大阪モノレールは北摂地方を走る交通機関であり、千里ニュータウンの中心地である千里中央やEXPO 70の跡地である万博記念公園、大阪空港(伊丹空港)へのアクセス手段として利用されている。
路線は本線と彩都線の2つがある。前者は大阪空港から蛍池、千里中央、南茨木を経て門真市駅まで走る。彩都線は万博記念公園から阪大病院前などを経て彩都西駅まで走る。
いずれも付近の住民にとっては欠かせない交通網となっている。大阪空港へのアクセス手段としても非常に重要な役割を果たしている。しかし、運賃が高いということで、料金の面では評判は良くない。
維持費にコストがかかる?
大阪モノレールの運賃を他の鉄道会社と比較しようとした際、最もその対象となるのは同じく北摂地区を走る阪急電鉄、もしくは門真市駅で接続する京阪電鉄ではないだろうか。
いずれも大阪近郊の私鉄であり、運賃も安い傾向にある。距離に対する運賃は、大阪モノレールは10kmで370円、20kmで520円に設定されている。一方の阪急の場合、10kmで220円、20kmで280円、京阪電鉄はぞれぞれ270円、330円となっている。
大阪モノレールが付近の鉄道と比べると割高になっているのはわかる。では、運賃の高さの理由はどこにあるのか。
主な要因は建設コストと維持費にあるといえる。モノレール軌道ということで、建設費はやや高い。高架に軌道を建設していることから、平坦部分を走る鉄道よりも割高になっている。
維持費もまた同じことがいえる。阪急などの私鉄各社は、線路が地上を走ることから、メンテナンスや各種工事は比較的簡単に行われている。一方、モノレールとなると高いところにある軌道まで届く機材や専用の車両を必要とするため、コストが高くつく。
こうした要因が、大阪モノレールが付近を走る阪急や京阪よりも運賃が高く設定されている理由となっている。
建設の借金もある
大阪モノレールが開業したのは、1990年の千里中央~南茨木間であり、その後徐々に区間を延ばしていった。
阪急や京阪が戦前からあるのと比べるとかなり新しくできた路線であるということがわかる。現在でも延伸する計画があり、2030年頃を目途に近鉄奈良線方面まで延伸する予定となっている。
新しくできた路線ということで、建設費の借金は今も残っている。当然ながら、運賃にもその返済費が含まれている。ランニングコストと借金分の料金が加わっているために、他社よりも値段が高く設定されているのだ。