鉄道業界は人手不足に陥っていないが、それにはどんな理由があるのか。労働集約型で多くの人材を必要としているが、従業員が足りていないわけではない。採用を行うと多くの応募者が集まる。
同じ運輸業界でも、トラック・バス・タクシーなどでは深刻な人手不足の問題を抱えている。特にドライバー職を担ってくれる人が十分いない。運転士を希望する人が少ないためだ。
さらに、航空会社でもパイロットの不足が懸念されている。たった1人が体調不良などで欠勤するとフライトが運休してしまうほどだ。
そんな今の状態が問題となっている中でも、鉄道事業に携わる人は足りている傾向にある。なぜ鉄道だけ人材が集まるのか。
鉄道は人気の業界

鉄道会社といえば、地域の代表的な企業であるケースが多い。また、だれもが知っている会社でもあるところが多い。JRや大手私鉄となれば、聞いたことがない人はいないだろう。
さらに、インフラ企業ということもあり、どんな時代であれ絶対に必要な事業を行っている。不景気になっても倒産するリスクがほぼゼロに等しい。
安定した経営もあり、入社して働きたいと希望する人が後を絶たない。公務員の代替手段という性質もある。
電力やガス会社と同じとうな性質を持っている。市場の競争も薄いため、収益が低下する心配が低い。
年収についても結構高いところが多い。JRや都市部の大手私鉄となれば、まとまった給料が保証されている。安定を求めている人は、鉄道会社の就職を検討するだろう。
興味関心の対象となる鉄道
さらに、鉄道という乗り物は興味関心の対象ともなりやすい点もまた鉄道業界に人材が殺到する要因の1つとなっている。
「鉄オタ」と一般的に呼ばれるマニアが存在するように、この分野に関心を持っている人はかなり多い。

オタク市場の中でも、鉄道は最も人口が多いジャンルだといわれている。アニメやアイドルよりも規模が大きいという見方が強い。
鉄道に興味関心がある人であれば、1度は鉄道会社への就職を希望したことはあるのではないか。
中でも電車の運転士や車掌はあこがれの職業の1つである。保線や車両の保守点検などの現場系の仕事のそれらに派生していることには変わりないため、人材不足にはなりにくい。
一方、トラックやバス、タクシーに興味関心がある人はかなり少ない。オタク市場もほとんど皆無に近い。しかもブラック企業も多い業種であり、激務でキツイ仕事というイメージが強いこともあり、このような業界への就職を希望する人は少ない。
そうした人材が足りていない状態に陥っている業界とは対照的なのが鉄道会社である。
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東京都江東区在住。1993年生まれ。2016年国立大学卒業。主に鉄道、就職、教育関連の記事を当ブログにて投稿。新卒採用時はJR、大手私鉄などへの就職を希望するも全て不採用。併願した電力、ガス等の他のインフラ、総合商社、製造業大手も全落ち。大手物流業界へ入社。
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