
東武鉄道の新卒採用の倍率は、事務系総合職が約100倍、技術系総合職が約30倍、専門職が約20~30倍と推定。就職難易度はそれぞれ「最難関」「やや難」「ふつう」に該当。
採用人数は、総合職は10~20名前後。
JR3社と比較すると大幅に少ない人数だが、私鉄としては多くも少なくもない範囲。
書類選考、そして1次面接から最終面接まででほとんどは落とされ、内定を獲得するのは相当難しい。
職種ごとの就職難易度
職種 | 難易度(満5点) | 推定倍率/レベルの目安 |
---|---|---|
技術系総合職 | ★★★★★ | 50倍、かなり難 |
事務系総合職 | ★★★★★+ | 100倍、最難関 |
東武鉄道の各職種の新卒採用の就職難易度はこのような形になる。いずれも大卒・院卒と仮定。
最も激戦なのは事務系総合職。幹部候補であり、しかも専攻分野の制限がないことで、特に供給過剰(応募者数が募集人数を大きく超過する状態)な傾向が見られる。
《参考:鉄道会社の就職難易度の一覧! 偏差値の順位をランキング化》
総合職
総合職という括りでも、実際には理系限定の技術系と、文系を中心とする事務系で区分される。
就職難易度は「事務系>技術系」という構造。
技術系

東武鉄道の理系を対象とする技術系総合職の就職難易度は「かなり難」。倍率は約50倍程度と推定。
基本的に理工学系の学部学科を対象とする。また、理工系でも生物系やバイオ系、農学系は対象外。
書類選考から面接まで、工学部や理学部などの理系の学部学科に所属するという特定のグループに該当する学生の中での競争になる。
鉄道に興味関心のある理系学生はかなり多いものの、それでもエントリーする学生層が限定されるという理由から、事務系よりは若干入社しやすい模様。
それでもかなりの応募者数になると思われ、就職難易度は「かなり難」、倍率は約50倍と予想。
事務系

一方の文系を対象とする事務系の就職難易度は「最難関」。倍率は約100倍と推定。理系の技術系とは対照的に内定獲得が難しい。
募集の対象とする専攻分野は「全学部全学科」。しかも応募方法は「自由応募」のみ。このような条件により、文系を中心に不特定多数の学生がエントリーしてくる。
実際に応募してくる学生の所属学部は法学部、経済学部、文学部、社会学部、教育学部、商学部、総合政策学部、外国語学部などだが、これらだけでも相当な数になる。
鉄道に興味関心のある学生だけでなく、インフラ業界などの安定した企業を目指す学生も殺到することもあって、数ある企業の中でも特に応募者数が多い。
こうした事情から、東武鉄道の事務系の倍率は100倍と推定。就職難易度は「最難関」との表現が妥当と判断。
参考:東武鉄道の採用大学を公開! 学歴フィルターは有り(総合職)
鉄道専門職(プロフェッショナル採用)
プロフェッショナル採用という鉄道専門職は現業部門にあたるコース。
東武鉄道では本体で直接採用しているわけではなく、子会社での採用となっている。
- 東武エンジニアリング(線路、設備技術)
- 東武インターテック(車両技術)
- 東武ステーションサービス(駅係員)
就職難易度は「旅客>技術」という構造。
東武ステーションサービス

東武ステーションサービスの就職難易度は「やや難」。倍率は約30倍程度と推定。
事務系総合職と同じく、専攻分野の指定はない。全学部全学科を対象とする。
実際に応募してくる学生の所属学部は法学部、経済学部、文学部、社会学部、教育学部、商学部、総合政策学部、外国語学部など。
鉄道に興味関心のある学生はかなり多く、鉄道現業職を目指す文系学生はここに応募。入社直後は駅員としての勤務だが、将来的には車掌・運転士として東武鉄道に異動になる。
東武エンジニアリング、東武インターテック

東武エンジニアリング、東武インターテックの就職難易度は「ふつう」。倍率は約20倍と推定。同じ専門職でも、駅員・車掌・運転士とは対照的に内定獲得が難しい。
募集の対象とする専攻分野は理系全般。
電気系、土木系、建築系、機械系の鉄道技術部門に携わるコースだが、鉄道に興味関心のある学生はまだまだ多く、理系の多くは技術サービスに応募。
それでも、対象となる学部学科が限られていることもあって、東武ステーションサービスほどの倍率にはならない。
まとめ
東武鉄道の大卒の新卒採用の難易度について、倍率や選考過程はどんな状態になっているのか。
東武鉄道本体での新卒採用は総合職となっている。現業職についてはグループ会社の方で行っている。東武インターテック・東武エンジニアリング・東武ステーションサービスのいずれかでの雇用となる。
総合職では、鉄道事業をはじめ観光・ホテル・不動産・小売といった会社全体の事業に携わる仕事を行う。電車を動かす仕事だけではなく、沿線開発を行う分野にも触れるのが特徴だ。
倍率はかなり高い!
東武鉄道は関東の私鉄各社の中でも特に応募者が多い。そのため、鉄道会社としては倍率がかなり大きな数値になる。東京スカイツリーを運営する企業であることから、知名度もかなり高いのが要因にあげられる。
ESを提出すると書類選考に入るわけであるが、ここでは大学名で落とされるという例も少なくないようだ。学閥が強いといわれている。東大などの旧帝大、その他難関国立大、あるいは早慶上智などの難関私立大の学生を重点に置かれている。
書類選考に通過するとグループディスカッション、面接と進んでいく。この段階では10倍程度であると考えてよい。ESが通過したからといって、内定までは近いというわけではない。その先で不採用になる確率の方が内定よりも高い。
面接の内容は?
面接は全部で3回程度行われる。聞かれる質問としては、志望動機や自己PR、学生時代に頑張ったこと、入社後の目標などの基本的なことに加えて、東武鉄道のイメージなどを聞かれる。
内容によっては少し突っ込まれる場合もある。少なくとも、エントリーシートに書いた内容については、面接の際に質問されたときにはしっかりとすらすらこたえられるようにしておかなければならないだろう。
一次面接では学生2人:人事担当者2人で行われる。二次面接でも同じく学生2人:人事の上層部2人程度で行われる。いずれも穏やかな雰囲気で行われるが、一気に絞り込まわれるため、しっかりとアピールしないと即不採用となってしまう。
実際に内定を獲得するのは優秀な学生のわずかな人数であるのは言うまでもない。人気企業すべてに当てはまる共通点ではあるが、採用されるのはかなりの難易度が高い。