【都営地下鉄】なぜ運賃は高い!? メトロより「ぼったくり」なのか?

都営地下鉄の運賃が高いと感じたことはないだろうか。東京メトロよりも割高になっているのは事実だが、その理由にはどんな事情があるのだろうか。

もし都営かメトロか路線が選べるような状態であれば、9割以上の人が「メトロ」と答えるだろう。初乗り運賃はメトロが170円なのに対して都営は180円、10キロ区間ではそれぞれ200、270円。

長距離の移動となればますますその差は大きくなる。東京メトロの電車の方がかなり割安となる。こうなれば、都営地下鉄の利用を選択する人はいないだろう。

都営新宿線

ではどうして都営地下鉄の運賃は高い傾向にあるのか。その理由とは以下の3つが挙げられる。


3つの理由とは? だから都営地下鉄は高い!

  • 地下深いところに建設
  • 歴史がまだ浅い
  • 公営だから

まず、都営地下鉄は全体的に地下深いところに建設されている路線が多い。東京メトロの各線が出来上がってから開業した部分が多く占めるため、地上に近い浅いところに建設できなかったという経緯がある。

地下深いところに建設すれば、その分コストが高くつく。建設費用を支払うのは電車を利用する乗客となるため、結果的に運賃にその割高な建設コストが反映した形となっている。

特に大江戸線はかなり深いところに建設されている。実際に乗ってみるとわかるが、駅のホームへ行くにはいくつものエスカレーターを降りていく。従来の地下鉄と比べてトンネルも小さく作られているが、それでも建設費が膨大にかかっている。

また、都営地下鉄の最初の路線である浅草線が開業したのは1960年であるが、メトロの全身である営団地下鉄はすでにいくつかの路線を持っていた。中でも銀座線の歴史は戦前の1923年にまでさかのぼる。丸ノ内線も1954年に開業し、浅草線よりも長い歴史を持つ。

浅草線

メトロと比べてまだ歴史が浅く、累積黒字の金額が少ないこともあり、運賃が安くならない理由の1つとなっている。

そして、公営であるという点もまた運賃が割高になっている要因となっているといえる。東京都が運営しているということで、民間企業が運行しているわけではない。そのため、経営の合理化は乏しいといえる。

役所的な性質であるといったら言い過ぎかもしれないが、どうしても利益主義に基づいた経営の効率化が実行されにくい体質ではある。その結果として、運賃の値下げにも消極的にならざるを得なくなっている。「ぼったくり」に近いのかもしれない。

これは東京都のみならず、他の政令指定都市にも同じことがいえる。「運賃が高い」というのは公営地下鉄に共通する特徴といっても過言ではない。

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