京阪電車には「特急」や「快速特急」という種別の列車が運転されている。停車するのは主要駅に限られているが、JRや近鉄のような追加料金がかかる特急券はいらない。誰でも無料で乗れる。
本当に、乗車券に加えて追加料金がかかるのはあくまでも座席指定の「プレミアムカー」だけである。プレミアムカー料金は400円または500円となっている。
南海本線の特急サザンや首都圏のJR東日本の在来線のグリーン車のような存在である。一般的な普通車であれば自由席となっていて乗車券のみで乗れるものの、プレミアムカーは追加料金を支払うことで指定席を確保できるというサービスである。
節約したいのであれば、京阪本線の特急であれば普通車に乗れば問題ない。混雑している時間帯は座れない可能性があるが、それでも出費は安くて済むというメリットがある。
なぜ特急でも無料なのか?
関西の私鉄においては、特急という種別でも無料で乗れる速達電車という形で運転しているケースが多い。特急券が必要となるのは近鉄と南海(サザン号は除く)のみとなっている。
関西以外では、首都圏の京成、東武、西武、小田急が有料列車として特急を走らせている。
距離が長くない
私鉄の場合、「特急」という名前が付いている列車が特急券が必要となる有料列車になっている路線には共通点がある。それは、距離が長いという特徴だ。
いずれも片道のみで50~100、あるいはそれ以上の距離を走る。車両も特急専用のもので運転されていて、1両あたり片側3つ以上の扉がある通勤型車両では運転されていない。
京阪電車の場合、路線距離は長くはない。大阪~京都間を走るだけである。淀屋橋~出町柳の距離は51.6kmということで、決して短い距離ではないものの、地理的に大阪市の中心部から遠いところまで走るというわけではない。
JR・阪急との競合もある
加えて、JRや阪急との競争もある。JRでは新快速・快速が走っている。それぞれ29分・44分で大阪~京都間を結んでいる。阪急では、特急が梅田~河原町間を43分で結んでいる。
いずれも乗車券のみで乗れる列車である。阪急の特急も特急券というものは存在しない。いつでも無料となっている。
京阪電車の場合は特急でさえ53分(淀屋橋~出町柳)もかかる。特急券分の追加料金が発生するとなると、乗客が京阪線を使わなくなるという懸念もあるものと思われる。
こうしたことから、京阪電車の「特急」は、普通車であれば無料で乗れる。着席保障のある豪華なプレミアムカーという特別車だけが有料となっている。