Fライナーは朝と夕方・夜は走っていないのはなぜ!?

5社相互直通運転のすべての区間で通過駅を持つ「Fライナー」であるが、運行されているのは日中の時間帯だけである。どうして朝と夕方、それに夜間は走っていないのか、理由について疑問に思ったことはないだろうか。

東京メトロ副都心線・東急東横線・みなとみらい線・西武池袋線・東武東上線の5つの鉄道会社の路線を行き来する優等列車の通称がFライナーである。全区間に渡って通しで上位種別となっている。

ある鉄道会社では各駅停車になるといったことがないことを表すのがFライナーという名称といってよい。


朝は走っていないのはなぜ?

朝の時間帯においてはまったくゼロである。乗り入れ先のすべての路線で優等列車として運転されるものがなく、どこかでは各駅停車となる運用がほとんどなのが朝の通勤時間帯の電車だ。

Fライナー

理由としては、都心を通過して首都圏の南北を移動する人が相対的にあまりいないのが挙げられる。朝ラッシュの時間帯となると、どうしても郊外から都心へ向かう人が圧倒的多数となる。

西武・東武から東急東横線まで通しで急行などとして走ったとしても、その意義が薄くなってしまう。Fライナーでなくてもよいわけだ。このため、どこかの路線内では各停になる最大の理由といえる。

また、朝の時間帯は速達性よりも輸送力の大きさの方が重要視される。所要時間ではなくて一度に大量の乗客を運ぶことが鉄道会社にとっての最大の使命となる。

この点でもFライナーが走っていない要因といえるだろう。1日の中で最初に登場するのが副都心線内で10時台になっているのはそのためである。

夕方・夜もないのはどうして?

夕方から夜間にかけての時間帯もFライナーはまったく運行されていないが、この理由は何なのか。

Fライナーの時間帯

需要の面ではやはり日中の時間帯と比べると相対的に少ないのが現状だ。1日の終わりに近づくと、都心部から郊外の自宅へ帰る人で電車が混雑するのはあまり前であるが、このように南北を移動する人よりも都心と郊外を移動する人の方が多くなる。

そうなると、Fライナーとして通しで通過駅を持つ優等列車をわざわざ鉄道会社間でダイヤ設定の協議した上で運転させる必要性が低いということになる。

しかも、夕方以降は鉄道利用者が増えるために電車の運行本数も多くなる。そうなると、より各路線に見合った時刻表のダイヤを組まなければならなくなる。Fライナーを走らせてしまうと、ダイヤを需要に最適化するのが難しくなる。

Fライナーを走らせるよりも、各路線にて独自の時刻表を組んだ方が高密度運転がしやすく、より大きな輸送力を確保しやすくなるのは事実。このため、夕方から夜間にかけての時間帯もFライナーの本数がゼロとなっているのだ。

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