業界ごとの売り手市場/買い手市場! それぞれ一覧化

業界ごとの就職動向について、売り手市場・買い手市場のどちらになっているのか。各業種ごとの有効求人倍率を参考に、それぞれの事情をまとめる。

世間一般では人手不足がかなり深刻で就活中の学生が優勢な「売り手市場」といわれている。しかし、実際にはそうではないところもたくさんある。

本当に人材が不足気味になっているのは一部の業界。人気のあるところでは相変わらず競争が激しい。


早見表:業界ごとの求人倍率

業界 求人倍率 人手不足の度合い
建設業 6.21倍 ★★★★★
製造業 1.97倍 ★★★
流通業 11.04倍 ★★★★★
金融業 0.28倍
サービス・情報業 0.43倍
全体 1.83倍

リクルートワークス研究所による調査では、大卒を対象とした採用状況での求人倍率は上のようになっている。

業界ごとの違いがかなり大きいことがわかる。

流通業には小売業、卸売業、運輸業、倉庫業などが該当する。これと建設業界の人手不足が特に深刻なのがわかる。

メーカーと言われる製造業でもやや求人倍率は高い数値になっているが、ほぼ平均的な数値には収まる。

ここまでは「売り手市場」に該当する業界である。

一方の金融業とサービス・情報業では1倍をはるかに下回っている。人手不足どころか内定をめぐって激しい競争が起きていることを示している。

これらは言うまでもなく「買い手市場」に該当する。

参照:業界ごとの就職難易度! 各業種を5段階にランク分け

売り手市場の業界

~売り手市場のまとめ~

建設業:3K(きつい・汚い・危険)のため不人気

流通業:給料水準・年間休日・労働時間で条件が悪い傾向のため不人気。

製造業の一部:労働条件が様々、学生に馴染みがない領域のため不人気。

建設業

建設業は特に若い世代の人材不足が深刻で「売り手市場」の代名詞とも言われる存在。

理由としては、建設業という業界そのものの印象はかなり悪い点が挙げられる。「3K」、つまり「きつい・汚い・危険」というイメージが根強い。

現場での仕事が多いこともあって、夏は暑い中働き、冬は寒い中仕事をする職業にもなりやすい。

エアコンのきいたオフィスで働くのはあくまでも総合職の一部に過ぎないため、就活中の学生にとっては避けたいものである。

こうしたことから、求人倍率は6倍を超えていて、学生1人に対して募集している企業が6社以上存在することを示している。

このような売り手市場の背景があるため、建設業なら比較的簡単に就職できるのは確かであろう。

流通業

流通業とは小売業、卸売業、運輸業、倉庫業などの業界が該当する総称。同じく人手不足がかなり深刻で「売り手市場」である。

理由としては、給料が安い・長時間労働が横行している・休みの日数が少ないといった事情が挙げられる。

さらに、労働環境そのものも悪く、「働きやすい場所」ではない。

小売り業は個人客への接客サービスとなり、苦情などへの対応で精神的に疲弊しやすい。

卸売業も基本的には営業が中心の仕事内容になり、営業という仕事内容そのものを避ける学生が多いこともあって人手不足が深刻。

運輸業は配送や倉庫という現場での仕事になりやすく、夏は暑い中働き、冬は寒い中仕事をする職業に該当。肉体労働で建設業に近い存在にもなる。同じく多くの学生が避けたい職業に当たる業界になる。

これらの背景から、求人倍率は10倍を超えていて、学生1人に対して募集している企業が10社以上存在ような状態となっている。

100%確実に「売り手市場」で、内定獲得は比較的容易と判断できる。

製造業

製造業(メーカー)は、実際にはもっと詳しい各業種によって就職事情が異なる。

売り手市場の製造業もあれば、買い手市場の製造業も結構多い。

不人気の製造業

~売り手市場の製造業~

  • 住宅・インテリア
  • 機械・プラント
  • 電子・電気機器
  • 自動車・輸送用機器
  • 印刷・事務機器関連

製造業の中でも「売り手市場」に該当する業界が上の5つである。

いずれも採用人数が多いのが特徴。「労働集約型産業」にも該当する事例が多い。

給料水準、年間休日にも各社によって様々。その上、取り扱っている製品も学生には馴染みが薄く、仕事のイメージも付きにくい。

テレビCMを放映しているような製造業であれば比較的人気があるものの、そうではない企業になると一気に不人気企業に転落する。

人手不足が深刻になりやすいため、学生にとっては有利に選考を進める可能性が高い。

人気が高い製造業

~売り手市場の製造業~

  • 食品
  • 鉄鋼・金属・鉱業
  • 繊維、化学、薬品、化粧品
  • 精密・医療機器
  • スポーツ・玩具

逆に製造業の中でも「買い手市場」に該当する業界が上の5つである。

いずれも採用人数が少ないのが特徴で「知識集約型産業」にも該当する。

テレビCMを放映している企業のみならず、そうではない企業でも採用倍率が高くなりやすい。

鉄の塊という印象が強い製造業だが、こちらの買い手市場側の製造業は仕事内容そのものは華やかなイメージが強い。これも学生から人気となっている理由に当たる。

人手不足感は薄く、学生にとっては激しい競争になる。

買い手市場の業界

買い手市場の業界

~買い手市場のまとめ~

金融業:給料水準が高い、休みが豊富な点で人気

サービス・情報業:華やかなイメージ、安定した経営状態のため人気。

金融業

金融業には銀行、保険、証券が該当する。

文系学生では多くの人たちが最初に目指す業界とも言われている。

企業の規模が小さくても給料水準が高く、土日祝休みの「完全週休二日制」が実現できていることで年間休日も多い。

残業時間や営業ノルマはともなく、募集要項上での制度的な部分はよく整備されている。

イメージとしてもスーツ姿でオフィスで働くという職業になるため、肉体労働のような「3K」の要素がない。

学歴が高いはずの大学生にとっては目指したい仕事内容という面もあり、完全に買い手市場である。

サービス・情報業

サービス業や情報通信業がここに該当する。こちらも全体的に「買い手市場」で、採用人数よりも応募する学士の人数の方が多い状態に陥っている。

サービス業でも特に人気なのが、電力・ガス・エネルギーなどのインフラ企業、鉄道会社、航空会社、旅行会社が該当する。

情報通信業とは電話会社、インターネット、ソフトウェア会社が挙げられる。

いずれも経営状態が安定しているところが多く、仕事内容自体も非常に華やかな印象が強い。

その上、給料水準も高く、完全週休二日制で休みが多いというメリットがある。

インフラ企業では黙っていも客がいるというビジネス体系から、営業ノルマがなくて「仕事が楽」というイメージもある。

働きやすさや仕事のイメージが理由で、サービス・情報業の企業に応募する学生が毎年殺到し、完全なる「買い手市場」なのは疑いの余地がない。

ただし、サービス業でも小売業、宿泊業、飲食業などの業界は完全に「売り手市場」である。こちらは非常に不人気で、人手不足が深刻である。



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