総合商社への就職では理系でも採用されるのか。工学部や理学部、農学部などの学部学科に所属する学生でもエントリーすれば面接を経て内定がもらえるのか。
三菱商事、三井物産、住友商事、伊藤忠商事、丸紅といった大手の総合商社へは、文系理系を問わず人気の就職先となっている。
その一方で倍率はかなり高くなる。毎年例外なく膨大な数の応募者が殺到する。学部学科に関係なく応募が多い。
そんな中で、特に採用される可能性が大きい学部学科はどこなのか。文系が有利なのか、それとも理系の方が内定が出やすいのか。
基本は文系・理系の区別なし

総合商社では、募集の対象としている学部学科は不問となっているところが多数派。したがって、文系でも理系も平等に選考されるというシステムになっている。
ふつうの企業の場合、学部学科の面は書類選考で振るいにかけられることがある。理系が有利となる例はここの部分だろう。
そうしたこともあって、どうしても人口そのものが大きい文系の方が社員の割合としては多い。金融業界と同じ感じといえる。
総合商社はモノを作る会社ではないため、就職の職種で事務職と技術職の区別がない。したがって、人口的に少ない理系の方が有利になることはない。
工学部や理学部、農学部といった学部学科に所属する学生でも選考に進めるのは確かだが、有利不利は関係ない。
学校名が重要になるかも
文系・理系の区別よりも学校名が重要視される傾向が総合商社では見られる。大手企業ではよく見られる制度で、「学歴フィルター」と呼ばれるシステムがこれに当たる。
総合商社では伝統的な日本の新卒採用の風習が特に強い。学歴フィルターの要素が色濃く残っている。

学歴フィルターをクリアする具体的な目安は次になる。
- 旧帝大レベルの国立大学
- 早慶上智(最難関私大)
- 海外の名門校
そのため、東大や京大などの国立大学の中でも旧帝大クラス、私立大学だと慶應、早稲田、上智クラスの採用者が多い。
偏差値が高い大学の学生がターゲット校に指定されているという噂が少なくない。文系でも理系でも、難関大学であることが総合商社への就職の最低限の条件ともいえる。
理系が有利になる業界はどこ?
ところで、理系が文系よりも大幅に就職に有利になる業界とはどこなのか。
その答えは「製造業」である。モノを作る会社において製品を作る際に必要となる専門的な知識を持っている理系の学生が求められる。
文系 | 理系 | |
主流な職種 | 事務職 | 技術職 |
業種 | 商社、金融 | 製造業(メーカー) |
技術職の選考ルートが用意されている企業では、文系よりも理系の方が圧倒的に就職する難易度が低い。
そして、技術職がある業種こそが製造業というわけだ。メーカーとも呼ばれるが、中でも工学系が強いところである。

日本は工業国ということで、製造業が産業の中心となっている。近年はサービス業が増え続けているといわれているが、メーカーが多数派という構造はまったく変わっていない。
こうした産業構造から、理系の方が文系よりも就職に有利といわれる根拠になっている。
東京都江東区在住。1993年生まれ。2016年国立大学卒業。主に鉄道、就職、教育関連の記事を当ブログにて投稿。新卒採用時はJR、大手私鉄などへの就職を希望するも全て不採用。併願した電力、ガス等の他のインフラ、総合商社、製造業大手も全落ち。大手物流業界へ入社。
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