阪急電鉄、JR西日本の最速列車はぞれぞれ特急、新快速である。いずれも、京都・大阪・神戸の関西3大都市を結ぶ鉄道路線において乗車券のみで乗れる速達電車であり、看板的な存在となっている。
阪急は、京都線・神戸線にて「特急」を走らせている。停車駅は主要な駅にだけ停車するダイヤとなっている。JR西日本は、東海道本線において「新快速」を走らせている。並行する私鉄に対抗する形で国鉄時代の1970年に導入した種別である。
今回はこれら2つを比較してみる。所要時間、運賃、本数、混雑度などではそれぞれにどんな違いがあるのか。また、便利なのはどっちの方なのか。
阪急VSJR西日本
阪急(特急) | JR(新快速) | |
所要時間 | 43分(梅田~河原町)
27分(梅田~神戸三宮) |
29分(大阪~京都)
23分(大阪~三ノ宮) |
運賃 | 400円(梅田~河原町)
320円(梅田~神戸三宮) |
560円(大阪~京都)
410円(大阪~三ノ宮) |
本数 | 10分間隔 | 15分間隔 |
混雑度 | 〇 | △ |
やはりJR新快速は早い
所要時間では圧倒的にJR西日本の新快速の方が優勢である。大阪~京都では、JRが29分で結ぶのに対して、阪急京都線の特急では梅田~河原町は43分もかかる。14分余計に時間がかかることになる。
大阪から神戸にかけての所要時間についても、JRの新快速であれば大阪~三ノ宮を20分で走る一方、阪急神戸線の特急では27分かかる。こちらは、差が7分であるため、それほど大きな差はみられないものの、比較するとJRの方が優勢だ。
なお、大阪を飛ばして京都から神戸へ行く際には、阪急だと必ず十三駅で乗り換える必要がある。JRは乗り換えがいらない。京都~神戸間の移動となると、圧倒的にJRが有利である。
阪急は安い
運賃については、阪急が安い。梅田~河原町の料金は400円。一方のJRの場合は、大阪~京都で560円もかかる。価格差は160円ということで、決して安い金額ではないだろう。
また、阪神間を阪急を使った時は梅田~神戸三宮で320円かかるが、JRだと大阪~三ノ宮で400円かかる。こちらは、阪急の方が80円安い料金となっている。
京都~神戸の場合は、価格さはかなり大きい。JRだと1,080円の運賃がかかる一方、阪急で十三駅乗り換えで移動した場合となると、神戸三宮~河原町で620円である。その差は460円だ。交通費を節約するのであれば、乗り換えという手間はあるが、阪急を使いたい。
本数は大差ない
本数に関しては、阪急電鉄では京都線、神戸線ともに10分間で運転されている。日中は均等ダイヤとなっていて、必ず毎時6本走っている。JRの新快速は、15分間隔で毎時4本走っている。
最速列車だけで考えれば、阪急の方が運行本数は多い。ただ、JRでは新快速とは別に「快速」という種別も走っている。停車駅は新快速よりも多く、特に高槻~京都間は各駅に停車するため、速達性はそれほど高くはないものの、本数は同じく毎時4本運転されている。
単なる快速に乗るという選択肢を入れるのであれば、JR側の方が本数が充実しているといえる。
ただし、快速だと大阪~三ノ宮は27分、大阪~京都は41分という所要時間のため、阪急の特急とは差がほとんどない。
混雑度はスピードに比例
混雑度については、速達性が高ければ高いほど満席で座れない可能性が大きい。最も激しいのはJRの新快速である。
今回の比較対象である大阪、神戸、京都はいずれも途中駅ということで、座席を確保できない可能性が非常に大きい。大阪駅は乗り降りする人が多いため、列の先頭に並んで乗車した場合に限っては座れることがあるが、基本的には確率が低い。
日中の時間帯であっても、新快速に限っては非常に混雑する。しかも、上下線のどちらも混み合うことが多いのが特徴だ。
阪急の特急については、始発駅であるため座れる。日中の時間帯は並ばなくても座れる可能性が大きい。新快速とは対照的である。