山手線=女性専用車両なし
JR山手線にはどの列車でも女性専用車両はまったく設けられていない。すべて男女混合の車両で運転されていて、11両編成のうちのすべてに男性でも乗車できる。
中央線快速や京浜東北線では朝ラッシュの時間帯では女性専用車両が都心部へ向かう方向に限って設定されている。
埼京線は朝の上りに加えて、深夜時間帯の下り列車でも設けられている。性犯罪が首都圏の中でもワーストクラスに入る。夜の置換も多いことから、ここだけ深夜も女性専用車両がある。
一方で、都心部をぐるっと1周する山手線には女性専用車両がまったくない。外回り・内回りも同じである。
短距離路線だから無い
山手線と他の路線との違いといえば、乗客1人1人が乗り続ける距離の長さではないか。
郊外から東京中心部へ向かう各路線から山手線に乗り換えて目的地まで向かうという人が多い。乗り換えのターミナル駅からちょっと移動するという使い方が主流である。
そのため、多くの人は山手線に乗っても2、3駅も過ぎれば降りていく。短距離路線というのが大きな特徴だ。
乗客の回転率が高いため、女性専用車両も不要という考えが強い。埼京線や総武線、中央線とは大きく違うところである。
乗客の入れ替えが多いということは、その分痴漢犯罪が起こる確率がかなり低い。しかも駅間距離が短いため、性的な被害が防げる。
女性専用車両をわざわざ設ける合理的な理由に欠けているからこそ、山手線に女性専用車両がない理由といえる。
地下鉄丸ノ内線・銀座線もない
ところで、山手線と同じように短距離路線という性質が強い地下鉄丸ノ内線や銀座線においても女性専用車両の設定はない。
こちらは車両そのものが6両編成ということで東京では短いからという説も有力だが、痴漢が少ない路線であるのもまた確か。
女性専用車両の乗車率は低いのか!? 普通車よりも空いている?
駅間距離が短いうえ、乗客の入れ替えが激しいからとも考えられる。他の地下鉄路線は、まとまった入れ替えがあるのは大きな主要駅のみとなっている例が多い。
しかし、丸ノ内線や銀座線は中心地を走るため、小さな駅でも乗降客数が多い。女性専用車両の設定が不要な条件が整っている。
なお、近郊型路線では女性専用車両がない例が多い。東海道線・高崎線・宇都宮線や総武線快速、横須賀線はその例に入る。