大阪地下鉄谷町線の混雑に関して、通勤ラッシュの時間帯の乗車率は約120%程度になるだろう。御堂筋線や中央線ほどは混み具合が激しいわけではないが、満員状況が続く区間は決して短くはない。
朝ラッシュの場合、最も混雑度が大きいのは谷町九丁目→谷町六丁目の区間である。駅名こそは異なるものの、大阪上本町駅と直結していることから、近鉄からの乗り換え客が殺到する。
梅田方面へ向かう人は谷町線を使うのが便利なため、この区間が最混雑区間の理由だろう。
混雑率はピークでも110%だが
国土交通省が公表している鉄道路線の混雑率の調査結果によると、地下鉄谷町線の混雑率は8時台で110%となっている。7時台はこれよりも低い数値になる。
ピーク時で110%程度というのは、それほど激しいというレベルではない。御堂筋線や中央線は150%近くに達する。東京の地下鉄では200%くらいにまで達する例も少なくない。
谷町線はすべて6両編成となっていることから、10両編成の御堂筋線と比べて列車は比較的短い。乗客の総数の割には満員電車となって乗車率も小さくはない。
さらに、朝ラッシュでは女性専用車両が設定されているのも混雑度が高いという実感がわく要因とも考えられる。
6両編成のうちの1両分は女性専用車両に割り当てられているため、男性が乗れるのは5両分しかない。
東梅田~天王寺はいつも混雑が続く
区間 | 混雑度 |
大日~天神橋筋六丁目 | ★★ |
天神橋筋六丁目~東梅田 | ★★★ |
東梅田~谷町九丁目 | ★★★★★ |
谷町九丁目~天王寺 | ★★★★ |
天王寺~八尾南 | ★★ |
地下鉄谷町線の中でも東梅田~天王寺は常に混んでいる状態となっている。大阪市の中心部を走る区間ということで、乗客数が1日を通して多いからだ。
朝と夕方の通勤ラッシュの時間帯でも、東梅田~天王寺の部分は北行・南行ともに高い乗車率が続く。
一方で大日~東梅田や天王寺~八尾南は大阪市中心部と郊外のベッドタウンを結ぶという性質から、地下鉄というよりも一般的なJRや私鉄各線と同じような状況になっている。
朝は都心部方面へ向かう電車が混雑し、夕方と夜は中心部から外へ向かう電車が混雑する。
夕方と夜も乗車率は100%超に
通勤電車の混雑率は朝と比べると夕方から夜にかけての帰宅ラッシュの方が緩やかというイメージが強いだろう。確かに輸送力という点ではまだ余裕がある。
しかし、体感的な混み具合は帰宅時間帯でも朝とほとんど変わらない。乗車率も100%を超えているところが多くなる。
朝は7~8時台に人々の移動が集中するが、夕方・夜は分散される。とはいえ、その分電車の本数も少なく抑えられている。
これにより、混み具合という点では大差ない。特に18時台と19時台前半の帰宅ラッシュのピークを迎える頃は朝の8時台前半と同じ感じがする。
谷町線のみならず、これはどこの鉄道路線にも当てはまる共通点といえる。ただ、市内中心部がメインの谷町線は18時台がピークで他と比べるとやや早い時間帯に当たる。