京阪電鉄ではすべての電車に残念ながらトイレはまったく設置されていない。特急、快速特急、急行、あるいは有料座席のプレミアムカーにおいても御手洗は付いていない。
私鉄だと近鉄や南海の一部にはトイレが整備されているが、それ以外の鉄道会社ではすべてトイレなしとなっている。京阪もその対象だ。
特急車両でさトイレなし
なぜ京阪電車はどの種別や車両にもトイレをつけなかったのか。有料座席指定車両の「プレミアムカー」でさえ御手洗を設けなかった理由が気になる。
京阪は京都~大阪間を走る京阪本線だと乗っている時間が長くなりやすい。そのため、座席の配置も転換クロスシートになっている車両も結構ある。
京阪では通勤型車両と特急用車両の2つがある。JRで言うと通勤型と近郊型のような形だ。
- 3000系
- 8000系(プレミアムカー連結)
特急型は長距離移動のための設備になっていて、座席の配置は転換クロスシートとなっている。対する通勤型はロングシートだ。
しかし、トイレはいずれにもついていない。電車に乗っている最中にトイレに行きたくなった場合が、途中の駅で降りるしかない。
なぜトイレがないのか?
京阪本線の場合、淀屋橋から出町柳までの距離は51.6kmである。私鉄としてはやや距離が長い方に入るが、JRや近鉄などと比べるとそこまで長いわけではない。
これが、トイレが付いていない理由である。電車内に御手洗の設備をつけるほどの長距離路線ではないのが根拠といえる。
特急でも淀屋橋→出町柳の所要時間は1時間未満である。
JRや近鉄の場合は片道90分以上も走る路線や種別がある。
所与時間が長いため、トイレの必要性が高い。京阪電車はそれと比べると乗っている時間が短い。
その分トイレの必要性も下がる。ランニングコストを考えると割に合わない。