新快速を英語で表記すると、関西地区のJR西日本ではSpecial Rapid Serviceとなっている。JR東海の名古屋地区ではNew Rapidという言葉を用いている。日本語は同じであるにも関わらず、英訳するとだいぶ意味合いが違ってくるのがわかる。
ただ、New Rapidだと英語としてはかなり意味不明な言葉である。
newとは、新しく登場したという意味合いで使われる単語であり、直訳すると「新しく登場した快速電車」ということを示す言葉になってしまう。
確かに新快速が誕生したのは戦後しばらくたってからの時期であって、ふつうの快速がすでにあった状態で後から登場したのが事実。のちに新しく登場したのは間違いない。
しかし、それでも新快速自体が出たのは今から考えるとかなり昔のことである。常識的に考えると、決して新しい存在とは言い難い。
JR西日本の場合はSpecial Rapid Service
JR西日本の新快速はSpecial Rapid Serviceと表記されている。
これは、前述の通り英語としての意味合いをわかりやすくするためである。この単語を再度日本語に直訳すると「特別快速」という意味になる。
かつての1990年ごろまでは、JR西日本でもNew Rapidという表記を使用していた。
日本語の名称をそのまま英語に直訳していたわけであるが、利用者から英語としても言葉遣いがおかしいという声があったために現在の形となったのだと思われる。
関西地区では「特別快速」という種別の列車がそもそも存在しないため、英語の表記を変えても特に問題は発生しなかった。単なる快速よりもさらに停車駅を少なくした種別ということを示せばよいわけである。
駅の電光掲示板や自動放送、電車の中の案内板では、新快速はすべてSpecial Rapid Serviceと表記されている。
なぜJR東海はNew Rapidなのか?
ではどうしてJR東海ではいまだにNew Rapidという表記を使っているのか。
英語としての意味合いがおかしいのであれば、名古屋地区も変更すればいいのではと思ってしまうところではある。
JR東海の場合、新快速が走っている東海道線には「新快速」とは別に「特別快速」という種別の列車も走っている。
2つの違いとして、後者の方が停車駅が少ない。決定的な違いは大府駅に止まるか止まらないかである。前者は必ず停車するが、後者はすべて通過する。金山~刈谷の区間はノンストップであるのが特徴。
JR東海の特別快速の英語表記はSpecial Rapidとなっている。このため、新快速では「Special」という単語が使えない状況になっている。やむを得ず新しいという意味の「New」を用いているのだ。