Fライナーの最高速度は時速何キロメートルに設定されているのか。東京メトロ副都心線・東武東上線・西武池袋線・東急東横線・みなとみらい線の5社を相互直通運転する列車のうち、通しで優等列車として運行される種別であるが、本当にスピードを出すのか。
名前が誕生したのは2015年3月のダイヤ改正の時であり、以来は5社すべてにて通過駅を持つ最上位種別を「Fライナー」と呼ぶようになった。
東京メトロ副都心線においては「急行」として運転される。乗り入れ先の私鉄では、東武東上線は「急行」、西武池袋線は「快速急行」、東急東横線とみなとみらい線では「特急」として運転される。
停車駅はすべての列車の中で最も少なく設定されている。各駅停車として運行される区間はまったくない。
各鉄道会社の最高速度は?
- 副都心線=80km/h
- 東武東上線=100km/h
- 西武池袋線=105km/h
- 東急東横線=110km/h
副都心線
東京メトロ副都心線内での最高速度は80km/hに押さられている。確かに停車駅は主要な駅のみであるが、巡航速度はそれほど高くはない。地下鉄としては他の路線と同じに設定されている。
快速が走る東西線の地上区間は100km/hに設定されていることを考えると、副都心線の急行は遅いといえる。ただし、副都心線のFライナー場合は都心部分を速達運転されているため、東西線とは性質的にかなり違うのも事実だ。
地下鉄の線路は非常に急カーブが多く、しかも勾配も多い。それでも、所要時間については並行するJR埼京線と変わらない。これもまた特徴的であり、副都心線が速達性を重視していることが把握できる根拠でもある。
東武東上線
東武東上線の最高速度は100km/hである。急行が通過運転を行う和光市~川越の区間も含めてすべて100km/hとなっている。
このスピードは、私鉄の中では遅いほうに分類される。近年は高速化が私鉄各社でも広がっているが、東武鉄道だけに視点を置くとその例外となっているのは確か。
その一方、停車駅はそれほど多くはない。制限速度がかかるようなカーブも少なく、線形は非常に良好だ。その結果として、距離に対する所要時間は短い傾向にある。
西武池袋線
西武池袋線の最高速度は105km/hとされている。こちらもまた、スピードの数値的には決して高いとは言えない。一方、列車巣別は「快速急行」として停車駅が極力少なくされている。
線形も比較的良好であり、制限速度がかかるカーブも多くはない。Fライナーが走る鉄道会社の中では最も速達化のために停車駅を絞っているという印象が持てるのも西武池袋線ならではの特徴といえる。
所要時間も短縮化されていることもあり、所沢駅においては新宿線方面から乗り換えて都心へと向かう人も多く見受けられる。これは、西武新宿線があまり速達化には力を入れていないためであるが、それとは対照的にFライナーの速さが評価されていることも意味する。
東急東横線
東急東横線はFライナーが最もスピードを出す路線である。最高速度は110km/hに設定されている。種別は「特急」であり、こちらも停車駅はかなり絞られている。
ただし、実際に110km/h出せる場所はそれほどない。理由は、東横線には制限速度がかかるカーブが多く存在するためである。線形は良くはないわけであるが、停車駅が少ないにも関わらず表定速度が遅い原因はここにある。
Fライナーが110km/h出す具体的な区間は、中目黒~自由が丘と武蔵小杉~元住吉、日吉~綱島の部分のみである。それ以外では地下鉄線内を走るときとスピードが変わらない。線形が悪いためである。