なぜ運送会社はブラック企業なのか!? 劣悪な実態である理由

ブラック企業が多い運送会社

トラック業界を中心とする運送会社の多くはいわゆる「ブラック企業」と呼ばれる分類に入るほど労働条件が劣悪な環境となっている。長時間労働、休日の少なさ、残業代未払いなどが問題となっているところが大きな割合を占める。

待遇がかなり悪くて非常に働きにくい職場といってよいレベルだろう。他の業界や職種と比べても、特にトラックドライバーは過酷な勤務実態となっている。

なぜ運送会社にはこれほどブラック企業が多いのか。その理由について調査してみた。




理由はこの3つ

ブラック化する理由 詳細
他社との競争が非常に激しい 競合相手が多すぎ、過剰な値下げ競争
慢性的な人手不足 トラックドライバーの人手が大幅に不足
事業の代替手段がない 外部委託するという手段がない

長時間労働、休日の少なさ、低い給料水準、残業代の未払いなどの労働問題を抱えている会社のことを「ブラック企業」といい、これに該当する会社が運送業者では特に多い。

運送会社において、社員にとって働きにくい環境となる根源となっている理由はこれら3つになる。

どこの会社にも当てはまる共通点でもあり、改善が期待できるかというと、まったくそうとは言えない状態である。

参照:ブラック企業が多い業界vs少ない業界! 業種で大きく違いあり

他社との競争が非常に激しいから

競争が激しい運送業界

まず、トラックを中心とする運送業界は競争が非常に激しい業界である。近年は大手企業では配送料の値上げが相次いでいるものの、それでも業界全体では競合多数の状態となっている。

値上げできているのも超有名な大手企業に限られている。無名な中小の運送会社ではまったく値上げができていなく、収益力が小さいままとなっている。

しかも、業界全般としてトラックという自動車とそれを運転するドライバーさえあれば成り立つビジネスモデルということで、参入障壁が非常に低い。

競争過多となっていることで、最終的には値段の安さで勝負するしかない。これにより、従業員に支払う給料も抑えるしかなく、しかも長時間働いてもらわないといけない。




他社との差別化もできないのが運送会社

他社との競争自体は他の業界にも存在するのは確か。

例えば、モノづくりの製造業でも、同じような製品を製造するメーカーは複数あることが多い。電力やガスなどのインフラ業界でさえ、今では小売りの自由化が実現したことで競争社会となっている。

しかし、運送会社の場合は会社によって事業内容が全く同じといってよく、会社による違いがない。基本的にトラックで荷主から依頼されたモノを運ぶだけである。

納品までの所要時間は、道路状況に左右されるだけでどこの会社も同じである。差別化できないことが、余計に激しい競合を生み出している構図となっている。

少ないトラックドライバーによる人手不足

トラックドライバーの人手不足

運送会社の参入障壁が低い反面、それを支える社員が集まらない。社員とは、つまりドライバーのことである。

トラックの運転手がいないために、事業が成り立つか成り立たないかの瀬戸際になっている。

もし引き受ける輸送量を減らさずに事業を継続するとなると、1人の社員に長時間働いてもらうしかない。

残業時間が月に100時間近くにもなる悪質な業者もあるようだが、こうした背景から出たものであると考えられる。

【階級別】残業時間の目安とは!? あなたはどのレベルになる?

代わりにトラックを運転してくれる人が足りない状態に陥っているために、長時間労働が発生しているのは確かだろう。

これに、熾烈な競争が加わることで、残業しても収益力に乏しくてその時間外手当が出せない会社が出る。残業代の未払いの会社も多い理由はここにある。

代替手段が他にない

アウトソーシングできない運送会社

トラックでモノを運ぶ運送会社は、何が何でも自社のトラックドライバーがそれを運ばない限りはビジネスが成り立たない。

人手不足だからといって、業務を外部委託して代替手段を確保するというやり方も存在しない。他業界であれば、自社ではできない作業は外部委託するという方法がある。

コストは自社で行うよりもやや高くなることが多いものの、それでも自社内が人手不足ならやむを得ない。

ところが、トラック業界ではトラックを運転してモノを運ぶのが唯一の事業内容であるため、外部委託にするのは難しい。

そもそも運送会社全体で人手不足が深刻な問題となっているため、外部委託先すら見つからないといえる。

アウトソーシングできないものまた、運送会社の自社内の社員の待遇を改善できない理由となっているというわけだ。

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