
東芝の大卒及び院卒の新卒採用の倍率は全体では10~30倍程度と推定。職種別では事務系が約30倍、技術系が約10倍くらいと推定。
就職難易度に関しては、事務系が「やや難」、技術系が「やや易」に該当。
採用人数はここ数年は300~500人前後で推移している。このうち、事務系が50~100名、技術系が150~300名ほど。
職種ごとの就職難易度
職種 | 難易度(満5点) | 推定倍率/レベルの目安 |
---|---|---|
事務系 | ★★★★ | 30倍、やや難 |
技術系 | ★★ | 10倍、やや易 |
東芝の事務系・技術系新卒採用の就職難易度はこのような形になる。
上記は以下の東芝グループが含まれる。
- (株)東芝
- 東芝エネルギーシステムズ(株)
- 東芝インフラシステムズ(株)
- 東芝デバイス&ストレージ(株)
- 東芝デジタルソリューションズ(株)
就職難易度は、技術系より事務系の方が競争が激しい。倍率もそれに伴って高い数値となっている。
募集人数の面で、技術系は事務系の2,3倍に達する一方、専門性(大学で学んでいる専攻分野)の有無で条件が異なることが影響。
故に、文理別では圧倒的に事務系で倍率および難易度が高い。
《参照:電機メーカー業界の就職難易度の一覧! 偏差値の順位をランキング化》
技術系の倍率は10倍、難易度は「やや易」

技術系の就職難易度は全社採用で「やや易」レベル。倍率は約10倍と推定。院卒、大卒いずれもほぼ同水準。
全体で毎年150~300人ほどの募集をかけているが、入社する社員の3分の2ほどは技術職に該当。
その年の内定者の数や世の中の景気によって変わってくるものの、平均するとこれくらいになると考える。
仕事内容は以下の通り。
- 研究開発
- 開発設計
- システムエンジニア
- セ-ルスエンジニア
- プラントエンジニア
- フィールドエンジニア
- 生産技術
- 品質管理
- 知的財産
応募できるのは基本的には理系の学生がメイン。その中でも工学系の学部学科に所属している学生が多く採用される。募集要項でも「電気、電子、通信、情報、機械、精密、制御、経工、物理、数学」と指定が入っている。
理工学系統の理系の学生の中での内定の争いとなり、加えて採用人数もかなり多いことから、倍率は大手企業でも低い水準。
大手企業ということで応募者数が多いことは確かだが、圧倒的に買い手市場というほどでもない。
こうした点から、就職難易度は「やや易」という表現が妥当ではないか。
>>理系なら就職は楽? 文系よりも有利になる理由が3つある!
事務系は倍率が30倍、難易度が「やや難」

事務系の就職難易度は「やや難」。倍率は約30倍と推定。
事務職の仕事内容は以下の通り。
- 営業(海外・国内)
- 生産企画・管理
- 総務・人事
- 財務・経理
- 調達
- 法務
- 知的財産
採用人数は技術職と比較して大幅に少ない。毎年50~150人ほど。製造業の事務系職種としては多いものの、技術系と比較すると3分の1にとどまる。
一方で、東芝の事務職に応募できる条件上で学部学科の限定はない。
全学部全学科向けの募集のため、不特定多数の学生が全国からエントリーしてくる。募集要項でも「法律、経済、商学、経営、社会、文学、その他」と記載されている。
理系限定のような制限がないことで、応募者が殺到して倍率が高くなっている。
日本国内の大学生の文系・理系の比率を見ても、7割近くは文系に属する。母数(就活中の学生)そのものが多いこともあって、内定の獲得には運の要素も必要になるだろう。
こうした事情から、東芝の事務系の倍率は30倍には達するだろう。就職難易度は「やや難」である。
他社と比較して
東芝の就職難易度を他社と比較すると、以下のようにまとめられる。
- 総合電機メーカーではふつう
- 就職先としての人気は回復傾向
東芝は総合電機メーカー、あるいは工作機械メーカーの中でも社名はかなり有名。知らない人はおそらくいないはず。その分応募者数も殺到しやすい。
テレビCMも放映されていることから、総合電機メーカーをはじめとする製造業への就職を希望する学生は最初にエントリーするところと言っても過言ではない。
総合電機メーカーで並み

とはいえ、総合電機メーカーの中では最上位というほどではない。
東芝よりも就職先ランキングで上位に来るところと言えば、以下の企業が代表的。
- 日立製作所
- ソニー
- 三菱電機
- パナソニック
そもそも、東芝は以前に経営不振に陥り、一時期は経営破綻までも懸念されたほど。シャープなどと同じく、今でも就職先としては避けたいという学生が少なくない。
その一方、テレビCMを放映していない電機メーカーと比べるとやや就職難易度は上がる。
知名度の面から、そもそも会社名が分からなければ応募しないのは当たり前。
経営状況に懸念を持つ学生がいるのは確かとはいえ、中途採用などに比べるとそもそも業界の知識に乏しい新卒の学生にとってはエントリー先を決めるにあたっての重要事項にはなりにくいかもしれない。
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業種 | 会社名 |
---|---|
自動車メーカー | トヨタ自動車、ホンダ、日産自動車、マツダ、スバル、スズキ、いすゞ自動車、三菱自動車 |
自動車関連サプライヤー | トヨタ車体、豊田自動織機、トヨタ紡織、豊田中央研究所、デンソー、アイシン精機、ヤマハ発動機、住友電装、ボッシュ |
電機 | 日立製作所、三菱電機、パナソニック、ソニー、キャノン、キーエンス、富士通、オリンパス、NEC、シャープ、京セラ、日本電産、村田製作所、東京エレクトロン、セイコーエプソン、富士電機、オムロン |
重機・工作機械 | 三菱重工業、ダイキン工業、小松製作所、クボタ、IHI、新日鉄住金、ファナック、安川電機、DMG森精機、SMC、川崎重工業 |
鉄鋼・非鉄金属 | 日本製鉄、JFEスチール、神戸製鋼所、日立金属、大同特殊鋼、三菱製鋼、住友電気工業、三菱マテリアル、古河電気工業、住友金属鉱山、JX金属、日本軽金属、フジクラ、UACJ、DOWA、古河機械金属、リョービ |
(業界全体) | 『自動車業界の就職ランキング! 各社の新卒の偏差値の一覧』 |
上記では自動車・電機・工作機械などの製造業およびそれに関連する企業の就職難易度(新卒採用)と倍率の目安について解説。 《新卒3年以内の離職率》《学歴フィルター》に関して、各々のページにて取り上げる。
東京都江東区在住。1993年生まれ。2016年国立大学卒業。主に鉄道、就職、教育関連の記事を当ブログにて投稿。新卒採用時はJR、大手私鉄などへの就職を希望するも全て不採用。併願した電力、ガス等の他のインフラ、総合商社、製造業大手も全落ち。大手物流業界へ入社。
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