
大正製薬の新卒採用の倍率はビジネス総合職が約50倍、研究・開発・生産技術職・品質保証職は約30倍と推定。就職難易度それぞれ「かなり難」「やや難」に該当。
採用人数はここ数年は50人前後。製薬会社の中ではやや多めの人数だが、募集人員に対する応募人員が大幅に超過するのは毎年変わらない。
大手企業ということで、やはり書類選考でほとんどの応募者が落とされるのは確実。1次面接から最終面接まで進んで内定を獲得するのは相当難しい。
職種ごとの就職難易度
職種 | 難易度(満5点) | 推定倍率/レベルの目安 |
---|---|---|
ビジネス総合職 | ★★★★★ | 50倍、かなり難 |
研究職 | ★★★★ | 30倍、やや難 |
開発職 | ★★★★ | 30倍、やや難 |
生産技術職 | ★★★★ | 30倍、やや難 |
品質保証職 | ★★★★ | 30倍、やや難 |
大正製薬のビジネス総合職、研究・開発・生産技術職・品質保証職の新卒採用の就職難易度はこのような形になる。いずれも大卒・院卒向け。
製薬会社では基本的に理系の職種よりも文系向けのMR等のビジネス総合職の方が倍率こそは高くなりやすい。理由は単純で、専攻分野の指定がなく、誰でも応募可能なためである。製薬会社のみならず、製造業は全般的にこうなりやすい。
一方の理系の研究職、開発職等は専攻分野の指定があるため、大正製薬の中では相対的に難易度は下がる。
とはいえ、全職種いずれもエントリーシートによる書類選考から最終面接まで残ることはまったく簡単ではない。研究職、開発職でも応募者過剰という点では文系と違いはなく、内定獲得はかなり難しい。
《参考:製薬業界の就職難易度の一覧! 偏差値の順位をランキング化》
研究・開発・生産技術職・品質保証職

大正製薬の理系を対象とする研究・開発・生産技術職・品質保証職の就職難易度は「やや難」。倍率は約30倍程度と推定。
薬品の研究・開発とその生産設備の設立・管理等が業務内容。応募人員は推定1,000人程度と考える。
募集対象の学部学科に関しては基本的に薬学部、農学部、理工系学部。専攻分野の指定が職種ごとに設けられている。また、多くが院卒(修士了)または6年制大学卒業(薬学部など)であることが条件。
研究職:薬学系、理学系、工学系、農学系、理工学系、食品・栄養学系、獣医学系など(大学院修了見込者または6年制学部卒業見込者)
開発職:薬学系、医療薬学系、生物統計学系、理学系、農学系、食品・栄養学系、保健学系 など(大学院修了見込者または6年制学部卒業見込者)
生産技術職:機械系、電気・電子系、薬学系、化学系、生物系、農学系、経営工学系、情報工学系 など
ビジネス総合職:全学部全学科
引用:大正製薬「募集要項」
募集の範囲が狭いほど、原則として応募者数は下がり、その分就職難易度は下がる。
書類選考から面接まで、理系の学部学科に所属するという特定のグループに該当する学生の中での競争になる。文系の事務系のように不特定多数の学生間での競争にはならない。
大正製薬は大学生にとっては比較的華やかな印象が大きい会社であるものの、入社時点で高い専門性を求められる分野であるため、応募できる学生は限られる。
ビジネス総合職の倍率は50倍、難易度は「かなり難」

一方の文系を対象とするビジネス総合職の就職難易度は「かなり難」。倍率は約50倍と推定。
他の製薬会社と同じ内容になるが、理系の研究・開発・生産技術職・品質保証職とは対照的に内定獲得が難しい。
正式なデータは公表されていないものの、会社規模や知名度、業界の性質を考慮すると、応募人数は1,000人くらいになると推測。
募集の対象とする専攻分野は「全学部全学科」。専攻分野は一切問われず、採用ターゲットとなる学部学科はない。
実際に応募してくる学生の所属学部は法学部、経済学部、文学部、教育学部、商学部、総合政策学部、外国語学部などだが、これらだけでもかなりの数になる。
こうした事情から、大正製薬のビジネス総合職の倍率は50倍と推定。就職難易度は「かなり難」との表現が妥当と判断。
全体的な傾向

大正製薬はテレビCMを放映する製薬会社ということもあって、大学生の間でもかなり知名度が高い。
「大正製薬」という社名を言うと、「ああ、何か聞いたことがある!」と答える学生がほとんどだろう。そんな事情もあって、この業界では特に就職先として人気度が高い。
特に会社自体へのこだわりがなくても、とにかく知っている企業ということで、第一志望と考えている学生も相当おおいはず。
その一方、採用人数は毎年50人前後。製薬会社としては並みではある。ただ、知名度が高い割には少ない印象でもある。製造業全般では、テレビCMを放映するほどの大手企業だと、採用人数は300人以上のところが目立つ。
これを考慮すると、大正製薬はかなり「狭き門」と判断できる。倍率と就職難易度は高くなるのは避けられない。
他社と比較して

大正製薬の就職難易度を他社と比較すると、以下のようにまとめられる。
- 製薬会社の中では高い方
- 化学業界、食品業界と類似
参考:大正製薬の採用大学を公開! 学歴フィルターはやはり存在
国内製薬会社の中で業界上位5~10位のどこかに入る(年度によって結構変動)。
製薬会社以外の一般的な業界であれば、この辺りのポジションだとやや不人気の企業となりやすいものの、製薬会社は別。
業界全体が大人気の就職先であることから、まだまだ高倍率になりやすく、内定獲得はかなり難しい。
しかも、前述のように、テレビCMを放映する企業で、知名度が高いこともあって、特に人気の高い企業ではないか。
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業種 | 会社名 |
---|---|
製薬会社 | 武田薬品工業、大塚製薬、アステラス製薬、第一三共、中外製薬、エーザイ、大日本住友製薬、田辺三菱製薬、塩野義製薬、小野薬品工業、参天製薬、大正製薬、沢井製薬、久光製薬、日本新薬、持田製薬、小林製薬、杏林製薬、東和薬品、大鵬薬品、あすか製薬、ゼリア新薬、シミック |
〃(外資) | ファイザー、アストラゼネカ、ジョンソンエンドジョンソン、ノバルティスファーマ |
化学・素材 | 三菱ケミカル、住友化学、旭化成、積水化学工業 |
上記では製薬会社、化学・素材メーカー各社の新卒採用の倍率と就職難易度について解説。
東京都江東区在住。1993年生まれ。2016年国立大学卒業。主に鉄道、就職、教育関連の記事を当ブログにて投稿。新卒採用時はJR、大手私鉄などへの就職を希望するも全て不採用。併願した電力、ガス等の他のインフラ、総合商社、製造業大手も全落ち。大手物流業界へ入社。
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