大阪環状線で2016年12月24日に登場した新型車両323系には自動放送が搭載されている。これまでJR西日本の在来線ではほとんど導入されてこなかったが、今回からは日本語と英語の2か国語でテープによってアナウンスされている。
自動放送の声を担当しているのは、日本語は西村文江さん、英語はジーン・ウィルソン (Jean Wilson)さんである。西村氏は小田急・東急・京王などの東京の私鉄で担当している。
ジーン・ウィルソン (Jean Wilson)氏は東北・上越・北陸新幹線、つくばエクスプレス、JR北海道において英語アナウンスの声を担当している。いずれも聞いたことがあるという人は多いのではないだろうか。
323系から本格的に普及する?
首都圏を走るJR東日本をはじめと関東地区の私鉄各社では自動放送を積極的に導入している。
運行本数も多く、それに加えて土地になじみがない地方から来た人、海外からの外国人が多く利用するということで、より聞き取りやすいテープによるアナウンスを推進している。
日本の首都であるということで不特定多数の利用者が多いのが、自動放送を普及させている理由に挙げられるだろう。
一方の大阪を中心とする関西では自動放送を導入している鉄道会社は少ない。地下鉄各線や2016年から車掌によるタブレット操作でアナウンスを始めた近鉄くらいである。
JR西日本全体としても新幹線と関空紀州路快速くらいである。それ以外はすべて車掌による肉声放送にてアナウンスを行っている。
在来線で本格的に自動放送を始めたのは今回の大阪環状線を走るの323系である。いよいよ大阪環状線も東京の山手線みたいになってきたといえるのではないだろうか。
今後も各線へ広がるか?
ところで、323系の大阪環状線のように自動放送の設備は今後ほかの路線にも広がる可能性はどれくらいあるのか。
国鉄時代に製造された201系や103系についてはおそらく100%このまま車掌による肉声でのアナウンスが廃車まで続くと思われる。
一方のJR化後に製造された223系や225系、321系や207系については自動放送の設備が投入される可能性がある。ドア上部にLEDまたは液晶モニター(LCD)による案内板がついている車両には設置されるかもしれない。
ただ、自動放送の設備を搭載するにはかなりのコストがかかる。
駅名や乗換案内の録音にも時間がかかる。そのため、本当に他路線へ普及するとは確信が持てない。
しかし、少なくとも323系が今後大和路線や阪和線、おおさか東線にも導入されることになった場合には自動放送も搭載されることになるだろう。