阪神なんば線の運賃が高いと感じたことはないだろうか。大阪難波→尼崎の10.1kmで片道の料金は330円となっている。本線の場合、同じ距離だと240円(9 – 13km)であり、なんば線だけが割高となっている。
大阪難波→神戸三宮だと410円となっている。こちらは、距離が長い割には阪神なんば線のみの利用の場合と大差ない。
阪神なんば線の場合、初乗り運賃も200円に設定されている。これは、かつての大阪市営地下鉄並みの料金である。
通常の初乗り運賃は140円となっているため、近距離の場合でもなんば線は割高な料金となっているのがわかる。
阪神なんば線は加算運賃がかかる
阪神なんば線の場合は、基本運賃のほかに加算運賃というものが取られる。西九条~大阪難波間を利用すると、通常の料金に90円が上乗せされる。初乗りの場合は上乗せ額が60円に割引される。
理由としては、建設費の償還が挙げられる。阪神本線とは違い、なんば線は2009年に開業したばかりの新しい路線である。建設費が昔に完成した路線よりも高く、借金の返済も残っている。
電車のランニングコストだけしかかからない路線と比べると、さらなる経費が掛かっているため、新規路線の阪神なんば線では加算運賃の制度が設けられているというわけだ。
加算運賃適用後の料金は、近鉄やJRの幹線運賃並みの値段といえる。決して大幅に高いというわけではないものの、私鉄としては高い部類に入るのは間違いない。
特に近距離の場合は、割高感が大きい。移動距離が20km程度までは、阪神なんば線の加算運賃適用後の料金は高いと誰もが感じるだろう。
なお、阪神なんば線は近鉄との相互直通運転を行っているが、近鉄線を利用した場合はさらに別料金が発生する。「近鉄分の運賃+阪神分の運賃」の合計金額が発生する。鉄道会社が違うため、距離制が通算されるようにはなっていない。
長距離は安い?
阪神なんば線を使った場合でも、長距離を移動する場合にはあまり割高感は感じない。大阪難波→神戸三宮までは410円となっている。
難波→神戸三宮の距離は32.4kmだが、同じ距離を近鉄を使うと560円となる。JRの幹線だと580円となる。いずれも加算運賃適用後の阪神電鉄の料金よりも高い。
阪神電鉄で運賃が割高になっているのはなんば線の西九条~大阪難波間の部分だけである。それ以外の区間は、他社線との競合があるなどの理由から割安な値段に設定されている。
兵庫県内と難波地区を移動するのであれば、地下鉄やJRなどを乗り継いで移動するよりも、新しい阪神なんば線を使うのが便利でコスト面でもデメリットがないだろう。