
住友金属鉱山の新卒採用の倍率は技術系が約10倍、事務系が約30倍と推定。就職難易度それぞれ「やや難」「ふつう」に該当。
採用人数はここ数年は30人前後、内訳は技術系が20人、事務系が10人前後。少人数しか募集していないこともあって、倍率は高くなりやすい。
非鉄金属メーカーの中では業界第4位で、住友電気工業、三菱マテリアル、古河電気工業に次ぐ規模。誰もが聞いたことがある企業というほどではないにしても、社名に「住友」という名称が付くことで、より多くの学生が応募しやすい。
書類選考では応募者の過半数は落とされると思われ、さらに1次面接から最終面接まででも残りの半分以上は落とされ、内定を獲得するのは相当難しい。
職種ごとの就職難易度
職種 | 難易度(満5点) | 推定倍率/レベルの目安 |
---|---|---|
技術系 | ★★ | 10倍、やや易 |
事務系 | ★★★★ | 30倍、やや難 |
住友金属鉱山の技術系、事務系の新卒採用の就職難易度はこのような形になる。いずれも大卒・院卒向けの「総合職」に該当する。
募集状況から、事務系と技術系では募集人員の面では2倍程度の差がある。事務系は特に専攻分野の制限がないことで、特に供給過剰(応募者数が募集人数を大きく超過する状態)な傾向が見られる。
技術系は採用人数に対して応募者数は事務系ほど厳しい競争にはなりにくい。業務内容と関連する専攻分野を学ぶ理学部・工学部などに限られるため、事務系と比べて倍率が下がる。
《参考:鉄鋼・非鉄金属業界の就職難易度の一覧! 偏差値をランキング化》
技術系は倍率10倍、難易度は「やや易」

住友金属鉱山の理系を対象とする技術系の就職難易度は「やや易」。倍率は約10倍程度と推定。
技術系は公式ウェブサイトでは「人物重視ではありますが、大学で学んできた専門知識および研究内容等のマッチングも考慮します。」と記載されている。ということで、人口が大きい文系は採用の対象外。
基本的に理工学系の中でも機械系、資源系、物理系、化学系などを対象とする。生物系やバイオ系、農学系は対象外。
書類選考から面接まで、工学部や理学部などの理系の学部学科に所属するという特定のグループに該当する学生の中での競争になる。文系の事務系のように不特定多数の学生間での競争にはならない。
採用人数は20人ほどということで、製造業大手としてはやや少ない人数だが、エントリーする学生層が限定されるという理由から、就職難易度は「やや易」、倍率はおよそ10倍と判断。
なお、応募者数に関しては、会社の規模や知名度、事業内容、理工系学部に在籍する学生数を考慮すると、およそ200人になるのではないかと考える。
また、住友金属鉱山では理系限定で「学校推薦」の制度が使え、教授の指名があることで内定獲得がしやすくなるのは確か。もちろん、この時点で専攻分野の条件をクリアできる。
事務系の倍率は30倍、難易度は「やや難」

一方の文系を対象とする事務系の就職難易度は「やや難」。倍率は約30倍と推定。理系の技術系とは対照的に内定獲得が難しい。
ここで言う「やや難」とは、一般的な上場企業の中で比較した場合の難しさを示すものだが、製造業大手としても比較的難易度が高いと感じる。
採用人数は毎年10人ほどで、かなり少ない。対する応募者数は200~300人程度になるのではないかと推定。正式なデータは公表されていないものの、会社規模や知名度、業界の性質を考慮すると、これくらいになると推測。
募集の対象とする専攻分野は「全学部全学科」で、応募方法は「自由応募」のみ。
実際に応募してくる学生の所属学部は法学部、経済学部、文学部、社会学部、教育学部、商学部、総合政策学部、外国語学部などだが、これらだけでも高倍率になる条件を満たす。
日本の大学生の文理比率は「文系:理系=7:3」での構造があるように、文系人口は理工系と比べても大幅に大きい。この点でも、募集人数が少ない事務系でも人が集まりやすい構造。
そして、住友金属鉱山は社名に「住友」が付くことで、非鉄金属メーカーの中でも注目を浴びやすい。結果的に、事務系のエントリー数が拡大し、より入社までのハードルが上がる。
こうした事情から、住友金属鉱山の事務系の倍率は30倍と推定。就職難易度は「やや難」との表現が妥当と判断。
他社と比較して

住友金属鉱山は、非鉄金属メーカー業界では第4位にランクインする。当然ながら、就職先としての人気度でも業界内ではトップクラスにはなる。
しかもテレビCMを放映する企業でもある。大学生の間でもある程度は知名度があるはず。
前述の通り、社名に「住友」の名が付く。これがあるだけで、就職先としては人気度が上がると言っても過言ではない。
See Also:住友金属鉱山の採用大学を公開! 学歴フィルターは明確に存在
非鉄金属メーカーでは最上位の人気度

住友金属鉱山以外の非鉄金属メーカーは下記の通り。
- 住友電気工業
- 三菱マテリアル
- 古河電気工業
- フジクラ
- UACJ
- 日本軽金属
- DOWAホールディングス
住友金属鉱山の就職難易度および倍率は上記の内、住友電気工業と三菱マテリアルに匹敵。
非鉄金属メーカーを明確に志望している学生であれば、さらに古河電工、フジクラ、日本軽金属などの上記の多くを併願するだろう。
しかし、そうではなく企業名や規模等で選択する場合であれば、住友金属鉱山にはエントリーする人たちは、他に住友電気工業と三菱マテリアルを併願するくらいにとどまるだろう。
その結果、住友金属鉱山だけが必然的に就職難易度および倍率が高い数値になる。
他の業界と比べて

住友金属鉱山と併願する他の業界を挙げると、以下が人気だと感じる。
- 総合商社
- 石油(採掘、精製)
- 化学・素材メーカー
いずれも経営状況が安定しやすい市場が形成されていて、しかも大学生の間でも主要企業の知名度が高い業界。さらに、社会的に絶対不可欠な業態のため厳しい営業ノルマとは比較的無縁。
さらに、住友金属鉱山は社名の通り金属資源の開発にも携わる会社。事業内容は総合商社や石油業界とも類似。金属の生産という点では化学・素材メーカーとも類似。これらは併願する企業にもなりやすいところ。
就職難易度は総合商社よりは低いものの、石油業界や化学・素材メーカーとはほぼ同じくらい。いずれも大手企業でも採用人数は少ないところが並ぶ業界。
まとめ
住友金属鉱山の新卒採用の難しさに関してまとめると、下記のようななる。
- 技術系
- 倍率は約10倍、就職難易度は「やや易」
- 専攻分野が理系の一部に限定されるため、応募可能な学生が限られる
- 社名に「住友」が付くため、注目度は非鉄金属メーカーの中でも高い
- 事務系
- 倍率は約30倍、就職難易度は「やや難」
- 誰でも応募できるため、大量の学生が殺到しやすい
- 社名に「住友」が付くため、非鉄金属メーカーには関心がない学生でも多数応募
どちらの職種でも本当に優秀だと判断された学生しか入社できない企業の1つなのは間違いない。
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業種 | 会社名 |
---|---|
自動車メーカー | トヨタ自動車、ホンダ、日産自動車、マツダ、スバル、スズキ、いすゞ自動車、三菱自動車 |
自動車関連サプライヤー | トヨタ車体、豊田自動織機、トヨタ紡織、豊田中央研究所、デンソー、アイシン精機、ヤマハ発動機、住友電装、ボッシュ |
電機 | 日立製作所、三菱電機、パナソニック、ソニー、キャノン、キーエンス、富士通、オリンパス、NEC、シャープ、京セラ、日本電産、村田製作所、東京エレクトロン、セイコーエプソン、富士電機、オムロン |
重機・工作機械 | 三菱重工業、ダイキン工業、小松製作所、クボタ、IHI、新日鉄住金、ファナック、安川電機、DMG森精機、SMC、川崎重工業 |
鉄鋼・非鉄金属 | 日本製鉄、JFEスチール、神戸製鋼所、日立金属、大同特殊鋼、三菱製鋼、住友電気工業、三菱マテリアル、古河電気工業、住友金属鉱山、JX金属、日本軽金属、フジクラ、UACJ、DOWA、古河機械金属、リョービ |
(業界全体) | 『自動車業界の就職ランキング! 各社の新卒の偏差値の一覧』 |
上記では自動車・電機・工作機械などの製造業およびそれに関連する企業の就職難易度(新卒採用)と倍率の目安について解説。 《新卒3年以内の離職率》《学歴フィルター》に関して、各々のページにて取り上げる。
東京都江東区在住。1993年生まれ。2016年国立大学卒業。主に鉄道、就職、教育関連の記事を当ブログにて投稿。新卒採用時はJR、大手私鉄などへの就職を希望するも全て不採用。併願した電力、ガス等の他のインフラ、総合商社、製造業大手も全落ち。大手物流業界へ入社。
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