西鉄貝塚線の混雑状況について、朝ラッシュではどれくらいのレベルにまで達するのか。時間帯ごとに乗車率の目安を詳しく調査してみた。
西鉄新宮~貝塚間を走る路線で、比較的郊外を走るものの、朝の混雑率は140~150%に達するというデータが公表されている。
すべて2両編成で運転されているうえ、本数もそれほど多くはない。全線単線であるため、平日の朝ラッシュでも10分に1本しかない。これが混雑度を上げている。
時間帯ごとの混み具合
―(貝塚駅にて調査)― | |||
朝の時間帯 | 混雑レベル | 夕方の時間帯 | 混雑レベル |
6:30-7:00 | 3 | 16:00-17:00 | 2 |
7:00-7:30 | 4 | 17:00-18:00 | 3 |
7:30-8:00 | 5 | 18:00-18:30 | 5 |
8:00-8:30 | 5 | 18:30-19:00 | 5 |
8:30-9:00 | 5 | 19:00-20:00 | 4 |
9:00-9:30 | 3 | 20:00-21:00 | 3 |
西鉄貝塚線も他の鉄道路線と混雑のピークに達する時間帯は同じである。JR鹿児島本線や福岡市営地下鉄各線と一緒だ。
最も混雑が激しくなるのは朝ラッシュのピークに当たる7:30~9:00の1時間半程度の時間帯になる。上り列車、つまり貝塚行の電車が最も混雑する。
夕方から夜にかけての帰宅ラッシュの時間帯に関しては、ピークになるのは18:00~19:00までである。朝よりは乗客の流れが分散するため、混雑率は朝の方が大きい。
混雑率が150%近くになる理由
西鉄貝塚線は福岡都市圏では最大の混雑率を誇る路線となっている。朝ラッシュでは、他の主要路線の方が空いている状態になっている。
混雑率は150%近くになっているが、これは首都圏の主要路線と同じくらいのレベルになる。
ただし、乗客の総利用者数はそれほど多くはなく、付近を走るJR鹿児島本線や同じ西日本鉄道の天神大牟田線の方がはるかに多い。
貝塚線がこれほど混雑する理由は以下が挙げられる。
- 2両編成で運転
- 単線(複線区間なし)
- 本数がピーク時でも10分間隔
西鉄貝塚線について結論を言うと、輸送力に乏しいのが混雑激化の理由となっている。すべての電車は2両編成で運転されている。
本数も朝の7時台、8時台でさえ10分間隔でしか運転されていない。これは、単線のため線路容量に限界があるからである。これ以上本数を増やせないという事情がある。
混雑緩和の可能性は?
もし仮に西鉄貝塚線を複線化したり、車両の連結数を6両編成にした場合、混雑率のランキングでは下位になる。福岡都市圏でも一気に空いている路線の部類に入ってくるだろう。
たとえ10分間隔でしか走らせなかったとしても、混雑率は100%を下回ってくる可能性が大きい。
西鉄貝塚線は全線を通じてJR鹿児島本線とほぼ並行して走っている。沿線の地域を見ても、鉄道手段が貝塚線しかないというわけではない。
このように特殊な事情があるため、ローカル線のような存在である西鉄貝塚線の混雑率が150%近くに達している。