阪急神戸線、なぜ転換クロスシートではなくロングシートなのか!?

阪急神戸線で使われている車両のほとんどは転換クロスシートにはなっていない。特急であってもロングシートが主流となっている。どうして京都線のように進行方向に向いて座る形式にはせずに横向きのタイプを採用しているのか。

転換クロスシートといえば、JR東海道本線・山陽本線の新快速で使われている車両が関西では有名である。新幹線のように進行方向に向かって座る座席となっているため、快適性が高いことで人気がある。

阪急京都線においても、9300系は転換クロスシートとなっている。日中の時間帯では特急を中心に使用される車両であり、ロングシートとなっているのは車両の端部のみとなっている。

しかし、神戸線及び宝塚線においては新しい9000系と1000系であってもロングシートとなっている。転換クロスシートとなっているのは8000系の新開地・宝塚寄りの2両のみとなっている。


距離が短いためロングシート!

阪急のロングシート

阪急神戸線の場合、路線の距離そのものが短いといえる。同じ阪急電鉄でも京都線の場合は始発駅の梅田駅から終点の京都河原町駅までは距離が長く、特急でも所要時間が1時間近くかかる。乗っている時間が長いため、座席にも快適性が求められている。

一方の神戸線では梅田駅から神戸三宮駅までは、特急であれば30分もかからない。乗っている時間が短いというわけだ。宝塚線についても、所要時間は比較的長いものの距離自体は短い。

阪急神戸線では、特急についてはJRとの競合があるためスピードは重視されている。停車駅を少なくして所要時間の短縮化を図っている。阪神間の速達列車といえばJRの新快速であるが、阪急神戸線もそれを意識したダイヤ設定となっている。

しかし、所要時間が短いこともあって転換クロスシートにまでするところには至っていない。それよりも、朝ラッシュ時にできるだけ乗客を乗せることを重視しているものと思われる。

もし山陽電車へ直通するとしたら

阪急神戸線では、阪神電車とは違って終着駅は神戸高速線の新開地駅となっている。神戸高速線には阪急と阪神、山陽電車、神戸電鉄が乗り入れていて、阪神と山陽は相互直通運転を行っている。

現在、阪急と山陽電鉄の直通運転はまったく実施されていない。とはいえ、もし阪急神戸線も山陽電車と乗り入れを行うようになったとしたら、転換クロスシートの車両が導入される可能性は高まる。

しかし、残念ながら阪急と山陽電鉄の相互直通運転が行われる可能性はゼロに近い。車両の規格もかなり違うため、膨大なコストがかかる。

よって、阪急神戸線に転換クロスシートの車両が投入される見込みは薄い。今後も、特急でもロングシートが主流であり続けるものと考えられる。

おすすめ記事