度は「かなり難」。倍率は約50倍と推定。理系の技術系とは対照的に内定獲得が難しい。
採用人数は毎年50人ほど。対して、応募者数は2,000~3,000人程度になるのではないかと推定。正式なデータは公表されていないものの、会社規模や知名度、業界の性質を考慮すると、これくらいになると推測。
募集の対象とする専攻分野は「全学部全学科」。募集要項には「文系・理系共に全学科、全学部」と記載。
しかも応募方法は「自由応募」のみ。このような条件により、文系を中心に不特定多数の学生がエントリーしてくる。
実際に応募してくる学生の所属学部は法学部、経済学部、文学部、社会学部、教育学部、商学部、総合政策学部、外国語学部などだが、これらだけでもかなりの数になる。
文系人口は理工系と比べても大幅に大きい。日本の大学生の文理比率は「文系:理系=7:3」で、圧倒的に文系が多い構造。文系の中でも化学メーカーは数ある業種の中でも特に人気なことを考えると、応募が少なくなる根拠はまったくない。
こうした事情から、積水化学工業の事務系の倍率は50倍と推定。就職難易度は「かなり難」との表現が妥当と判断。
他社と比較して
積水化学工業は、同じく化学メーカーである三菱ケミカル、住友化学、信越化学工業、三井化学、旭化成などと就職事情は類似。
化学メーカー全体では就職難易度が高い。文系・理系ともに入社難易度が相当高く、常に「買い手市場」なのが現状。
化学メーカーとして

前述のように、積水化学工業は化学メーカーと見なされることが多い。就職難易度の面では下記の企業が類似する。
- 三菱ケミカル
- 住友化学
- 信越化学工業
- 三井化学
- 旭化成
- 東レ
いずれも業界大手ということで、就職難易度と倍率は積水化学工業と大きな違いはないと考えられる。
なお、積水化学工業へエントリーする学生のほとんどは「化学メーカー」への就職を希望する学生たちと思われる。住宅メーカーでもあるが、住宅関係の仕事がしたくて応募する学生は少ない印象。
住宅メーカーは業界全体的に就職難易度がかなり低い。積水化学工業も、あくまでも化学・素材関係の製造業であるからこそ、就職難易度が高いものと考える。
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業種 | 会社名 |
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製薬会社 | 武田薬品工業、大塚製薬、アステラス製薬、第一三共、中外製薬、エーザイ、大日本住友製薬、田辺三菱製薬、塩野義製薬、小野薬品工業、参天製薬、大正製薬、沢井製薬、久光製薬、日本新薬、持田製薬、小林製薬、杏林製薬、東和薬品、大鵬薬品、あすか製薬、ゼリア新薬、シミック |
〃(外資) | ファイザー、アストラゼネカ、ジョンソンエンドジョンソン、ノバルティスファーマ |
化学・素材 | 三菱ケミカル、住友化学、旭化成、積水化学工業 |
上記では製薬会社、化学・素材メーカー各社の新卒採用の倍率と就職難易度について解説。
東京都江東区在住。1993年生まれ。2016年国立大学卒業。主に鉄道、就職、教育関連の記事を当ブログにて投稿。新卒採用時はJR、大手私鉄などへの就職を希望するも全て不採用。併願した電力、ガス等の他のインフラ、総合商社、製造業大手も全落ち。大手物流業界へ入社。
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