
早稲田大学の学部間の序列ランキングは明確に存在する。優劣関係を表したヒエラルキーともいえるものだが、今回はすべての学部を順位化してみた。
同じ大学であるとはいえ、実際には入試の難易度を示す偏差値、世間一般のイメージ、キャンパスの場所はそれぞれの学部学科で大きな違いがみられる。
結論を言うと、歴史が長くて数多くの有名人を輩出しているところは早稲田大学の中でも序列がトップ級に入る一方、歴史が短くて郊外にキャンパスがある新興学部は底辺に入る。
目次
早稲田大学の学部間の序列
順位 | 学部 | キャンパス所在地 |
---|---|---|
1位 | 政治経済学部 | 早稲田 |
2位 | 先進理工学部 | 西早稲田(理工キャン) |
3位 | 法学部 | 早稲田 |
4位 | 基幹理工学部 | 西早稲田(理工キャン) |
5位 | 創造理工学部 | 西早稲田(理工キャン) |
6位 | 商学部 | 早稲田 |
7位 | 国際教養学部 | 早稲田 |
8位 | 社会科学部 | 早稲田 |
9位 | 文学部 | 戸山(文キャン) |
10位 | 文化構想学部 | 戸山(文キャン) |
11位 | 教育学部 | 早稲田 |
12位 | 人間科学部 | 所沢 |
13位 | スポーツ科学部 | 所沢 |
早稲田大学の学部ごとの序列関係は上記のようになる。もはや「カースト」制度のような感じであるが、偏差値や歴史、キャンパス所在地によってはっきりとした差が見られる。
カースト制度~各学部を階級にすると

階級 | 学部 | 国公立大学に換算 |
---|---|---|
神 | 政治経済学部 | 一橋大、阪大 |
貴族 | 法学部 先進理工学部、基幹理工学部、創造理工学部 |
名大、神戸大 |
平民 | 商学部、国際教養学部、社会科学部、教育学部 文学部、文化構想学部 |
東北大、北大、九大 |
奴隷 | 人間科学部、スポーツ科学部 | 静岡大、埼玉大、千葉大、横浜国立大、首都大 |
学部ごとの立ち位置

同じ早稲田大学でも学部によって事情が異なる理由が以下が挙げられる。
- 偏差値(入試の難易度)
- 学問の内容
- 就職のしやすさ
- 歴史と伝統
- キャンパスの所在地
これらの要素が違うことで、学内での優劣の差が生じている。
政治経済学部
「早稲田の政経」と呼ばれるほど看板学部であるのが政治経済学部である。
序列化されたヒエラルキーの中でも順位がトップ。入試の偏差値も数ある学部学科の中でも特に高い。文系では少なくともトップクラスであり、ライバルの慶応義塾大学とも比べても劣らない。
国公立大を入れても、早稲田の政治経済学部なら旧帝大クラスにランクインする。東大・京大には劣ってしまうとはいえ、その次に来るくらいの難易度であり、その分社会的なステータスも高い。
なお、最近では文系の法学部、あるいは理系の先進理工学部が入試の偏差値では僅差に迫っているものの、依然として政経の立ち位置は変わりない状態になっている。
理工学部
早稲田大学の理工系の学部には先進理工学部、基幹理工学部、創造理工学部の3つがある。
いずれも異なる学部という形式になっているものの、入試の偏差値、世間一般でのイメージ、学内での第一印象は違いは特にない。
今回はより明確に序列するという意味で、先進理工学部が2位、基幹理工学部が4位、創造理工学部が5位とした。これは完全に偏差値の違いが基準である。
入試の難易度以外の面では、理工学部の学部間のヒエラルキーは存在しないと考えてよい。
なお、キャンパス所在地は西早稲田ということで「本キャンパス」である早稲田キャンパスから近い。
キャンパスの所在地が離れていることでマイナスの印象につながることはない。
法学部
文系では政治経済学部の次に来るのが法学部である。序列内では同じくトップに近い存在。
かつては圧倒的に政経の方が上という印象が強かったものの、最近では法学部との差がかなり小さくなったとも言われている。
学内では、法学部は特に単位を取得するのが難しい学部と知られている。しっかり勉強しないと卒業できないこともあって、勤勉・真面目という印象も大きい。
理工学部勢との序列関係に関しては、ほぼ同じ程度と考えてよい。
偏差値には違いがあり、学問の分野もそもそも文系と理系でまったく異なっているため単純には比較できないが、イメージを優先して考えると先進理工学部と基幹理工学部の間が妥当と判断した。
商学部
商学部は早稲田大学の学部間のヒエラルキーでは中間クラスに該当する。
文系トップ勢の政治経済学部、法学部に比べると1ランク低いポジションになる。
国公立大学に換算すると、旧帝大下位クラスに該当する。北海道大、九州大辺りと同水準。
就職のしやすさでは同じ早稲田大学ということで、政経などと同水準になるものの、社会的なステータスや気持ち的な分野では劣るかもしれない。
さらに、商学部は国際教養学部、社会科学部、文学部、文化構想学部、教育学部とほとんど差がないのも確か。就職のしやすさで若干リードしているにとどまる。
国際教養学部
国際教養学部は特に英語ができるという印象が強い学部。入試の難易度(偏差値)も商学部と同じくらいになる。
序列では商学部よりも低いが、これは国際教養学部そのものが2004年に設立されたということで新興学部であるためだ。
歴史がまだ浅く、大物政治家や企業家が少ないことで社会的なステータスがまだ低い。
ただし、語学力という実用性の高い能力が備わることもあって、就職のしやすさは商学部と同じ水準に立てる。
レベルを国公立大学に換算すると同じく旧帝大下位クラスに該当する。
社会科学部
社会科学部も偏差値は商学部・国際教養学部とほとんど同じだが、2008年までは夜間学部だったこともあり、性質的には新興学部に等しい。
したがって、世間一般でのイメージは若干下がるのが否定できない。現行のシステムに変化したからの歴史が浅いため、一種の信用度を考慮すると早稲田大学の序列内ではここが適当だと判断。
学部の名前も抽象的という印象が強い。そのため、他の学部生は社会科学部の人たちがそもそも何を勉強しているのかもよくわからないのが現状。
なお、入試の偏差値に関してはむしろ商学部よりも上に位置する。したがって、ヒエラルキーの違いは完全にこれまでの歴史とイメージによるものが大きい。
文学部
文学部は偏差値では社会科学部とほとんど同じ水準になっているが、学問の分野の性質から世間一般でのイメージはそう高くはない。
就職のしやすさでも社会学系統の学部学科に比べると劣る。政治家や企業家でも文学部出身者はかなり少ない。
入試の偏差値や過去の歴史よりも、文学部という学部そのもののイメージにより他よりも序列で下位に入る理由だろう。
さらに、同じ早稲田大学でも文学部は「文キャン」と呼ばれる戸山キャンパスに位置するため、本キャンではないこともヒエラルキーに影響している。
もっとも、独立したキャンパスのため文学部に所属していることで何か意識することはほとんどない。
社会人となれば、早稲田の文学部ということで他の学部出身者との違いを感じることもない。
文化構想学部
文化構想学部も同じくキャンパスは文学部と同じ戸山キャンパスである。
文学部と文化構想学部の違いは2007年までは「第一文学部」と「第二文学部」と分けられていただけのため、今でも両者はほぼ同じと考えられている。
大学入試の難易度もいずれも同じ水準にある。どちらか一方がハイレベルというわけではない。
ただし、世間一般でのイメージは広く一般的な文学部の方に軍配が上がる。文化構想学部というと、そもそも何を学んでいるのか想像がつかない。
学部そのものの知名度が低いことが、早稲田大学の学部間の序列にも影響している。
“教育学部
教育学部も「本キャン」である早稲田キャンパスにある学部であるが、他の文系と比較すると序列は下位になる。
偏差値が低いこと、教育学部そのものの人気がないこと、就職事情は相対的に良くないことが背景にある。
文系学部の中では、商学部・社会科学部・国際教養学部・文学部・文化構想学部・教育学部はいずれもほぼ同じレベルと考えている人も結構多い。
しかし、中でも入試の偏差値を重視するのであれば、早稲田大学の中ではランキングの下部になる。
それでも所沢キャンパス(人間科学部・スポーツ科学部)に比べては遥かに偏差値が高く、ヒエラルキーという立ち位置も上。
人間科学部
人間科学部は開設されたのは1987年。所沢キャンパスが設置されたときである。
早稲田大学の中では新興学部であるのと同時に、キャンパスの所在地が都心から遠く離れた埼玉県所沢市ということで、ヒエラルキーの中では最下位クラスになる。
入試の難易度を示す偏差値で他の学部よりも劣る。MARCH上位クラスとほぼ同じ水準である。国公立大学に換算すると、千葉大学や横浜国立大学と同水準である。
序列が低いことに最も影響を及ぼしているのはキャンパスの所在地。
所沢で早稲田・西早稲田・戸山とは大幅に地理的に離れていて、完全に隔離されている状態が人気度が低い理由と断定。
名目上は早稲田大学であるものの、実質的には全く別の大学という声が少なくない。
スポーツ科学部
人間科学部と同じく所沢キャンパスに属するのがスポーツ科学部。
開設されたのは2003年で最近の出来事である。新興学部ということで、ヒエラルキーの中では最下位に位置する。
偏差値もさらに低くて、私立大学ではMARCH標準レベルである。国公立大学に換算すると、首都大学東京、埼玉大学、静岡大学と同水準になる。
レベルが高くない理由は場所や歴史だけではない。学部の性質は座学的ではなく、文系・理系どちらのも属さない面もある。
これに加えて所沢キャンパスという場所の要素が加わって、学内では「所沢体育大学」と揶揄されることが多い。
どの学部にも偏差値・知名度・社会的ステータスのすべてで劣るのが避けられない。こうした点から、早稲田大学の中の学部ごとの序列では最下位に位置する。
他の大学/学部の序列の事情
分類 | 対象の大学 |
---|---|
大学群 | 旧帝大、MARCH、関関同立、日東駒専、産近甲龍、大東亜帝国 |
学部 | 学部カースト |
2者対決 | MARCHと地方国立、関関同立と地方国立 |
大学別学部間 | 早稲田大学、慶応義塾大学、東京大学、京都大学、同志社大学、東京外国語大学、阪大外国語学部 |
地域別 | 東北地方、関東(首都圏)、東海地方、北陸地方、関西(近畿地方)、中国地方、四国地方、九州地方 |
定義 | Fランク大学の定義、底辺国公立34校 |
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東京都江東区在住。1993年生まれ。2016年国立大学卒業。主に鉄道、就職、教育関連の記事を当ブログにて投稿。新卒採用時はJR、大手私鉄などへの就職を希望するも全て不採用。併願した電力、ガス等の他のインフラ、総合商社、製造業大手も全落ち。大手物流業界へ入社。
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